ファウンデーションの彼方へ(銀河帝国興亡史④)発表:1982年 アイザック・アシモフ | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

シリーズ全体(⑥、⑦は①の前日譚)

ファウンデーション
ファウンデーション対帝国
第二ファウンデーション

ファウンデーションの彼方へ

ファウンデーションと地球

ファウンデーションへの序曲

ファウンデーションの誕生

 

 

プロローグ(興亡史①~③あらすじ)
没落しつつあった第一銀河帝国。

それを理解していたハリ・セルダン。
セルダンはファウンデーションを二つ設立し、ターミナスの第一ファウンデーションは周辺を併合して、プランに沿って順調に発展した。一方第二ファウンデーションは沈黙の中に居た。
その後セルダンが予想出来なかった「ザ・ミュール」の出現により敗れた第一ファウンデーション。

そして次に第二ファウンデーション支配を目指すミュール。
ベイタ・ダレルによりその計画は阻まれ、第二ファウンデーションは対策の期間を得た。ミュールの支配意欲を喪失させたのが「第一発言者」プリーム・パルヴァー。
だがその代償として第一ファウンデーションに、第二ファウンデーションの存在が知られてしまった。
第一ファウンデーションによる探索を許し、偽りの第二ファウンデーションを壊滅させる事で、トランターにある第二ファウンデーションの実体を隠したプリーム・パルヴァー。
銀河系の中でますます強大化して行く第一ファウンデーションは、発足してから498年経っていた。
その絶頂の見せかけを信じない男が一人だけいた。

 

超あらすじ
ターミナス議員のゴラン・トレヴァイズ。第二ファウンデーションの存在を主張して、ブラノ市長により宇宙船で放逐される。

同行した歴史学者ジャノヴ・ペロラットと、ひょんなことからセイシェル星区にあるガイアという惑星に向かう。
第二ファウンデーションの発言者ストー・ジェンディバル。

セルダン・プランを理想的に運用する「反ミュール」の存在を主張し、その鍵がゴラン・トレヴァイズにあると考えた。
セイシェルを経てガイアに招待されるトレヴァイズとペロラット。それをエスコートするブリスはガイアと一体の群意識を持つ。惑星全体で意識を共有しているガイア。到着して会った長老のドムも同じ。

ミュールも実はガイアの一員だった。

ある目的のために引き寄せられたトレヴァイズ。

 

ガイアの領域に集まるターミナス市長のブラノ(第一ファウンデーション)と発言者ジェンディバル(第二ファウンデーション)。精神フィールドの攻防で、ガイア人のノヴィも交えて三すくみ状態になるブラノとジェ

ンディバル。それを解決するために呼ばれたトレヴァイズは、特殊な直感力の持ち主で、銀河系の将来に対する選択を迫られる。
第一、第二ファウンデーションを双方活かすため、ガイアの目指すギャラクシア(生きている惑星が結合した超宇宙生命)を選択したトレヴァイズ。それは直近で結論を出さないための「時間稼ぎ」。
トランターの図書館から、地球に関する資料が消えたのがガイアの仕業でない事が判り、地球を訪れる決心をするトレヴァイズ。

 

ハードカバー表紙

 
感想

新本は早川書房からも入手出来ずAmazonから中古本を購入・・

アシモフが「第二ファウンデーション」を発表してから約三十年経過しての続編。

移民がターミナスに行ってから約五百年後の世界。
セルダン・プランが順調に進んで行く事に対して疑問を抱く者が第一、第二ファウンデーション双方からほぼ同時に現れる。

 

コンピューター技術がずいぶん進歩したので、宇宙船の操縦表現もかなり進化。読んでいて楽しかった。
小説の中で最初「地球」と言っていたものが次第に「ガイア」にすり替わって行った様な気がする。

そして次作への課題が「地球」。

この辺りはもう一度読まないと理解出来んか・・・・

ミュールがガイアの者だったというのは、あと付けの理屈としてちょっと苦しいかも。
第二ファウンデーション員としての能力が発生するのが、果たしてロボットと関係があるのか。
ガイアのテレパシー能力が、ロボットから授けられたものだという理屈が、ちょっと唐突で賛同し難い。

今まで、次の第二銀河帝国を空白期間一千年以内に勃興させる、というのがテーマだったのが、どのグループがその主導権を握るかという「中味」の問題に変わって来た。

 

ギャラクシアの考え方は、生命体の理想という雰囲気もするが、実は一番恐ろしい(個人の埋没)。

ガイア理論という事で1960年代に地球の生態系を表現したものがあり、本作もそれが織り込まれていると考える。単一の群意識を持った惑星や、銀河系の将来を一人に委ねることなどは「新世紀エヴァンゲリオン」の人類補完計画にも影響を与えている。

また我が敬愛する小松左京氏の「果しなき流れの果に(1965) 書評    あらすじ」では宇宙が意識体である事の言及があり、多少はアシモフに影響を与えているかも知れない。

 

しかしこのブリス、なんでこんな(失礼)ペロラットを好きになるのか。これは老境に入ったアシモフの願望でもあったのかナ? まあ同じような環境にある自分と重ね合わせるのも楽しいが・・

このシリーズも、「興亡史」の時系列的にはあと1作で終わり。
「地球」を目指すトレヴァイズが最後に見るものは?

