感想
女性のことだが人体の驚異という点で興味深く視聴した。
しかし女性は、子供を産むことで健康リスクを回避しているとは驚いた。妊娠せずに400回以上も生理を行うようには、肉体が出来ていないという。
元々人類はチームで子育てをしていた。母親一人で子育てをしなくてはならないのが、いかに異常なことか。
またピルは、避妊のためというより、身体を守るために使われるべき。
内容
【司会】織田裕二,井上あさひ
【解説】明和政子 京都大学 大学院教授
黒田恵司 順天堂大学 医学研究科
ゲスト 犬山紙子 コラムニスト
ヒトの出産には母も子も命のリスクあり→大きな意味がある。
ヒトはなぜ難産なのか?
苦しみが始まって10時間以上。ヒト特有の進化の結果。
700万年前、チンパンジーと別れて二足歩行を始めたため、骨盤の形が変化して産道が狭くなった。
野生動物は一人で子を産み、産まれた子もすぐに立ちあがる。
動物の子は生まれた時、ほとんど泣かない(敵に見つかる)
ヒトの子は産声を上げる(危険があったとしても)
→周りの人間に守ってもらえるから。子供はチームで育てる。
周りからケアを受けるシステムとして続いて来た。
難産が生んだヒトの進化
適応したのは赤ちゃんも。出産直後の赤ん坊の頭は細長い。
誕生時骨と骨との間が動き産道に適応する(頭蓋骨が変形)
ヒト胎児の脳は妊娠後期で急激に大きくなる。
難産への準備は最初から
受精時から始まる。受精卵は子宮内膜に着床し妊娠開始。
受精卵が難産に耐えられるかどうかを子宮内膜が選別。
互いに信号をやりとりしている(クロストーク)
優秀な受精卵を選ぶ。不適を判断されれば月経が起きる。
仮説。人の妊娠率の低さ(20%)チンパンジーは70%。
子宮内膜が選別しているから低い→バイオセンサーがある?
今、女性の体に危機が迫っている。
月経の回数が多い事で子宮内膜症が増加している。
原始時代の女性の生涯月経回数は約50回(妊娠中は月経がない)
現代女性は400回以上。月経は体に大きな負担をかける。
体を休めるべき。犬山紙子はピルを使っているとのこと。
月経の回数を減らす点より、子宮内膜を薄く保つため。
人の体は400回もの月経に耐えられる様に作られていないかも→現代の子宮内膜症の多さに繋がっている。
子供に宿る母親の細胞(特別な絆)
マウス実験で、胎児に母親の細胞が混じっている事が判明。
生命は一つの細胞から分裂するため、全て自分のものだというのが今までの定説→覆された。
必ず母親の細胞が混じるという。全37兆のうち3千万ほど。
出産までの免疫的なトラブルを回避するためか。
母親にとって胎児は「異物」
母の細胞の行先は骨格、心臓、皮膚、肺、甲状腺、血液等・・
母親の細胞が子供を攻撃しないために働く。嬉しい(紙子)
命のバトンはしっかり繋がる。
出産は母子とも命がけ
こんなに苦しい。男性も産めるようになって欲しい(政子)
ヒトは母親だけで子育てするように進化して来なかった。
第一養育者が母でも父でも、育児場面の脳活動はほぼ差がない。
母性、父性という言い方はやめて「親性」と言うべき。
今日の一曲
Santana Hold On 1981