探偵はBARにいる     2011年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

シリーズ

探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 2013年

探偵はBARにいる3 2017年

 

 

監督 橋本一
脚本 古沢良太、須藤泰司
原作 東直己

 

キャスト
〈俺〉                - 大泉洋
高田                   - 松田龍平
沙織                   - 小雪
霧島敏夫             - 西田敏行
松尾                   - 田口トモロヲ
佐山                   - 波岡一喜
田口幸平             - 有薗芳記
峰子                   - 安藤玉恵
近藤京子             - 街田しおん
則天道場の塾生    - 野村周平
札幌市長             - 上田文雄
大畑                   - 桝田徳寿
近藤百合子          - 竹下景子
田口晃                - 武井椋
源ちゃん             - マギー
岩淵貢                - 本宮泰風
近藤恵                - 吉高由里子
桐原組組長          - 片桐竜次
マキ                   - カルメン・マキ
南                      - 中村育二
田口康子             - 阿知波悟美
岩淵恭輔             - 石橋蓮司
相田                   - 松重豊
カトウ                - 高嶋政伸

 

予告編

 

感想
そろそろ涼しくなったので・・・・
映画館では観ていない。

TVで過去に1回観ており、最近の放送で視聴。
シリーズ初作で少し気負ったか、俺と高田がいつもやるオセロになぞらえて「簡単に裏返る、人間と同じだから面白い」などと言わせて、少しクサいがまあいいか。

地域の有力者が殺され、その妻がより強い者に乗り換えてのし上がって行く話、と思わせて実は敵討ちの話だったというもの。

大泉演じる「俺」は、軽いには軽いが、頼まれたらイヤと言えない素性の良さが、何となく暖かい気持ちにさせる。
その相棒の高田を演じる松田龍平。3の時にも書いたが、以前は翔太の方を上に評価していた。
父親の松田優作が死んだ時、けっこうメソメソしていた印象が刷り込まれている。
それが今シリーズでの、いつもはボンヤリだがいざとなると強い、というキャラに出会い、ぴったり嵌って心地よい。

沙織役の小雪が初めて出たシーン。ここの写し方が最悪。もっと美人に撮れよ!といった感じ。
撮影技術でそんなものどうにでもなるだろうに、何か悪いところばかり目立つ映像だった。それとも醜く見せるための演出が何かあったのか?

物語としては、初見でサラっと観ただけだと、ちょっと判り難い。地上げ絡みで近藤京子が死んだ話に、火事を起こした田口晃の話が重なって少し混乱。
電話の京子の言うカトウが、俺を殺そうとした男と重なった事で、仇を特定した沙織。この辺りはうまいと思った。

カトウ役の高嶋政伸が良かった。軽薄で気違いじみた役の、なんとうまい事。

 

 

あらすじ

人口190万、アジア最北の大歓楽街、札幌ススキノ。
ここは俺の街。俺はこの街のプライベートアイ。
そう、探偵だ・・・


霧島グループの20周年記念パーティー。ピアノ伴奏で歌うマキ。そこで紹介される女性「沙織」。
パーティーに出席していた「北海道日報」の新聞記者・松尾に、ホモ相手との写真を見せて30万の口止め料をせしめる「俺」。
パーティーの後、一人歩く霧島。男らに襲われ、拉致されようとする女性を助けに入った霧島だが、男らにリンチされて倒れる。

 

行きつけの店「KELLER OHATA」で飲んでいる「俺」

近藤京子という女からの依頼。既に10万振り込まれている。

法律事務所の南を訪ねて、昨年の2月5日にカトウがどこに居たかを聞くのが依頼内容。その時の相手の反応も知りたい。
害虫駆除業者を装って訊きに行くが、知らない、とつれない南。
その帰りに襲われる俺。

雪原に埋められたものの辛くも脱出した俺。遅くに高田が回収。「ほどけるように結んであった・・・」これは警告だ、と高田。

事務所を見張る俺と高田。南が乗るバンに俺を襲った男も居た。車には「清輪コーポレーション」の字。

後をつけると、そこは花岡組の絡む則天道場。


松尾からの情報で、最近花岡組が地上げのため、札幌の「偕楽会館」を放火した事件があった。

実行者の田口晃は口封じで殺されたとの事。
この時に焼死したのが近藤京子。
松尾に連れられてクラブ「コンチェルト」に行き、そこのママ沙織に会う俺。死んだ霧島の元妻だという。