 

注)ハードカバーでは「ゲイア」の表現だったが、後の文庫版では「ガイア」となっていたのでこちらの表記とした。

 

 

あらすじ
第一章 議員
若い議員のゴラン・トレヴァイズは、同僚議員のムン・リ・コンパーと議論していた。
セルダン・プランの否定。時間霊廟もインチキだと言うトレヴァイズ。
行政委員会の開会を宣言する女性市長ハーラ・ブラノ。ブラノはセルダン支持者。
議会でセルダン・プランなど存在しない、と主張するトレヴァイズに取り消しを迫る市長。
トレヴァイズを訊問するリオノ・コデル。トレヴァイズの言う「セルダン・プランを信じない」という主張についての証拠収集が彼の仕事。
必要な部分の録音を録り終えると、彼への尋問を終えるコデル。

真夜中になって、二人の衛兵に伴われて自宅に帰るトレヴァイズ。コンパーに裏切られた。
地上車に乗って自宅に着くと、玄関の"内側"に衛兵が居る。ターミナス市長、ハーラ・ブラノが居間の入り口に立っていた。

 

第二章 市長
六十三歳の市長と対峙するトレヴァイズ。

自分の年齢の二倍近い相手。
今回時間霊廟が開いたのは八回目。設立以来四九八年も経っているのにあまりにも正確。ミュールのせいで大きく的を外したのに。
第二ファウンデーションがそれを引き戻したと説明する市長。そして紀元三七八年に第二ファウンデーションのメンバーが処分された。

それ以降、機能を果たして来たファウンデーション。
だが納得しないトレヴァイズ。第二ファウンデーションは全く滅んでおらず、我々を陰て操作している。

市長は話を続けながら、次第に第二ファウンデーションが存在している事を前提としたもの言いに変えて来た。
そして、第二ファウンデーションが存在しているかどうかを自ら調べなさいと言う。

 

ジャノヴ・ペロラットという男に明日会わせると言い、彼と一緒に最新型の宇宙船で出発せよとの命令。

リオノ・コデルと落ち合う市長。コデルは一部始終を聞いていた。
もし第二ファウンデーションが存在すれば、トレヴァイズの行動が彼らの目を引き、対抗策を考える時間稼ぎが出来る。彼は避雷針の役目。

 

第三章 歴史学者
ジャノヴ・ペロラットは白髪の五十二歳。古代史の教授。

研究実現のため、トランターの銀河図書館に行く事が一番の願い。

市長がそれを実現。
市長が連れて来たのがゴラン・トレヴァイズ。第二ファウンデーションを探しに行こうという彼と話が噛み合わないペロラット。この話を市長が持ち込んで来たのは三週間前だというのに驚くトレヴァイズ。
ペロラットは言った「君とわたしは捜しに行くのだ--地球を」
地球というものを全く知らなかったトレヴァイズ。それは人類が初めて現れた惑星だという。
今までの状況から、第二ファウンデーションを見つけたければ、トランター以外に行くのが正解、と思い込むトレヴァイズ。

 

市長執務室でムン・リ・コンパーと話す市長。トレヴァイズに比べて穏やかなコンパー。
コンパーの密告に感謝しつつも、今後の役割りを匂わせる。
コンパーに、彼らを尾行する業務を与える市長。妻帯者だが、妻の同行は許されない。
コデルと話す市長。厳しいやり方に感嘆するコデル。コンパーを全面的に信用しているわけではなく、彼の船には追跡装置を付ける。第二ファウンデーションがあっても、なくても対応出来る計画として運用。

 

宇宙船は、武装はないが最新式のものが提供される。そして表向きはペロラット教授の地球探索を手伝うこと、と言い渡した市長。逃げようとすれば殺される。

 

第四章 宇宙
最新のクルーザー級宇宙船「ファー・スター号」を前にして、自分の任務の重要性を実感するトレヴァイズ。それほど優れた船。
だが操縦のための情報は何もない。トレヴァイズは、デスクの前の座席につき、そこに手を置いた。

光の輪が広がり、デスクが手前に傾斜した。
頭の中に「接続します」という声が聞こえ、船内のあらゆる部分が見えた。外の様子を見る事も出来る。
次第に扱い方を理解するトレヴァイズ。手を使ったコンピューターとの接続。望みさえすれば、その通りになる。

そして船はいつの間にか発進していた。
ペロラットに、コンピュータとの接続による宇宙の姿を見せるトレヴァイズ。様々な映像化にトライ。だが疲れを感じてデスクから手を離した。

 

第五章 発言者
銀河の中心だったトランター。最初の八千年に亘って拡大し、その後の一万二千年は銀河帝国の首都として栄えた。

今から二世紀半前に起こった大略奪。ここではもう、昔のトランターの面影はなく、表面の金属はなくなり、自給自足の農民がまばらに住む世界。

 

第二ファウンデーションの、第二十五代目の第一発言者であるクィンダー・シャンデス。十八年間この地位を守っている。大略奪が起きてからの経緯。帝国は崩壊したが、先の発言者たちが大学・図書館を何とか温存した。

