映画シリーズ「男はつらいよ」 31~40作 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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BSテレ東の開局20周年特別企画として、2020年4月から1年間週イチで集中放映された。

10作単位で超あらすじをまとめて行く。
詳細を知りたい方はコチラ

キャスト(レギュラー)
車寅次郎               - 渥美清
諏訪さくら              - 倍賞千恵子
諏訪博                     - 前田吟
車竜造(おいちゃん)  - 下條正巳
車つね(おばちゃん)  - 三崎千恵子
諏訪満男                  - 吉岡秀隆
桂梅太郎(タコ社長)  - 太宰久雄
御前様                      - 笠智衆
源吉(源公)           - 佐藤蛾次郎

感想
安定はしているが、多少マンネリ感は避けられず、そういう意味で様々な設定にチャレンジしている感じはある。
竹下景子はナゼか出戻りの役が多いな(32、38作)

満男が次第に成長して、寅次郎との対話が少しづつ出来るようになって来る。その兆しが39話のエンディング。

あらすじ
第31作「男はつらいよ 旅と女と寅次郎」

1983年8月6日 配収 10.2億
葛飾に帰った寅次郎が、満男の運動会の応援に出ると言い出してひと悶着。怒って出て行く寅。
新潟に居る寅次郎。佐渡島に渡ってくれと漁船の漁師に頼んだところへ、女が便乗させてと頼んで来た。
彼女は人気演歌歌手の京はるみ(都はるみ)。

過密スケジュールから逃げ出していた。


佐渡のひなびた民宿で酒を交わす寅とはるみ。宿の婆さんの様子から京はるみと知るが、気付かない振りをして付き合う寅次郎。
行方を探す芸能プロ社長(藤岡琢也)らにとうとう見つかり、戻ると決心したはるみは、指輪を寅に渡して去って行った。
葛飾に戻った寅次郎は放心状態となって、電気店からはるみの曲が入ったウォークマンを持ち出す始末。

だが周囲は相手が誰か分からない。
そこにはるみが突然とらやに現われ、お礼に歌を歌った。リサイタルの招待券も渡されたが、その時恋人との復縁も知り落胆する寅。。
招待券はさくらに渡して、代わりに花を贈ってくれと頼む寅次郎。
リサイタルで、自分を助けてくれた人の話をし「寅さんはどこにいるのかしら」と呟くはるみ。

第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」

1983年12月28日 配収 12.5億
備中高梁で、亡くなった博の父の墓参りをした寅次郎は、菩提寺の和尚(松村達雄)と意気投合して居付いてしまう。

出戻りの娘 朋子(竹下景子)がいたのも一因。

二日酔いの和尚の代理で法事を行ったことから、町の人気者になる寅。
 

父親の三回忌で寺に集まる博一家と親族。

住職姿の寅に仰天するさくら。
和尚には朋子の弟で大学生の一道(中井貴一)がおり、寺を継ぐ筈だったが写真に夢中で、ある晩勘当されて東京に出て行ってしまった。

家業の酒屋で働く恋人のひろみ(杉田かおる)が心配する。
一方、町でも跡取りと噂されている寅次郎は、たまたま和尚が朋子に寅を婿養子にどうだと言った話を聞き、逃げ出してしまう。
葛飾に戻って、御前様に僧の修行がしたいと言い出す寅。
そこに一道を探してひろみが上京。

とらやの住所を聞いていたので、そのつてで二人は再会出来た。
一道の件のお礼も兼ねて朋子が訪ねて来る。

再会に緊張する寅次郎は、なかなか話が出来ない。
とうとう電車で見送る場面になり、朋子が結婚をほのめかすが、冗談だろうと誤魔化す寅次郎。

第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」

1984年8月4日 配収 11.5億
北海道でツッパリ娘の風子(中原理恵)と知り合う寅次郎。

美容師の資格があるが、長続きしない風子。
 

根室で伯母の家に落ち着き、仕事も世話してもらった風子。

その町で開かれたオートバイサーカスの団員 トニー(渡瀬恒彦)が風子に好意を持つ。
一方風子は寅次郎とのやりとりが楽しく、一緒に旅したいと言うが、真面目に生きろと言って別れる寅。
その後風子は淋しさからトニーとの交際を始め、東京に行ったトニーを追いかけて上京した。
風子を心配しながら葛飾に戻った寅次郎を、トニーが訪ねて来た。

今風子と同棲しているが、病気になって寅に会いたいと言っているとのこと。早速会いに行き、とらやに引き取る寅次郎。

皆の心遣いで元気を取り戻す風子。
近所の理髪店への仕事も決まったところで、トニーに頭を下げ、別れるように頼んだ寅次郎。
それを受けてトニーが去る事を知った風子は、自分の気持ちをどうする事も出来ないと言ってとらやを飛び出した。
その後夏になり、さくらへ風子からの便りが。

