ポセイドン・アドベンチャー 1972年 アメリカ | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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監督    ロナルド・ニーム
脚本    スターリング・シリファント
原作  ポール・ギャリコ
製作    アーウィン・アレン
音楽    ジョン・ウィリアムズ
興行収入 約96億円

キャスト
フランク・スコット         - ジーン・ハックマン 神父
マイク・ロゴ            - アーネスト・ボーグナイン 
リンダ・ロゴ             - ステラ・スティーヴンス
ジェームズ・マーティン   - レッド・バトンズ
ノニー・パリー           - キャロル・リンレイ 
エイカーズ            - ロディ・マクドウォール
マニー・ローゼン        - ジャック・アルバートソン
ベル・ローゼン          - シェリー・ウィンタース 
スーザン・シェルビー     - パメラ・スー・マーティン 
ロビン・シェルビー       - エリック・シーア

解説(水野晴郎)


感想
大規模パニック映画の草分け的存在。

後の「タワーリング・インフェルノ」も同じアーウィン・アレンの製作。
津波で完全に上下反転してしまった豪華客船から脱出する話。
この時期のジーン・ハックマンは「フレンチ・コネクション」ではみだし刑事を好演していたが、今回は牧師さん。それもただお祈りするのではなく、自分の力で困難に挑めという思想。

そんな男が皆を引っ張って上に向かう。
それにことごとく反発するのが元警部補のマイク・ロゴ。妻がかつて娼婦だったことで、昔の客が見咎めないかと乗客から隠そうとする。

この二人のいがみ合いが尾を引いて、ちょっと中盤ダレた感じがした。

デブで足手まといだったベルが、実は元水泳選手で水の中では見違える泳ぎを見せたのに感動。その彼女もスコットを助けた後に死ぬ。
最後までスコットが引っ張って行く話と思ったが、彼は蒸気バルブを閉めるため身を捨てて飛びつき、いがみ合っていたマイクに後を託す。

ネットで拾った「20分解説」が秀逸。
宗教に対して高慢なスコットが罰せられたという見方、また宗教の物足りなさ、双方ないまぜになって、なかなか考えさせられる。

あらすじ
1,400名の乗客を乗せた豪華客船(ただしこの航海を最後に解体される)「ポセイドン号」がギリシャのアテネに向けて航行していた。

嵐を何とか越えながら、この船の重心が高いことを心配する船長。

だが船主代理は日程遅れを責め全速航行を指示。

そんな時に海底地震発生の情報が入り、ポセイドン号は30m以上の大津波に飲まれて転覆。そして上下が反転。
 

その日は大晦日でホールに多数集まっており、惨状となった。


相当数の生存者が残る中、客船のパーサーはここに留まって救援を待つ方針を話したが「苦しい時には神を頼らず、勇気を持って困難に挑め」と過激な説教を行っていたフランク・スコット牧師が、より海上に近い船底に登る事を提案。
更に船オタクだった少年ロビンが、機関室のプロペラシャフト付近の鋼板が薄い事を船員から聞いて伝えていた。

大部分が残る中、倒れたクルスマス・ツリーを立てかけて上に行く手段が整えられ、数少ないメンバーが登って行った。
スコット含め有志が登ったところでホールに水が押し寄せ、われ先にツリーに飛びつく人たち。だが衝撃でツリーは倒れてしまった。
上を目指すのは孫に会いに行くというマニーとベルのローゼン夫妻、警部補のマイク、リンダのロゴ夫妻、両親に会いに行くスーザンとロビンの姉弟、ロビーで歌を歌っていたノニー、ツリーの先にいて先導した船員のエイカーズ、雑貨商が忙しく婚期を逃したマーティン、そしてスコットの10名。

上へはエイカーズを頼りに作業用通路を進む。火災が起きている調理場を抜け、通気口も通らなければならなかった。
更に壁面のハシゴも登る必要があり、太って「行けない」というベルを励ますスコット。

 

だが足をケガしていたエイカーズが脱落して海中に沈んだ。

険悪になるマイクとスコット。
そんな中で船内の生き残り集団が逆方向に行くのを見つける。

船首方向に行こうとしており、水深が深い方だとスコットが説明しても聞かずに進む集団。
機関室に行くというスコットに、彼らが正しいのでは?と反論するマイクに「多数決バカ」と言い放つスコット。
それでスコットが機関室まで行けそうか道を探しに一人出掛けた。
予定の15分を少し過ぎてマイクが船首に行こうとした時、行く方法を見つけたスコットが戻り、再び皆で進む。

だがその先で爆発が起き浸水。水没した通路を潜って行かなくてはならない。ベルが、今は太っているけど水泳選手だったと言ったが、それを制し道順のためのロープを繋いで泳ぎ出たスコット。

しかしそのロープが途中で止まった。
アクシデントが起きたと察してベルが飛び込む。

スコットは鉄板に挟まれて身動きが取れず、それを助けたベルが向こう側まで連れて行った。だがそこで心臓発作を起こす。

息を引きとる前に首のペンダントを外し、夫に渡してと託したベル。
ロープを頼りに皆が泳ぎ着いた。

ベルのなきがらを見て慟哭するマニーにペンダントを渡し、ベルのためにも生き延びるんだと励ますスコット。


目指すプロペラシャフトに近づくには、火を避けながら階段状の構造物を登らなくてはならなず、とても不安定で危険。
それでも目指すドアを目前にした持、爆発で大きく揺れてリンダが火の中に落下した。逆上したマイクは更にスコットを責める。
爆発の余波で高熱の蒸気が吹き出して行く手を阻む。
スコットは「いけにえを求めるなら俺を連れて行け!」と言って蒸気バルブに飛びついた。ぶら下がりバルブを回して蒸気を止めたスコットだが、戻る力はない。

「後は頼んだぞ」とマイクに言い残し火の海に落ちたスコット。

座り込んでいるマイクに「あなたは後を託された、皆を先導してください」と言うマーティン。
立ち上がってドアを開けるマイク。ロビンが「ここでいいんだ」と言った。
ほどなく上から叩く音が聞こえ、皆が返事に回りのものを叩きまくった。
溶断で鋼板に穴が開けられ、皆が救出された。


6人を乗せたヘリが船底を離れて飛び上がった。


今日の一曲
この映画に敬意を表して「テーマ曲」
【The Morning After】MAUREEN McGOVERN