シャンデスに対し、若い発言者ストー・ジェンディバルが謁見を申し入れた。かいつまんでの説明を求めるシャンデスに「セルダン・プランは無意味です!」
ジェンディバルは、幼い頃から非凡な能力を見せ、三十歳で発言者会の一員になっていた。

セルダン・プランの検証システム「基本輻射」によるチェック。逸脱は青い線で示され、発言者の改良は赤で示される。

最も特徴的なのがミュールの一件。

それが次第に収束。それはプリーム・パルヴァーの成果。
逸脱の世紀を生き残ったのが欠陥がない証拠だ、と言うシャンデスに「欠陥のない、その無謬性こそが致命傷なのです」とジェンディバル。
予測出来ない可能性の一つがミュールだった。

彼を止めた結果、第一ファウンデーションはこの百二十年間平穏な時を過ごしている。

 

ターミナスに居るという、第二ファウンデーションの存在を主張する者。
「ゴラン・トレヴァイズです」と答えるジェンディバル。彼が見つけてその情報をシャンデスのオフィスに回した。訓練を受けていないにも関わらず、異常な直感力を持っている。

トレヴァイズはミュールも及ばないほど危険な存在だと評価するジェンディバル。

その話と、セルダン・プランが無意味だという話との繋がりについての説明を求めるシャンデス。
それを証明するために微小輻射という装置を使って説明する。
ジェンディバルの説明によれば、セルダン・プランが一世紀以上も逸脱を示さないのは、第二ファウンデーションが関与しない程の微小な方法でコントロールされているから。
破壊と逆の行為を、知らないところで行う「反ミュール」の存在。目的は、彼らの知的子孫が意思決定者となる、第二帝国の計画推進。
ターミナス市長がなぜゴラン・トレヴァイズを追放したのかの疑問。却って危険人物を銀河系内に放つ行為。

それは「反ミュール」のエージェントから受けた強迫観念のためだった。トレヴァイズは彼らの新人として採用された。

よって致命的に危険な存在。

 

第六章 地球
ハイパー・リレイを探すトレヴァイズ。

それはハイパースペースを通った星間航行をした場合の探知を可能にするもの。ジャンプは二日後を予定。
彼がなぜ地球に興味を持ったのかを聞くトレヴァイズ。
ターミナス等の星は、最初苔のようなものしか居なかった。それを植物、動物等を持ち込み改良して行った。

今では土着生物は残っていない。真に繁栄する土着の自然環境バランスを生み出した世界を研究する事に、大きな興味を持ったペロラット。「起原問題」に挑戦するため、歴史を学んだ。
地球の情報はトランターへ行かないと判らないと言うペロラットに、これから地球を見つけに行くと言うトレヴァイズ。
迫られて、今まで集めた資料を元に、地球の位置に関する情報を話し始めるペロラット。
きっかり一標準時間(二十四時間)で自転し、月と呼ぶ巨大な衛星を持っている。
リストにG-A-I-A(ガイア)という名の惑星がある。「地球」という意味。だが詳細の情報はない。その場所もセイシェル星区に分類されているとしか判らない。
「そのセイシェル星区に行って何とかガイアを見つけようよ!」とトレヴァイズ。結局ハイパー・リレイは装着されていなかった。

 

第七章 農夫
トランターの農耕地域をジョギングするジェンディバル。発言者会の中には批判する者もいる。ヘイム人の農民たちは、彼ら学者たちに関わる事はほとんどなかった。
すれ違うために近づくヘイムの農民。ジェンディバルに執拗に絡む。これから発言者会に出席しなくてはならない。

加勢する様、後ろに三人ほどが控える。
農民の心に手を加えるのは基本輻射に逸脱を生じるため出来ない。ルフィラントと言った男が殴りかかるのを何とかかわすジェンディバル。怒りに燃えるルフィラントは加勢の者と共に迫る。
とうとう手を掴まれてしまったジェンディバル。

 

発言者会の集まり。一人遅刻のジェンディバル。

女性発言者のデロラ・デラーミがシャンデスに「いつまで待つのですか?」と質す。
時間稼ぎをしてもジェンディバルが来ないため、シャンデスは彼が警告した第二ファウンデーション以外の組織の存在について説明し、第一発言者としてそれを支持していると話した。

キーとなるゴラン・トレヴァイズ。
シャンデスは、トレヴァイズに個人的にプランを適用したが、結局何も出なかった。だが四十年の分析の実績から、勘ではあるがトレヴァイズを放置してはならないと断言。

デラーミはその話に否定的に対応する。
 
腕を掴まれ、もう会議には間に合わないと諦めたジェンディバル。押さえ付けられた状態でルフィラントに殴られようとした時、農夫の女が近づいて来た。

弱い者いじめの臆病者!との罵り。
青びょうたん相手に何人もかかって、この先続けるなら言い触らしてやる、との言葉に戦意喪失した者たちがぞろぞろと帰って行った。
礼を言うと、女はノヴィと名乗った。一緒に歩くよう申し出て、彼女はそれに応じた。会議への遅れは認識したが、それもやむを得ない。大学の建物が見えるところで、自分の住所を言って別れるジェンディバル。

 

