OVAとして世に出ていたものをテレビ対応に再編集して2019年4~8月にNHKで放送された。
「TV版 機動戦士ガンダム」の前日譚としてまとめられたもの。
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全話を掌握するのに手間がかかるので、あらすじとして加筆して一ヶ所にまとめた。
メインスタッフ
原 作 矢立 肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)
脚 本 隅沢克之
音 楽 服部隆之
総監督 安彦良和
企画・製作 サンライズ
メインキャスト
シャア・アズナブル 池田秀一
アムロ・レイ 古谷 徹
セイラ・マス 潘めぐみ
デギン・ソド・ザビ 浦山 迅
ギレン・ザビ 銀河万丈
ドズル・ザビ 三宅健太
キシリア・ザビ 渡辺明乃
ガルマ・ザビ 柿原徹也
ランバ・ラル 喜山茂雄
3分でわかる『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』
感想
TV版のガンダムが始まった時は、既にジオン公国との戦いが始まっており、オープニングナレーションでも、戦いの最初の一ケ月で人口の半数が死んだという事だけが語られていた。
TV版の最終話でシャアがキシリアと対峙し、その艦にバズーカを撃ち込んで粉砕した場面との対比で今回のドラマを観ると「ガンダム」はシャアの物語だったなァという感慨が湧く。
ただ、人物の描き方にちょっとクセがあり、TV版に慣れた目には少し違和感がある。また沈着冷静だったランバ・ラルの若い頃がけっこう軽薄で、好き嫌いが分かれるかも。
全体の概要
“赤い彗星”と呼ばれるジオン公国軍のエースパイロット『シャア・アズナブル』と、彼の妹『セイラ・マス』の運命を決定づけた悲劇の始まりと過去を背景に描く。
サイド3の実権を掌握しジオン公国を統率するザビ家、ランバ・ラルや黒い三連星など「一年戦争」で活躍した数々のジオン軍の名高きエースパイロットたちの若き日の勇姿。
戦況を劇的に変えることとなった人型機動兵器「モビルスーツ」の開発秘話、地球連邦軍との軋轢や開戦への道程など、「一年戦争」以前の過去の物語が、映像として初めて描かれる。
第1話 ジオンの子
宇宙移民の時代、宇宙世紀0068年。
宇宙に建設されたスペースコロニー国家、サイド3で宇宙に進出した人の革新を説き、地球連邦政府からの独立を宣言しようとした指導者ジオン・ズム・ダイクンは議会の檀上で倒れて亡くなる。
ザビ家による暗殺だと訴えるジンバ・ラルと、サイド3の実権を掌握せんとするザビ家の対立が激化。
ラル家に匿われたダイクンの遺児キャスバルとアルテイシアは、激動の時代を象徴した数奇な運命に巻き込まれていく。
第2話 母との約束
弱冠11歳のキャスバルを侮れないと警戒するキシリア。兄のギレンは余計なことはするなと釘を刺す。一方ダイクンの正妻ローゼルシアは、キャスバルとアルテイシアの母アストライアを塔に幽閉する。
ジンバの息子ランバ・ラルは、ザビ家が掌握したサイド3から遺児達を地球へ亡命させる作戦を決行。
ハモンがガンタンク初期型に二人を乗せ、宇宙港のあるドッキング・ベイへ向かうが、市街地を爆走するガンタンクの前に連邦軍が立ち塞がる。
自ら砲撃を行ったキャスバルは窮地を脱し、貨物船で地球に向かう。
第3話 エドワウとセイラ
宇宙世紀0071年。ダイクンの遺児二人はエドワウとセイラに名を変え、テアボロ・マスの子として地球で新たな生活を始めるが、キシリアが送り込んだ刺客に襲われ、ジンバ・ラルが殺されてしまう。
テアボロは友人シュウ・ヤシマの勧めで、ザビ家に恭順を表すためルウムへの移住を決意。
旅立つ日、セイラは宇宙港で少年のアムロとすれ違う。
一方、サイド3で人型機動兵器の極秘開発を進めるドズルは、実験にランバ・ラルを招くのだった。
第4話 さよならアルテイシア
テアボロ一家がルウムに移住してしばらくした頃、エドワウとセイラの母アストライアが幽閉先で亡くなる。
エドワウは母を殺したのはザビ家だと憎悪を募らせる。
宇宙世紀0074年。
エドワウそっくりの友人シャアが、ジオンの士官学校に合格。
エドワウはセイラに、ルウムの学校に行くと告げてテキサス・コロニーから旅立つが、本当の目的地は士官学校のあるサイド3だった。
エドワウ入国をキャッチしたキシリアは即座に暗殺を指令する。
空港でシャアの荷物に銃を仕込んで通関を混乱させ、彼と入れ替わる事でその場を収めてサイド3に向かうエドワウ。
エドワウの身代わりになったシャアは、ルウム行きのカーゴごと爆破されて死亡。
第5話 シャアとガルマ
