コズミック フロント「8億年前の地球大異変 月が教えてくれたこと」BSP 4/8放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

感想
各方面で行っている研究が、視点を変えて繋がることで新たな仮説を生み出すという醍醐味。
月のクレーターの年代推定なんて、ホント地味な研究。一つのクレーターの年代を決めるのに微小なクレーターを3千個調べるという世界。
何でもコツコツやる事で、いずれ報われる(と信じよう)

内容
CHAPTER1「かぐや」の月探査
2007年、月周回衛星「かぐや」が打ち上げられ、600日かけて月全球の詳細画像を取得した。
直径100mのクレーターも評価出来るほど精密。
これによりクレーターが出来た年代を算出する「クレーター年代学」が提唱される。
クレーターの出来た年代は、降り注ぐ隕石が一定頻度で落ちると仮定して判断する。

CHAPTER2 月に刻まれていた秘密
59個のクレーターの年代測定の分布を取ると6.6億年前のところにピークが現われ、そのうち8個で年代が一致する結果となった。


そのうちの一つは月でも有名な「コペルニクスクレーター」
このクレーターはアポロ12号が着陸して岩石を採取して来ており、ウラン等による正確な年代測定で8億年前だと判明している
画像判定との1.4億年の差を埋める推定として、8億年前にスパイク的に隕石落下があったと仮定。
そうなると59個中17個が8億年前に形成されたことになる。


はやぶさ2やオシリスレックスが持ち帰った岩石の由来となるものが、小惑星帯のオイラリア族であるとされている。

それは直径100キロ超の惑星の破片が元になっている。

その年代が8億年前。
推定 8億年前の大異変
地球から2億キロにある小惑星が粉々になり、無数の破片が地球、月に降り注いだ。

この仮説が2020年に論文発表され注目された。

CHAPTER3 小惑星シャワーの痕跡を探せ
木曽川流域調査。三畳紀の堆積岩の中に隕石由来の層があり、放散虫の分布調査によればその前の時期に21種あったものが3種に減っている。
これに類した8億年前の痕跡はまだ見つかっていない→見つかる筈

リンの過去の変化に注目した研究がある。クリス・ラインハード。
過去35億年に亘る岩の分析(1.5万個)
8億年前にリンが急増している。栄養分が増えて地球が複雑な生命の星になった。

8億年前、地球が大きく変わった(激変)
隕石シャワーの総量推定→40兆トン。そのうちリンは0.1%。

これでリン急増の説明は出来る。

CHAPTER4 新たな研究へ
はやぶさ2の帰還、中国も月面着陸に成功。
今後大阪大学でも新たな装置開発(加速器)
月の岩石成分検査が進めば新たな展開となる。