第八章 農婦
発言者会。デラーミはこの機会に第一発言者に対する弾劾を考えていた。それと引き換えに、先の発言の削除をデラーミが提案した時、ジェンディバルが入場して来た。
農夫によって会議への出席が妨害された事を問題にするジェンディバル。デラーミとの間で議論が紛糾。
発言の削除の件が改めて話題にされた。トレヴァイズの疑いを補強するジェンディバル。
組織の中に逆の働きをしている者が居ると言い、全員に精神分析の実施を提案するジェンディバル。混乱に陥った会議は、第一発言者の宣言で休会に。

 

ジェンディバルは翌朝、面会者を告げるコールに起こされる。
そこに来ていたのは昨日の女。改めてノヴァと名乗る女。大学の構内を案内してやると伝えていた。
ノヴァの目的はそれだけではなかった。「おら学者になりに来た」学者の意味も良く判らない者にどうやって判らせるか?
彼女がなりたいのは「彼の召使い」である事を理解したジェンディバル。粗野で文盲、とてもあり得ない、と否定するが、考えるところがあって、手許に置く事にした。
デラーミや、その他発言者との戦いにおいて、この百姓女スラ・ノヴィが鍵になるとの確信。

 

第一発言者からの呼び出しを受けて出向くジェンディバル。
彼の握っている情報では、トレヴァイズはトランターへは来ない。地球を探すためだからこそトランターに来る筈だったのに。
必ずしもそれは悪い事ではない、と言うジェンディバルを否定するシャンデス。
シャンデスがもっと重大な話をする。デラーミの発議で発言者の緊急集会があった。その席でジェンディバルが弾劾された。

 

第九章 ハイパースペース
最初のハイパースペースを前にして不安がるペロラット。トレヴァイズの操作によりそれは行われた。
ハイパースペースが終わった時、何の変化も感じなかった事に感嘆するペロラット。
元々コンピューターは、惑星セイシェルのそばまで行くのに29のステップが一度に出来ると表示していた。それを信じずに一回だけのジャンプをさせた。一日かけて検算。
それを受けて、今度は一度に目的地までのジャンプを実行。

最終的に28カウントで止まる。
「我々は惑星セイシェルのそばにいる」とトレヴァイズ。
なぜこんなに進化した船を市長は提供したのか、と驚くペロラット。

実験だろう、とトレヴァイズ。

 

第十章 会議
弾劾の会議を待つ身のジェンディバル。彼の立場について説明する第一発言者は、弁明の機会を与えた。
ゴラン・トレヴァイズが、トランターではなく別の方向に飛び去った事を伝えるジェンディバル。進路変更は、トランターが地球の重要性に気付くのをくらますためのものだと言う。
地球の事など誰が気に掛けるかという反論に、今図書館に地球関係の資料が一切残されていない事を告発するジェンディバル。
地球の話と弾劾とは関係ない、と弁明を切り上げようとするデラーミを制する第一発言者。

 

次いで、証人を呼びたいと言うジェンディバル。それはヘイム人の農婦ノヴィ。ノヴィは、ジェンディバルがあの日襲われた時の事を証言した。男は普段学者に喧嘩を仕掛ける様な事はしたことがない。

あの時は自分が脇に立っていて、別の自分を眺めているようだった、と聞いていた。そして彼女自身も、割って入った時には何かに憑かれていたと言った。
ジェンディバルはノヴィを眠らせ、その心の中を皆が見えるよう開示した。そこに極めてデリケートな神経線維の捻じ曲げの形跡があった。

こんな事は、よほどの準備がないとやれない。

ノヴィは起こされて退室した。
我々の能力を超えた方法で精神に干渉されている。図書館員も、その様にして地球の資料を運び出したのかも知れない。
この事実により、反ミュールの存在が認識され、ジェンディバルに対する弾劾は撤回された。

狡猾に転身を図るデラーミは、ジェンディバルに謝罪した。次いでこの問題を解決するため、彼が自ら出向くことを提案。発言者会の賛同は確定。彼女の策略は成功した。
それに怒りを覚える第一発言者は、ジェンディバルがこのミッションを完遂して帰還した時には、彼を第一発言者にすると宣言。

デラーミは、失望を巧妙に隠し、任務を果たすには妻帯者として行くべきだと進言。
彼女の言っているのは、ヘイム農婦のノヴィの同行。反射的に拒否したいと思っていたジェンディバルだが、平然とそれを肯定し、初めから彼女を連れて行くつもりだったと返す。

第一発言者とジェンディバルとの密談。
後継者指名が、デラーミに対する怒りで早まった事をしたと詫びるシャンデス。だがこの、宇宙への危険な単独行に対して喜んでいるジェンディバル。時代遅れの惑星に閉じ込められて来た男の欲望。

 

第十一章 セイシェル
ファー・スター号はマイクロ・ジャンプを行って惑星セイシェルに近づいて行った。
通関ステーションで税関吏のチェックを受けた。その後無線ビームに従って空港に向かう。
税関吏のジョゴロブ・ソブハッダーサ。次に入って来た船についての報告。これとそっくりな船をさっき通関させた。通してはならない船を通したとの疑い。夜景を見ながらの降下。

空港に近づき着陸操作を行うトレヴァイズ。
機体はブースに入れられ、所定の場所に固定された。
用意された地上車に乗ってツーリスト・センターに向かう二人。
目的地に着き、その建物に入って行く。人々の服装は色彩豊かで、グレイずくめのターミナスとは異なっている。