ドズルの人型機動兵器開発が滞り、計画中止を言い渡すギレンだったが、解決策を技術顧問のミノフスキー博士が進言。
ギレンは開発続行を決定する。
士官学校にシャアとして入学したキャスバルは、ザビ家御曹司のガルマと交流し、卒業間近の頃には深い信頼を得るようになる。
一方サイド3では、駐屯する連邦軍への反感から市民に独立の機運が高まっていく。
シャアは、駐屯する連邦軍兵営を奇襲して武装解除させよう、とガルマに持ちかける。
第6話 ガルマ立つ
連邦軍兵営に攻め込んだシャアは戦闘のさなか、自身の正体に気づいたリノを謀殺してしまう。
ガルマ以下士官学校学生達の蜂起により、地球連邦軍治安部隊の武装解除に成功。後に「暁の蜂起」と呼ばれたこの反乱は、ガルマを英雄に押し上げた。だが、それは人類最大の悲劇となる、ジオン独立戦争の発端でもあった。
一方、シャアは責任を問われ除隊。地球へ向かう。
同じ頃、アムロは父テムと共にサイド7に到着するのだった。
第7話 ララァとの出会い
「暁の蜂起」のあと地球に降りたシャアは、地球連邦軍のジャブロー基地開発が進む南米で、不思議な力を持つ少女、ララァ・スンと出会う。
一方、モビルスーツRX-78開発計画を推進していたテム・レイは、ジオンのモビルスーツ開発の重要人物、ミノフスキー博士が亡命するとの報で月に向かった。
月面のトワイライトゾーンで人類史上初のモビルスーツ同士の死闘が繰り広げられる。パイロットとして亡命阻止作戦に参加したシャアは多大な戦果を上げる。
この戦闘でミノフスキー博士は、亡命を果たせず死亡。
第8話 ジオン公国独立
宇宙世紀0079年、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んだ。
サイド7に住むアムロは友人のカイ・シデンと共に、父が開発中の “ガンダム”の秘密を探ろうとするが捕まる。
一方、戦争の早期決着を狙って立案された「ブリティッシュ作戦」を命じられたランバ・ラルはこれを拒絶、軍を辞めてしまう。
だが、作戦は実行され、サイド2のマザー・バンチに外部エンジンが取り付けられる。内部には多数の市民が閉じ込められていた。
第9話 コロニー落とし
ジオン公国軍のブリティッシュ作戦(コロニー落とし)は地球に大被害を与え、地球人口の半数を死者に変えた。
しかし、作戦目標だった連邦軍総司令部ジャブローの破壊は果たせなかった。
このためサイド5、ルウムはジオンに与しない立場を鮮明にする。
そのルウムにいたセイラに、捜査員のタチ中尉は兄キャスバルが生きている可能性があると伝える。
一方劣勢を挽回すべく圧倒的な戦力で挑む地球連邦軍は、大艦隊をルウム宙域へ派遣する。
第10話 赤いモビルスーツ
兄の生存は、うり二つのシャアの死を意味し、苦悩するセイラに養父テアボロの死という更なる悲劇が訪れる。
一方、キャスバルことシャアはテキサス・コロニーに赤いモビルスーツで現れる。その姿を偶然垣間見るセイラ。
そのシャアの活躍で地球連邦軍のレビル艦隊から支隊を分離させることに成功したドズル艦隊は、ティアンム艦隊との会戦に突入した直後に転進を決行する。
一方シャアは、レビル率いる本隊に肉薄するのだった。
第11話 ルウム会戦
ルウム宙域でレビルの本隊を捉えたシャアは、赤いモビルスーツ、ザクⅡの機動力を駆使して敵艦5隻を沈め、戦況を一変させる。
転進してきたドズル艦隊も猛攻するなか、ガイアたち黒い三連星が連邦宇宙軍艦隊旗艦アナンケを発見してブリッジを打撃。
脱出を図ったレビル将軍を捕虜にする。
連邦軍のティアンム艦隊は、公王デギンの座乗艦グレート・デギンに遭遇するが、攻撃を諦めて回頭。
ルウム会戦はジオン軍の完勝で決する。
第12話 赤い彗星のシャア
シャアはルウム会戦の功績で少佐に昇進、「赤い彗星」の異名をとるジオンの英雄となる。
戦争継続を望まないデギン公王は、捕虜となった連邦軍のレビル将軍に和平工作をもちかける。
連邦との和平交渉のため地球へ派遣されることになったジオン代表マ・クベ中将に、キシリアは「継戦と地球侵攻」こそがギレンの真意だと明かす。
一方、シャアは地球連邦軍が反撃を企図して進行中の「V作戦」の探索と破壊をドズルから命じられる。
レビル将軍をわざと逃がすキシリア。
第13話 一年戦争
脱出したレビル将軍が乗る連邦艦と遭遇したシャアは、政治ショーの匂いを嗅ぎ取りその艦を見逃す。
一方サイド7の少年アムロは、父が関わる新兵器「ガンダム」の秘密を探ろうとする。
連邦軍の小惑星基地ルナツーに辿り着いたレビルは、ジオンへの反抗と継戦を訴えて演説。
南極での連邦とジオンの和平交渉は決裂した。
後にいう「一年戦争」が続く中、連邦軍最新鋭艦ホワイトベースが、完成したガンダム受領のためサイド7へ向かう。