アンフェア the end 2015年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

 

監督  佐藤嗣麻子
脚本  佐藤嗣麻子

 

キャスト
雪平夏見    篠原涼子
津島直紀    永山絢斗
式部将正    AKIRA
一条道孝    佐藤浩市
小久保祐二   阿部サダヲ
三上薫     加藤雅也
山路哲夫    寺島進
特捜部長    吉田鋼太郎
雪平美央    向井地美音

(村上克明)    山田孝之
(佐藤和夫)    香川照之

 

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=0hhubaJsENU

 

感想
放映前に前2シリーズのTV放送があり、2作目の方を観たものだから「やっぱり観よか」となった。
リアクォーターながら、雪平の美乳の形がハッキリと判り、ボーナス映像としてはかなりのもの。

それはおいといて。

警察からの脱出、という設定は前作とカブっている様なところもあり、ちょっと安易かな?
AKIRA演ずる式部。もともとクールな設定だから話し方も地味でいいんだけど、やっぱりダイコン役者。

24年間以上維持して来た裏の組織、という割りにショボすぎる感じが、なーんか侘しい。一条だって、24年も汚れ仕事やってりゃ、自分がトップになっていたってちっともおかしくない。
また元のトップを殺す指示をして自分がトップになるという式部、判り易すぎて何のヒネリもない。

それから津島にしても父親は既に自殺した後であり、名誉回復とはいえ、そこまでの犠牲を払ってやる気になるタスクだとは到底思えない。
こういう基本設定のところで違和感があると、どうしても雪平に対しても感情移入しにくい。

ただ「アンフェア」シリーズとしての締めくくりと考えた時、まあ妥当なところかな、とも思った。
続編ないよね?ね?

 

あらすじ  (怒涛のネタバレです)
安ホテル。カメラがゆっくりパンしてシャワールームへ。裸の雪平の斜め後ろ姿。左肩を押えている。床を流れる水には血が混ざっていた。

ビルの中の巨大なコンピュータルーム。データを抜き出して持ち出す若者の姿があった。

警察内部の秘密をただ1人握った雪平。データをマイクロSDに入れ、それをネックレスにしてPCは処分した。だが単に公開しただけでは一過性の騒ぎで終わってしまう。信頼のおける人物を見つけられずにいた。

 

雪平を呼び出した男、最高検察庁監察指導部の検察官である式部将正。警察内部にはびこっている闇の組織を追っているという。雪平に何か知っていないかと聞くが、知らないと答える雪平。

 

そんな時、前回協力者を装って雪平のデータを奪った村上克明がビルから転落して死亡。他殺だった。その父親である村上成明も何者かに殺されていた。そんな時、雪平の前に現れた一条。自殺の報道は偽装だった。
捜査線上に引っ掛かり、取調べのため署に連れて来られた先ほどの若者、津島直紀。だが雪平に会うまでは何も話さないと言って黙秘。
取調べに入る雪平。隣室の署員を下がらせ、2人だけになった時、津島は自分の会社の部署で、市場のあらゆるデータ収集をする中に、警察の不正に関わる秘密の情報を見つけたという。津島が捕まる原因になった防犯カメラの映像はプロが偽造したものだと言った。

津島の話の裏を取るため、映像データを偽造したというスタジオに行くが、そこはもぬけのカラで家財一切がない。この家の契約アンペア数は225Aもあり、部屋の管理担当者に問い質すがトボけていた。近所で洗車していた男に聞くと、その家は数時間前に引っ越したという。

 

雪平の下に、津島が嘔吐して病院に運ばれたとの連絡。
その後点滴を受けている津島を残し、関係者が少し目を離したスキに津島が病室から消える。騒ぎの中病室で1人になった雪平は窓の外に声を掛け、窓裏に隠れていた津島を部屋に戻しでトイレに連れて行く。準備してあった着替えを着せて病院から脱出。

津島が接触しようとしていたジャーナリストの部屋へ行くと既に殺されており、もう1人いるという男のところへ行くと、その彼は襲われた直後だった。まだ死んでいない彼を助けようとした雪平に襲いかかる男。結局その男は雪平から奪った銃でそのジャーナリストを射殺して逃げた。

 