 

カウンターに向かう二人を認めて、男が寄って来た。

グレイずくめの男。
「何たることだ。友達のくせして裏切りやがって!」

 

第十二章 エージェント
そこにいたのはターミナス議員ムン・リ・コンパー。

密告のいきさつを説明される。
この事についての埋め合わせをしたいと言うコンパー。
この尾行の報告は市長に送っている。船にはハイパー・リレイが取り付けられており、外す事が出来ない。
また妻が人質になっているので市長に逆らえない。

自分は警告に来た。君は第二ファウンデーションの反応を引き出すための避雷針。これで彼らの手の内が判る。
そしてコンパーは、第二ファウンデーションを探してはいけないと言った。別の仕事がある、とトレヴァイズ。

ペロラットと地球の探索をしていると言った。
コンパーは「今は、地球はない」と言った。彼の祖先から言い伝えられている。シリウス星区にあった。その仮説はあった、と言うペロラット。
コンパーは続ける。そこは放射能を帯びて、今は生物が住むのは不可能。探しても無駄だと言う。
コンパーの祖先が出たというコンポレロン。詳細を知りたければそこに行くべきだと言った。
そうして我々をコンポレロンに行かせようとしているんだろう、と言うトレヴァイズ。
助けようと努力なんかしなければ良かった、と立ち去るコンパー。

 

コンパーと別れた後、食事をしに行った二人。食後のコーヒーを飲みながら、先のコンパーの話を吟味する。
彼らは我々がトランターに行く事を望んだ。それを台無しにして僕がセイシェルに来た。だからこうして追い出しにかかっている。僕はここに残るつもりだ。
多少異議を感じつつもトレヴァイズの方針を受け入れるペロラット。

 

ムン・リ・コンパーは、子供の頃にスカウトされた第二ファウンデーションの「観察者」だった。
ミュールによる打撃を受けて以降、観察者による運用が始まった。横の繋がりを持たず、上の階級の者としか繋がっていない。被害を広げないための方策。
コンパーの上に繋がる者はジェンディバル。

コンパーの方が四歳年長。
コンパーがトレヴァイズに出会ったのは大学時代。乏しいデータから正しい結論に達する、卓越した能力をそこに見出し、彼を重要人物だと発言者会に伝えていた。それに応答してくれたのがジェンディバル。
トレヴァイズの追放という状況を作り上げたのは、ジェンディバルの指示によるもの。トランターに送り込む筈だった。コンパーのところへ近づきつつあるジェンディバル。それがコンパーの緊張を深める。

コンパーと交信を始めたジェンディバルは、トレヴァイズたちとの会話を会話を全て報告させた。彼が到着するまでトレヴァイズたちをセイシェルに留め置く、という指令を忠実に守ったコンパー。

 

第十三章 大学
眠るために船へ戻って来た二人。
我々が既に目立ち過ぎている事を懸念し、その後一時間ほども眠れないトレヴァイズ。

翌日ツーリスト・センター経由で図書館へ行き、コンピューターを使ってデータ収集をする二人。
考古学者のリストを調べるうちに「クインセデッツ」の名に覚えがある、とペロラット。所属はセイシェル大学。午後になり大学に着いて取次ぎを頼むと、意外にも先方はペロラットの事を知っていた。

 

女性の案内でオフィスに向かう。途中その女性に地球の事を聞くトレヴァイズ。その名は知らなかったが、最初の惑星についての言い伝えは知っていた。ハイパースペースの中にあるので行く方法がないと言う。オフィスに着き、ドアに「ソテイン・クインテゼッツ・アプト」の表示。

相手は背が高く、熟年の男でS・Qと名乗った。
クインセデッツは、ペロラットの論文を読んだ事があると言う。世界の始まりに関するテーマ。

 

唐突に「ロボット」の話を始めるクインセデッツ。トレヴァイズたちの知らない言葉。コンピューター搭載可動機械という説明。それの人間そっくりの形をしたものがロボット。
セイシェルにある言い伝え。地球が唯一の世界だった頃、ロボットが発明された。その目的は銀河系探索と植民。だが多くの植民が行われた後に、ロボットは不要となった。
地球でもある時期からロボット不要の流れとなり、そこから脱出した者が、ロボットを使わない新たな植民地を作って行った。その最初の民がセイシェル星区に来たという言い伝え。

地球のその後を聞くトレヴァイズ。人類は地球を去って、それぞれの星区に定住した。それ以上は判らないという。
話を切り上げて暇を告げるタイミングで、トレヴァイズはガイアの事について話して欲しい、と言った。表情を硬くするクインセデッツ。

 

話をそらして、夕食を招待するクインセデッツ。そして建物を出て、星空の説明をする。その中で五角形に並んだ「五人姉妹」という星座の説明をする。その中央にある小さな星が、報われない愛を表わすという。

ディナーは菜食中心で美味なものだった。
食後、早速先のゲイアの話の続きを聞くトレヴァイズ。
セイシェル領域内にそれはない、と言うクインセデッツに対し、我々に説明してくれた五人姉妹の中心の星がガイアだと言うペロラット。否定はされない。
ガイアの事を知るために、本件を政府レベルにまで引き上げる用意があると迫るトレヴァイズ。
やむなく、知られている事について話し始めるクインセデッツ。