 

死んだ近藤京子の周辺を調べる俺。そのビルに彼女の店があり、そこを持たせてくれた人に悪いからと、売却を断っていた京子。
一方放火して死んだ田口晃の実家は、父親が貧乏の割りに不釣り合いな金の使い方をしている事が判明。

近藤京子から再び電話で依頼「シンコーのカトウに会って」

南に電話して「カトウ」に会いたいと伝える俺。

近藤京子の実家を訪ね、母親の百合子から話を聞く。京子に「足長おじさん」と言って金を出してくれたのは、百合子の再婚相手で、京子とは血縁関係のない人。その人が霧島だった。
そして放火事件があったのは、霧島が殺された昨年2月5日。

札幌で活動している「桐原組」の若頭 相田と腐れ縁の俺は、南の情報を仕入れる。南は花岡組と組んで偕楽会館の地上げにも関わっていた。

 

街で景気よく金を使っている田口晃の父 幸平を見つけ、ビル屋上で締め上げる俺。息子の死の真相を証明するテープで花岡組から金を強請っていた。
翌日、記者を装って則天道場に行く俺と高田。相手をする塾長の佐山。だが途中でバレる。乗り付けて来た組の者の中に俺を拉致した男も居た。脱出する二人にくっついて逃げ出した少年。

カトウとの待ち合わせ場所で待つ俺と高田の元に乗り付ける黒のバン。サイドに「清輪コーポレーション」。

読み方を「せいわ」と思っていたが、実際は「しんわ」しんわコーポ・・・シンコー!そこで俺を拉致したのがカトウだという事をやっと理解した俺。必死でその場を逃げ出す二人。
だが自分の行動で田口の父に危険が及ぶと考えた俺は、必死で彼の家に行くが、夫婦とも殺された後だった。

相田からの情報で空港に行く俺。ヘリで関西ヤクザの銀漢興産幹部か来るという。出て来たのは岩淵恭輔と息子・岩淵貢、そして、なんと沙織。沙織は近々貢と結婚するとの事。


相田は、沙織が悪女だと言う。

霧島殺害の主犯を沙織だと決めつける俺は沙織の店に行き、そこで同席していた岩淵親子らにタンカを切る。
だがその翌日、行きつけのスポーツバーで顔見知りのマスターらに拉致され、半殺しにされる俺。

 

数日かけてようやく歩けるようになった俺。沙織に会いに行き「俺の依頼人には指一本触れさせない」と言って立ち去る。

涙を流す沙織。

 

沙織と岩淵貢の結婚が迫る中、近藤京子からの最後の依頼。

振込みは30万。沙織に電話をして(あるキーワードを言えば必ず承知する)、小樽まで呼び出しそこである者と一緒の所を写真に撮れば沙織は破滅だという。

指定した場所で延々と待つ俺。だが沙織は来ない。
結婚式を前にして、控室で待つ沙織。
ようやく真相を理解して沙織に電話を入れる俺。

近藤京子は、沙織だった。

俺の座っている椅子の裏に手紙が貼り付けてあった。

沙織の書いた、今回の真相を語るもの。
札幌行きの電車に乗る俺だが、間に合う筈もなく・・・・・

 

結婚式。貢と並んで、微笑みながら各テーブルを回る沙織。

そして南のテーブルに来た時、ブーケの入ったバッグから銃を出すと、彼に向かって数発撃った。隣の貢にも数発。

少し離れた恭輔のところまで歩いて行き、数発。
最後に自分の頭に銃口を向けて引き金を引く沙織。

俺がようやく式場に到着した時、ストレッチャーで移動される遺体。沙織のものはすぐ判った。

シーツから下に垂れる白いドレス。

 

いつものバー「KELLER OHATA」に行くと、マスターが黙って小さな箱を差し出した。
それは沙織からの時計。霧島の遺品だった。