トニーとはその後別れ、伯母のところで暮らすうちに、地元の男性と結婚する事になったとあった。結婚式に呼ばれたさくら一家。

そこで見たのは、熊に追われて山から下りて来る寅次郎。

第34作「男はつらいよ 寅次郎真実一路」

1984年12月28日 配収 12.7億
焼き鳥屋で飲んでいた寅次郎だが、金がなくてさくらに電話するも突き放される。それを助けてくれた客の富永健吉(米倉斉加年)
翌日、貰った名刺を頼りに健吉のいる大手証券会社に出向いた寅次郎。多忙な健吉に夜まで待たされたが、その晩も一緒に飲む。

泥酔した健吉を茨城の自宅まで連れ帰った寅次郎。
 

翌朝目覚め、健吉が既に会社に出掛けた事を妻のふじ子(大原麗子)から聞く寅。
家族と言葉を交わすヒマもない健吉の事を聞き、また惚れ心が湧く寅。
その数日後、健吉が失踪した事をふじ子から知らされる寅次郎。

落ち込んでいるふじ子を励ますため、息子と共にとらやへ招待した。
更にその後健吉の郷里で目撃情報があったため、タコ社長から金を借り、ふじ子と共に旅立つ寅次郎。
あちこち移動する健吉を追う二人。

 

二泊ほどかけて探すも見つからず、結局柴又に戻った寅次郎。
だが心の底で健吉が戻らない事を望んでいる事に苦しむ。
その後健吉がとらやに顔を出した。

寅次郎は急いで彼をタクシーに乗せ自宅へ。
安堵するふじ子を見届け立ち去る寅次郎。

第35作「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」

1985年8月3日 配収 11億
五島列島を旅していた寅次郎は、老婆を助けたことでその家に泊まる。楽しく話したが、翌朝彼女は死んでしまった。
東京から駆け付けた孫娘 江上若菜(樋口可南子)に顛末を聞かせると共に、若菜に身よりがない事を知る寅次郎。

 

若菜からの礼状をもらって彼女のアパートを訪ねた寅次郎は、彼女が写植の腕を持ちながら就職に苦戦しているのを知り、タコ社長や博の助けで就職を世話する。
そのアパートに住み、司法試験の勉強をする酒田民夫(平田満)と知り合う寅次郎は、民夫が若菜に好意があるのを知ってからかう。
若菜がとらやに招かれ、楽しく時を過ごす。

民夫の事を笑う寅だが、若菜が彼の好意に気付いている事を知る。
指南を受けて若菜とデートをする民夫だが、どうしてもうまく行かず、寅次郎が見放してしまった。
そのショックで、郷里の秋田に戻ったまま行方が分からなくなった民夫。

アパートの書置きを見て、学校の教授や若菜と共に寅次郎が秋田に乗り込む。
地元仲間の情報で、スキー場にいる民夫が何とか見つかる。

告白が受け入れられ、即立ち直る民夫。
後日とらやに手紙が届く。

司法試験を諦め、中学の教師になったという。

第36作「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」

1985年12月28日 配収 10.5億
タコ社長の娘 あけみ(美保純)が亭主に嫌気がさして飛び出し、一ケ月も連絡がない。

丁度帰って来た寅次郎は、伊豆の下田にいると聞いて迎えに行った。
テキ屋仲間の助けであけみは見つかるが、まだ帰りたくないとの言葉に、式根島まで足を伸ばした寅次郎。
その船中で、小学校の同窓会に出向く若者の団体と合流し、同窓会にまで参加してしまう寅次郎。

例によって美人の島崎真知子先生(栗原小巻)に一目惚れした寅。


放置されたあけみは、旅館の息子からプロポーズされてあわてふためき、残りたい寅次郎を引っ張って柴又に帰る。
真知子を思い、気が抜けている寅次郎。そこへ父親の世話をするため上京した真知子が訪れ、俄然元気になった寅。
真知子のもう一つの目的は、亡くなった友人の娘の誕生祝いをするため。その父親 酒井文人(川谷拓三)は真知子に好意があるが言い出せない。
それでも誕生祝いの席で思い切って気持ちを告げた文人。
式根島に行く飛行機で発つ前、その事を寅次郎に相談する真知子。

身を焦がす様な恋愛に一生蓋をして結婚する事へのためらい。
自分を押し殺して、その結婚を勧める寅次郎。

第37作「男はつらいよ 幸福の青い鳥」

1986年12月20日 配収 10.3億
筑豊を訪れる寅次郎は、贔屓にしていた旅芸人一座を訪ねるが、座長は亡くなっており、一人娘だった島崎美保(志穂美悦子)はコンパニオンで細々と生活していた。