帝国の衰退が進み、為政者がガイア支配を試みたが、ことごとく失敗。貿易等も申し入れたが、孤立を守っている。
クインセデッツはミュールの話を始めた。ファウンデーションにとっては不愉快な名前。
ミュールとセイシェルの大統領との会見記録に「・・・・私でさえガイアには近づきたくない」という一文がある。
セイシェルの中では、ミュールがガイアで生まれたと考えられている。
ミュールでさえ近づこうとしない星。おやめなさいという忠告。
それにも関わらず、星の座標を求めるトレヴァイズ。

 

第十四章 前進!
ガイアに向けて船を進めるトレヴァイズ。
行かないでくれと言いながら、我々が確実にガイアに行くよう教えてくれたクインセデッツ。
もしトランターに行っていたら、ガイアの情報は得られなかった--
ペロラットに、どうやってガイアの事を知ったか訊ねるトレヴァイズ。
三十年以上研究をして来た彼だが、具体的に言われて、それが三年ほど前の事だと気付く。それも無名の個人からの手紙。

どこからかも不明。
そしてクインセデッツの言っていた五角形の中心。ペロラットはそれをガイアに関する資料として知っていた。
だがトレヴァイズは、あの五角形はそこから見た時にしか現れないと立体星図により証明した。更に百五十年前の星図では、その五角形の形は偏っている。よってペロラットが手に入れた資料はここ十年のもの。ガイアに関する情報が、ここ十年の間に整備された事になる。

そしてトレヴァイズ自身についての振り返り。
ある時ふと、第二ファウンデーションがまだ存在しているという考えが浮かび、それを選挙運動に利用。その後調べるうちに確信に変わった。その後市長に逮捕され、高性能宇宙船で追放された。
トランターへは行かずセイシェルに行き、そして今回ガイアへ。
「我々はガイアに行くように操られている?」とペロラット。「そうだ」

 

ガイアが第二ファウンデーションであるとの推定。だがどうして第二ファウンデーションが我々をそこに仕向ける必要がある?

様々な想定があるにせよ、今からでは手遅れ。大使館宛てにこれからガイアに行くというメッセージを座標付きで教えた。
きっと市長は動く。第一ファウンデーションが注意を向ける事は、第二ファウンデーションにとっては都合が悪いだろう。彼らが隠れているのは、何らかの弱点があるから。
彼らが一体何を望んでいるのか?と訝るペロラット。
トレヴァイズの直感。僕には彼らが欲しがる何かがある。何としてもそれを突きとめなければならない。
それを自分が正しいと感じるものに利用したい。
君を信頼する、とペロラット。

コンパーからの情報を吟味し、コデルと話すブラノ市長。セイシェルの素性を気に掛ける。ミュールに包囲された時も中立を守った。
ペロラットたちがセイシェル大学にいた情報も入っていた。そして今回トレヴァイズから大使宛てにガイア行きを伝えた。
その現場に行きたいと言い出す市長に驚くコデル。何らかの抑止力のため、戦艦も同行させたい。
コデルの反論に半分脅迫して従わせる市長。
市長の考え--セルダン・プランは、ミュールについては間違った。それは他の場合にも誤る可能性を暗示している。 

ガイアに向かって 前進!

 

第十五章 ガイア-S
ジェンディバルとスラ・ノヴィを乗せてジャンプを繰り返す宇宙船。ノヴィは意識して言葉を直していた。
ただの百姓女である筈の彼女だったが、時折り見せる深い洞察に感嘆するジェンディバル。
彼を手伝いたいという、彼女の精神構造の滑らかさの陰にある知性、理解力、勇気。今後不可欠の脇役を予感させる。

あと一跳びで向こうに着くと言うトレヴァイズ。

ガイアの太陽--ガイア-S。
ガイア-Sの惑星について吟味を進め、候補を見つけた。自転周期二十二時間、直径百キロ程度の月も伴っている。その星を目指し、最後のジャンプをすると、宇宙ステーションが回っているのが見え、技術文明がある事が確認出来た。
だが、その宇宙ステーションの牽引ビームに引かれ始める。

 

第十六章 収束
ジェンディバルははようやくコンパーの船と合流した。宇宙服を使って先方に移るジェンディバルとノヴィ。

過大な期待を抱いていたコンパーは、彼の姿を見てやや落胆したが、その心は筒抜け。
状況を聞くジェンディバルに、トレヴァイズの船が惑星ガイアに接近している事を報告するコンパー。それに加えてファウンデーションの戦艦がセイシェルの外縁に接近している事も。

セイシェル駐在のファウンデーション大使リットラル・スービングとコデルとの交信。両者は一時市長職を争っていた。トレヴァイズの通信を転送したのがスーピング。
惑星ガイアの発見を目指している市長。スーピングは、ガイアの事を知ってはいたが、その重要性についての認識はなかった。

セイシェルにはまだ反逆者も多く、艦隊の引き上げを要請するスーピング。
市長の意向をそのまま伝えると、通信を切るコデル。

トレヴァイズは、次第に引き寄せられる状況にイラついていたが、落ち着いているペロラット。そしてガイアの者たちは非人間かも知れないと言う。あり得ないと否定するトレヴァイズ。
そんな時にステーションから宇宙船が発進するのを見る。こちらに乗り込むつもり。