津島を連れて隠れ家までたどり着き、津島の持っていたデータを確認する雪平。津島の父はトラック運送をしていたが、白バイと事故を起こした際、こちらに過失がないのに警察のでっち上げで有罪にされ、1年半の実刑を受けてしまった。それを苦に父親は出所後自殺。津島は警察の不正に対して非常な怒りを抱いている。
今回、業務上で知った警察の不正を何としても公表するため、国外亡命まで考えていた。

 

津島を置いて更に調べを進めようとする雪平の前に現れる式部。事件の事について更に聞くが雪平は答えない。
それなら、と式部が合図すると、三上を筆頭に多数の警察官が。雪平に手錠を掛ける三上。「いつから裏切っていたんだ?」と聞く雪平に手錠のカギを握らせ、その直後警官を倒しながら雪平と共に車で脱出を図る三上。だが妨害の車に激突される。

 

雪平は気が付くと手足を鎖に繋がれていた。そこには式部と一条、それに両手を鎖に繋がれた三上が居た。
組織のトップだった村上親子の後釜に座ったのが式部だった。一条はその配下。式部は津島の居所を言わないと、警察の仲間を殺して行くと宣言。一条が三上に銃を向けた。三上は雪平を守るため、組織側に入っていたのだった。そんな三上の頭を一発で撃ち抜いた一条。
更に式部の指示で、山路が狙撃される画面が映し出される。それでも躊躇する雪平の前に、娘美央の映像が。追い詰められ、何でも言う事をきくという雪平。
そこで一条が、雪平の手で津島を殺させようと提案。

 

津島を匿っていた場所に行く雪平。何も疑いを持たない津島。娘の命を助けるためにお前を殺す、と言う雪平に、この情報を託すから、自分が死んだ後を引き継いでくれと頼む津島。
銃声が一発。雪平に付けていた盗聴器で聞いていた式部。だがその後、雪平と津島がそこから脱出。敵を倒しながら逃げる途中で、一条が助けに入り、車で3人は逃走。

 

一条の用意した隠れ家。娘の美央は一条がよそに匿っていた。別荘風の建物とキャンピングカー。
津島が、調査の途中で見つけたという旧い音声ファイルを雪平に渡した。それを聞いて涙を流す雪平。
津島の逃走用の支度を持って来た一条。一条に銃を向ける雪平。音声データは24年前、当時のトップから雪平の父親を殺すよう指示を受けていた一条の声。そしてそれ以降雪平の監視を続けよ、というのが一条への指令だった。
父の仇なのに、どうしても撃つことが出来ない雪平。静かに去って行く一条。

 

隠れ家に踏み込む警官たち。だがそこに雪平たちはいない。実は隣の家が隠れ家と見せかけており、踏み込んだ時の情報が入るように仕掛けてあった。脱出する二人。かつてのTVシリーズの決まり文句。
「雪平さんって、無駄に美人ですよね」「バカか、お前は」

エルドニア共和国への亡命を希望する津島に、雪平はその大使館に行く事を提案。大使館で身柄を保護されれば、その後の亡命も可能。大使館のあるピルに向かうが、式部らが先回りしていた。その時、津島が腹を撃たれた。

何とかエレベータに乗り込むが、追っ手は迫っている。式部らはエレベータの制御室も占拠し、二人を封じ込めようとしていた。途中から非常階段を昇る二人。
そこへ迫る追っ手。ジャーナリストを射殺し、山路の狙撃もやった男。追い付かれ、厳しい格闘の末、雪平は倒される。あわやというところを、山路の撃った弾で男は射殺された。山路は胸に入れていたライターのおかげで助かっていた。

 

追っ手は山路らに任せ、何とか大使館に辿り着く雪平と津島。職員に手続きを頼んだ後、雪平は、これも一緒に警察内部の告発として使ってくれ、とマイクロSDを渡す。すると津島が突然雪平に銃を向けた。津島はそもそも式部に指示されてこの作戦に関わっていた。式部が、父親の名誉回復をエサにして操っていたのだ。

雪平が射殺されようとするところで、一条が津島と刺し違える形で津島を撃ち、自分も絶命する。
肩を撃たれて倒れる雪平。

 

警察が掛け付けた時、そこに雪平の姿はなかった。

後日、外国のメディアから日本の警察に関する告発の番組放送。亡命した情報提供者によるものだとの説明。

オープニングに出ていた安ホテル。また雪平の裸体。今度は左肩の銃痕が見える、滲み出る血。