フロンティア「日本人とは何者なのか」NHK BS 12/6放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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「日本人とは何者なのか」 NHK BS 12/6放送

感想
NHK BSとして新たに始まった「知的探求ドキュメンタリー」
1回目はDNA分析から日本人のルーツに迫って行く。
日本人が抱く「他の民族とは違う」的な願望をくすぐられる。
縄文人の祖先はアフリカから出て、南ルートから最短で東アジアに到達し、その後の海面上昇で孤立して独自の文化を歩んだ。
だが結局はるかに多い渡来人との交雑により、今の日本人のDNAが構築されているという事。
途中までは盛り上がったが結末を聞いて「なーんだ」
ただ、古代のDNAを解析する「次世代シーケンサー」はスゴい!

内容
語り:オダギリジョー

Chapter 1 最初の"日本人"の正体
人の先祖を辿ると、いつかは家系図のない時代に辿り着く。
人類が日本列島に来たのは約3万年前。どんな人たちだったか?
神澤秀明:分子人類学専攻(国立科学博物館)
古人骨にはほとんどDNAが残っていない。
それを見つけて配列を知るのを可能にする→次世代シーケンサー
これによりゲノム全体を網羅的に分析出来る。
アジア各地の現代人や古代人のDNAを調べた。


アジア人の括りでは遺伝情報の系統がほぼ一直線に並ぶ。
日本人は左上に外れている。その更に左上に縄文人がいる。

縄文人はかなり独立した系統。日本人は縄文人から受け継いだDNAを抱えながら生きて来た。何が違うのか。


縄文時代は1.6万年~3千年前ほどの期間。

縄文人の特性:筋肉の付き方が違う。足腰が非常に強かった。
縄文人はどういう人か?どこから来たか?
その手掛かりはパッタルン(タイ)で見つかった。


タイのカオパット保護区で暮らす少数民族「マニ族」
「森の民」と呼ばれる。何千年も前から女はイモを探し、男は狩り。文化も言葉もタイの人たちとは違う。
だがマニ族の祖先と日本人の祖先との繋がりが判明。
マニ族はホアビニアン文化(狩猟採集民)の継承者。
ホモ・サピエンスは皆アフリカ出身。その中でインドから東南アジアに入ったグループがいた。それがホアビニアン。

マニ族はその直接子孫。

ホアビニアンと縄文人の繋がりが分かったのは2018年。
8千年前のホアビニアンのDNA解析に成功したのがきっかけ。
80集団以上調べてホアビニアンとの近縁度を調べた。

東南アジアの古人骨グループの中に縄文人が入っていた。


縄文人の軌跡(推定)
アフリカを出た人類は西の欧州と東の二通りに分かれ、更に北と南に分かれた(南がホアビニアン)
その後農耕民が流入して古いDNAはほぼ消失。
だがその前に東南アジアを去った集団がいた。海沿いに北上し、最も早く日本列島に辿り着いた(縄文人の祖先)


非常にフロンティア精神が高い人達(行かないと明日がない)

Chapter 2 今も残る”縄文DNA"の謎
日本列島に着き、1.6万年前から縄文文化を築いた祖先たち。
縄文人の初期集団は、解析の結果千人程で成立したと分かった。そのDNAを日本人は一万年も受け継いでいる。何故か?
2016年、その理由を物語る大発見があった。
徳之島(鹿児島)のウンブキ(水中洞穴)
30mほど潜り、先に80mほどの第一ホールが広がる(全長700m)神秘性で言えば一番傑出した遺跡。
深部に無数の土器があった(縄文遺跡)流されたものではない。
元々陸上洞窟だったものが沈んだ。約2万年前は津軽海峡、対馬海峡とも楽に行き来が出来ていた。

氷期が終わり海面上昇と共に大陸と切り離され、交流が減った。
孤立した形で独自の変化を遂げた。
その頃世界では農耕が始まり文明が栄えた。

日本で縄文人は孤立し、独自のDNAと文化を育んだ。
三内丸山遺跡に代表される数百人の集落。狩猟採集民族で定住するケースは世界的にも稀。火炎土器に込められた思想。
 

DNAで復活!縄文人の顔(北海道 礼文島 船泊23号)


高い脂質分解能力でアザラシ等も食べていた(DNA解析)
新潟産のヒスイも見つかり、広い範囲での交易があった。

Chapter 3 激動の時代"新たなDNA"の謎
孤立の時代は終わり、3000年前から弥生時代に入る。


鳥取にある「青谷上寺地遺跡」多数の人骨。鉄の武器で傷付けられた跡もある。DNA分析で縄文人の子孫と渡来人の子孫の混血が進んでいる事が判明。
人、もの、情報が交流する時代(争いも)
良く言われる二重構造説
縄文人の場に稲作と金属器を持った者が大陸から来た。
その中で混血して現代の日本人となった。

最近、この常識を覆すデータが発表された。
現代人の混血が縄文人、渡来人以外のもので占められている。

第三のDNAは何か?


古墳時代(3~7世紀)に注目。庶民の墓の骨のDNA解析。


2021年に結果判明。古墳時代に、既に第三のDNAが占めている。二重構造モデルの限界→三重モデル構造

古墳時代に、想定よりはるかに大量の渡来があった。
当時大陸は戦乱の世。大量の民が日本列島に逃れたか。
技術を持った人だけでなく、一般の者も来て融合を遂げた。
 

渡来人の遺伝的ルーツ調べ
弥生人骨は北東アジアのルーツが多い。


古墳人骨は東アジアのルーツが多い→結局様々な地域から

縄文、弥生をはるかに上回る渡来人との混血によって、日本人のDNAが成り立っている。