市長に、スーピング大使からの警告を伝えるコデル。そして偵察部隊が、コンパーの宇宙船を発見した事を報告。先行するトレヴァイズはガイアに向かっている。
市長は第二ファウンデーションの位置も知っていた「まずガイアを片付け、それからトランターにかかるわ」

 

第十七章 ガイア
宇宙ステーションからの船は、長い時間をかけてこちらに連結した。

出口から宇宙服が現れ、推進装置を使って接近し、エアロックから入って来た。

 

宇宙服を脱ぐと、それは豊満な若い女性だった。

きみ何歳?との問いに「二十三歳・・・です」

ここに来た理由は二人をガイアにエスコートするため。
名前を訊くペロラットに「ブリス」と答える。
ぞんざいな態度を取るトレヴァイズを別室に引いて行き、突っかかるのはやめろと忠告するペロラットは、彼女に好意を抱いている。それがまた気に入らないトレヴァイズ。
ファウンデーションの事を知っているブリス。ミュールのために学校で習うという。ミュールはここの出身だった。

着陸するため下に降りて行くことを促すブリス。

着陸し、遠くに海岸線を見ながら歩く。ガイアのところへ連れて行ってくれるのか?と訊ねるトレヴァイズに、わたしがガイアなのよ、と返すブリス。この惑星全体がガイア。私たちは皆個人だけど総体的な意識を共有している。
それを代表するのがドム。いろいろなやり取りの末に、この惑星の群意識、群精神について理解する二人。

 

ドムとの面会。年配の男。ゲイア年で九十歳。食事をしながらの会話。この食べ物もガイアの一部。
様々な例題、小道具なども交えてガイアの社会が説明される。
ロボットをご存知か?とドム。
かつてロボットと共に暮らしていた人類。三原則に従って進化を続けたロボットは、最終的にテレパシー能力まで開発された。人間の行動が監督される。

外見も人間そっくりとなり、それが反撥を呼んだ。
ロボットは進化を続けたが、結局三原則の一条の履行のため、自ら機能を止めた。

それ以来我々は孤独に進歩を続ける人間になった。多くの人間たちが、ロボットのない植民地を作るために出て行った。

それらのグループの中で、ガイアに着いた我々だけがロボットからテレパシー技術を学び取っていた。
それは人間の心の中に遺伝されているが、発達は微妙で難しい。
テレパシーを増進させるうちに群意識に気付いたのはずっと昔。

最初は人間、それから動物、次いで植物。最終的には惑星そのものの構造の群意識にまで到達。銀河系の中で我々は独自の存在。
そしてミュールは我々の一人。彼は異常型で出て行った。引き止めるのが間に合わず、第二ファウンデーションに扱いを委ねた。

ミュールの悲劇のおかげで、自分たちの滅亡の危機に気付いた。

既に対策は立てている。
「私は心配していないわ、あなたが処理してくれるから」と言うブリス。
ドムが言う。ガイアは何百もの穏やかな操作をして、君をここへ連れて来た。我々の危機に立ち向かわなければならないのは、君なのです。
「なぜ僕なんだ?」怒りの形相に変わるトレヴァイズ。

 

第十八章 衝突
ジェンディバルは、用心しながらガイアに近づいていた。隣で心配するノヴィ。探索を続ける先に大きな船を発見した。五十万キロ先。

トランターの第一発言者シャンデスは、ジェンディバルからの通信を受けていた。トレヴァイズとペロラットがガイアに入り込み、かつ自分たちから五十万キロ先に宇宙戦艦が居る事の報告。
ガイアの周囲の空間に微弱な精神フィールドがあり、何らかの秘密がある。非常事態の宣言を求めるジェンディバルに少し怯むシャンデス。だが今危機に瀕しているのは第二ファウンデーションそのものだとの警告。

市長の暴走を懸念するコデル。

彼方に留まっているコンパーの船。

だがコンパーは降り、別の二人が乗った事まで確認されている。
その者が第二ファウンデーションの人間だと考える市長。コンパーが彼らの支配下にあったと前から疑っていた。コンパーを追跡者として出したのはテストでもあった。
今まで起きた事件を遡って見れば、トランターは第二ファウンデーションである事は、当然考えられた。
目の前の第二ファウンデーション員と戦うため、静かに移動を始める戦艦。

更に接近する戦艦に対して、精神フィールドを絞って投射したジェンディバル。だがその直後、痺れるほどの反撃を受ける。

市長が相手からの攻撃を確認した。震えるサイコメーターの針。精神シールドの開発を最優先で行い、百二十年かけて何とか完成。
相手の船にメッセージを送る市長。回答を返すジェンディバル。

ブラノ市長と名前で呼び、この船に招待されたと弁明。

そして一時休戦を提案。
市長はなおも高圧的に出る。トランターを処理する準備があるとの警告。再び回答。君たちのシールドは不完全。シールドがあると力のコントロールが出来ないため、君たちの精神に回復不能のダメージを与える。
市長の考え。第二ファウンデーションの任務はセルダン・プランの維持。第一ファウンデーションに打撃を与えればプランは崩壊する。延々と続く口論。
その時、ノヴィが言った「これ以上踏み込まないで下さい。ターミナスのトレヴァイズ議員を待たなければなりません。