寅次郎に住所を教えられて上京した美保だが、寅はいないため一週間ほど経つうちに体調を崩す。

看板屋で住み込みをしている倉田健吾(長渕剛)がそれを見て連れ帰り、一晩面倒を見た。

お互い九州出身で話が弾む。抽象画で入選を目指す健吾。
その後寅次郎に会えた美保は、とらやに下宿する事になり、ラーメン屋での仕事も始まった。
再び健吾と再会した美保。

落選ばかりで腐る健吾に、親身になって励ます美保。

その優しさに「今晩泊まっていけよ」と言ってしまう健吾だが、急には受け入れられない美保。

想っていたのに、来なけりゃよかった、と去る美保。
とらやを訪れた健吾が美保に謝るが、ぎくしゃくした雰囲気。

様子を見ている寅次郎。
決裂したと思い込んで出て行った健吾。

美保に、すぐ追いかけろと背中を押す寅。

第38作「男はつらいよ 知床慕情」

1987年8月15日 配収 12.4億
知床を旅していた寅次郎は、獣医の上野順吉(三船敏郎)と知り合い家に泊めてもらう。順吉の世話をなにくれとする居酒屋 はまなすの女将 悦子(淡路恵子)とも店で仲良くなるうちに居候となってしまった。
そんなところへ、娘のりん子(竹下景子)が東京から帰って来た。

 

親の反対を押し切って結婚したが、離婚して出戻って来たのだ。
冷たい順吉だったが、寅次郎のとりなしで関係は修復された。
悦子が順吉に、そろそろ店を閉めたいと相談するが、心の中では悦子を想っているものの表現が出来ない順吉。
ある日、飲み仲間と共にバーベキュー大会が催された。

そんな中でも離れて酒を飲む順吉。
そこで悦子が仲間に、店を閉める事を話し出す。やみくもに反対する順吉に、容赦なく「理由を言え!」とけしかける寅次郎。
「俺が惚れているからだ。悪いか!」と叫ぶ順吉。
その夜 はまなすでの宴会で、仲間の一人が寅に「りん子に惚れているだろう」と言ったことで真っ赤になり、そのまま出て行ってしまった寅。
後からそれを聞いて怒るりん子。

第39作「男はつらいよ 寅次郎物語」

1987年12月26日 配収 10.5億
寅次郎を訪ねてとらやに来た少年 秀吉。テキヤ仲間の息子だったが、妻のふで(五月みどり)に蒸発された後父が急死した。

遺言には「俺が死んだら寅を頼れ」とあった。とらやに帰った寅は事情を話しふでを庇う。寅は秀吉の名付け親でもあった。
テキヤ仲間の情報を頼りに、秀吉を連れて和歌山に行く寅次郎。

そこではもう移ったと言われ、次は吉野へ。
その晩熱を出して寝込んだ秀吉。

隣りの部屋には、化粧品のセールスをしながら各地を回っている客の高井隆子(秋吉久美子)がおり、献身的に看護を助けてくれた。


宿の勘違いもあり、互いを「とうさん」「かあさん」と呼び合う二人。
その後隆子と別れ、次に聞いたふでの居る志摩の島に向かう寅と秀吉。そこの真珠店女将(河内桃子)が療養中のふでを秀吉に引き合わせる。
未練を残さないよう、すぐその場を立ち去る寅次郎。

出て行く連絡船を泣きながら追う秀吉。
いったんとらやに帰り、慌ただしく発つ寅次郎に満男が「人は何のために生きてんのかな」と問う。

「生まれて来て良かったなー、と一生に何度か思う。

そのためじゃねえのか」と言って別れる寅。

第40作「男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日」

1988年12月24日 配収 12.5億
初秋の小諸を訪れる寅次郎は、一人暮らしのお婆さんに頼まれ、一晩話し相手をした。

翌日小諸病院の医師 原田真知子(三田佳子)がお婆さんを入院させようとするが、家で死にたいと駄々をこねる。

寅が付き添うことでようやく入院したお婆さん。そのいきさつで真知子と仲良くなった寅は、彼女が未亡人と知ってまた惚れてしまう。

東京から姪の由紀(三田寛子)が訪ねて来て、短歌の話で盛り上がる。寅に、亡き夫の面影を見る真知子。


柴又に戻った寅次郎は、早稲田大学に通っている由紀に会いに大学まで行ってしまい、講義に紛れ込んで学生や教授を笑わせる。
真知子は、東京の母親に息子を預けて働いていた。

息子に会いに行った際、由紀から寅のことを聞き、連絡を入れて母子で遊びに行った真知子。

寅に、自分のもどかしい気持ちを話すが、応えられない。
小諸のお婆さんが危篤となり、寅次郎に会いたがっているため電話を入れた真知子。由紀のボーイフレンドの車で駆け付ける寅だが、死に目には会えなかった。
様々な悩みが重なり、寅次郎に肩を預けて泣く真知子。

だがそれを受け止められない。そのまま小諸から去る寅次郎。