原案・監督・脚本 新海誠 上映時間:25分
キャスト
長峰 美加子(ミカコ) - 篠原美香
寺尾 昇(ノボル ) - 新海誠
リシテア艦オペレーター - Donna Burke
予告編
ダイジェストムービー
感想
今をときめく(?)新海誠が、短編アニメ作家から初の劇場公開作品にチャレンジしたもの。
基本部分は、学園ラブコメとロボットの合体という「新世紀エヴァンゲリオン」の流れだがロボットオペレーターとなったミカコと、恋人ノボルとの遠距離恋愛を描く。技術進歩と、レトロなケータイとの対比が面白い。
またロボット、メカ類、戦闘描写などは、基本的にこういう事がやりたかったのだろう、という思いが伝わる「熱さ」があり、ほとんど全て彼自身で作り上げた事を称賛したい。
ただその裏返しに、人物表現がなおざりで(特にミカコの顔)、あまり感情が入らなかった。
そうは言いながらも遠く離れ、逢うことはもう既に諦めているノボルと、それでもケータイに一縷の望みをかけてメールを送るミカコ。
この究極の切なさには短編ながら(だからこそ)心に残るものがある。
8年間の時差がありながら、最後に声を重ねる二人。
ここにいるよ・・・
ここは、三年の時差を越えて繋がり合う「君の名は」の三葉と瀧に通じるものがある。
あらすじ
2039年。
火星のタルシス台地で異星文化を発見したNASAだが、その調査隊が知的生命体タルシアンに全滅させられる。
タルシアンの残したテクノロジー活用により対抗を進めるNASA。
2046年。
長峰ミカコと寺尾ノボルは、互いに好き合う中三生。
実はミカコは国連宇宙軍のパイロット。タルシアン調査隊のメンバーになっている。
翌2047年、ミカコはリシテア艦隊による千人以上のクルーと共に旅立つ。
ケータイの超長距離メールサービスで連絡を取り合うミカコとノボル。だが艦隊が遠ざかる毎にメールの伝達が遅れて行く。
タルシアンとの接触はなく、艦隊は冥王星に接近。
「何も見つからないまま地球に戻りたい」と思うミカコ。
だがそこにタルシアンが現れ、戦闘状態に。
人型移動兵器「トレーサー」に乗りオペレートするミカコ。
攻撃から逃れるためワープするリテシア艦隊。
これでノボルとは1光年離れてしまった。
なおもタルシアンの母星である惑星アガルタ(シリウスα・β星系)にワープを敢行する艦隊。
アガルタに到着し、トレーサー部隊として降り立ったミカコは、ノボルに向かってメールを送った(時差は8光年)
「24歳のノボルくんへ、15歳のミカコより・・・」
ダルシアンとの交戦。次々と倒される艦隊。大型のタルシアンに捨て身の攻撃を仕掛け、撃破するミカコ。
だが自機も損傷し、もう動けない。
8年かけてミカコのメールが24歳のノボルに届いた。
「ねえ、ノボル君。私は、ここにいるよ・・・」最後の言葉が重なる二人。