 

第十九章 決断
ファー・スター号で再び惑星の外に出ようとしているトレヴァイズとペロラット、そしてブリス。
ブリスは「あなたは何も知らずにその場所に行かなくてはならない」と言った。一切の調整をしてはいけない。
興奮するトレヴァイズだが、ペロラットの貢献で冷静になる。ブリスがペロラットに「あなたがとても好きなのよ・・・」

ぼんやりと、そしてもっと強くスラ・ノヴィは、ガイアで愛していた生命形態の一つを思い出していた。
ノヴィを見つめて驚くジェンディバル。トレヴァイズ議員の事を知っている?「何者だおまえは?」との問いに「ガイア人です」
我々は三すくみの状態。このままの状態を続けトレヴァイズ議員を待つのです。この手詰まりを自由意志で破るのが彼なのです。

ファー・スター号は二隻の宇宙船に近づく。一つはコンパーの船、もう一つは戦艦。静止する三隻の船。

 

ノヴィが全員の心に向かって説明を始める。
銀河系の未来が危険になっている。
ターミナスの技術進歩による精神シールドの進化。これをあと一世紀放置すれば、ターミナス様式の第二銀河帝国が誕生する。

精神シールドが不完全なうちにブラノ市長の行動喚起が必要だった。そしてトランター。

セルダン・プランは、ガイアが自身が微修正して正確に軌道に乗せていたが、ジェンディバルの台頭により、ターミナスの危険性を認識し、精神シールド未完のうちにターミナスを操作して、トランター様式の第二銀河帝国を作るだろう。
話に割って入るトレヴァイズ。

そのどちらかの様式の第二銀河帝国で何が悪い?
ノヴィの解説。ターミナス様式では闘争によるもので、これは第一銀河帝国と同じ。
トランター様式では、全て計算によって維持される袋小路。
ガイアの代案は?と問うトレヴァイズ。
より偉大なガイア、ギャラクシアです。あらゆる生きている惑星が結合した超宇宙生命。

この三つの中で、何を選ぶかの選択をトレヴァイズが行う。
選択を達成するために誰かが必要だった。ゴラン・トレヴァイズが持つ「これだ!」という直感力。
市長、発言者双方を圧倒出来るのがガイアなのではないか?と問うトレヴァイズ。
だがガイアの思考は、かつてのロボットにより形成された。

よって基本は受動的。だから決断を他に委ねる必要がある。

 

最後の弁論の機会を得て、市長は「自由意志!」、発言者は「指導と平和!」、ノヴィは「生命!」と叫ぶ。
ペロラットの意見を聞くトレヴァイズに、決めるのは君だと言いながら、以前彼が銀河モデルを見せた時「銀河は生き物みたいに見える」と言った事を話すペロラット。
突然「これだ!」と確信したトレヴァイズ。

 

第二十章 結末
ハーラ・ブラノ市長によるセイシェルへの正式訪問。連邦の市長が局部的な星群を訪問するのは異例。だがそれが友好の証し。

トレヴァイズは手許に置かず自由にさせた。

発言者ジェンディバルは、トランターの第一発言者へ「全てうまく行った」と報告を行った。
ターミナス市長とセイシェルの指導者に僅かな調整を行った結果、両者の親善関係が樹立された。
発言者デラーミは失脚し、ジェンディバルが第一発言者になるだろう。ノヴィの持つ弱いシールドが今回の課題解決に大きな貢献をしたと感謝するジェンディバル。
そのヘイム女の仮面の下でノヴィは、母体から離れていても苦にならなかった。

 

話し合うペロラットとトレヴァイズ。
ガイアの行った操作。市長はセイシェルとの通商協定を成果としてターミナスに帰り、ジェンディバルは自分が事態を収拾したと確信してトランターに帰った。ノヴィはいずれ実現を期待するギャラクシア実現のため、発言者と行動を共にする。そしてどちらのファウンデーションも、ガイアの存在を知らない。

ペロラットはガイアに残ると言った。驚くトレヴァイズ。ブリスを見つけた事が自分を変えた。ブリスはガイアの一部だと言っても動じない。

 

ブリスと二人だけで話すトレヴァイズ。君はロボットではないか?と問う。その上でペロラットの彼女への想いを伝え、彼の幸福が保たれる保証について問い質した。
ロボットの件については否定するブリスだが、そうであってもなくても、彼に優しくするのは私の望み、と答える。

ドムとトレヴァイズとの会話。彼の行った決断の背景。
第一、第二いずれかのファウンデーションに味方した場合、いずれもただちに行動を起こすだろう。そしてやり直しはきかない。
ガイアに味方した場合は第一、第二いずれも自分の小さな勝利を感じながら、今まで通り存続する。ギャラクシアの建設には何世紀もかかるだろうから、今回の選択は「時間稼ぎ」。

 

確かめたい事がある、とトレヴァイズ。地球を訪れたい。
その理由を聞くドム。

コンピューターを使って、様々な関係者の思考に接触してみたが、それらの中にトランターの図書館から地球関係の資料が抹消された事件がある。
その事をガイアは知らない、と言うドムは「その問題を解決しなくてはならない」とトレヴァイズを送り出す。