私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

原作 直島翔『テミスの不確かな法廷』
脚本 浜田秀哉

キャスト
前橋地裁第一支部
安堂清春(あんどう きよはる) - 松山ケンイチ 特例判事補
(幼少期:石塚陸翔
落合知佳(おちあい ちか) - 恒松祐里 先輩判事補
門倉茂(かどくら しげる) - 遠藤憲一 部長判事
八雲恭子(やくも きょうこ) - 山田真歩 主任書記官
荻原朝陽(おぎわら あさひ) - 葉山奨之 書記官

小野崎乃亜(おのざき のあ) - 鳴海唯 弁護士
古川真司(ふるかわ しんじ) - 山崎樹範 検察官
津村綾乃(つむら あやの) - 市川実日子 執行官
穂積英子(ほづみ えいこ) - 山本 未來 弁護士
山路薫子(やまじ かおるこ) - 和久井映見 精神科医
結城英俊(ゆうき ひでとし) - 小木茂光 安堂の父。
ゲストは各話の末尾に記載

感想
テミスとはギリシャ神話の法・掟の神。地検入口にあった。

弁護士記章にも、その天秤がデザインされている。


さて本編。
5話は単独の事件。処理の遅い安堂に業を煮やした落合が片付けた「アパート立ち退き」案件。住人のグエンがナイフで執行官の津村をケガさせた。その裏に隠れていた真相。
6~8話は、前半からもチラホラ出ていた「前橋一家殺人事件」
状況証拠と自白を頼りの死刑判決及び、異例に早いその執行。
その自白をさせたのが安堂の父 結城だった。父を追い詰める事になると分かっていても、真実を求める安堂。
直属の部下に殺された結城。まさに司法の闇。
ドラマは再審請求を認めるところまでで、その先については描いていないが、検察は即時抗告しないという含みを持たせた。

発達障害というハンデを抱えながら、むしろその集中力のおかげで「六法全書」を友とした安堂。
初めは反発するものの、次第に安堂の特性から来る粘り強さを好ましく思うようになる小野崎。落合も、ドライなだけのイヤな女だったのが、最後には安堂の良き理解者になった。
いいドラマだった。
オマケ

25年も前の映像を、どうやって再現するのかと興味深かったが、うまくCGで対応した。「運命のダイヤル」でハリソン・フォードに施したヤツと同じ。技術も進歩してるナー。





あらすじ
第5話「書証主義と人証主義」2/3放送
陶芸をしながら「前橋一家殺人事件」の二度目の再審請求の事を、安堂に話す山路。彼を心配しつつ山路の方がおかしい。

安堂に、処理件数の遅さを指摘する落合。八雲が、裁判官には書類重視の「書証主義」と尋問重視の「人証主義」があり、安堂は後者だと言った。

溜まった簡易裁判は自分がやると言った落合。


 

アパート立ち退きの強制執行に出向いた津村。裁判官は落合。ドアを叩いても返事がない。居留守だと言う家主に、解錠を指示する津村。住人のグエンは居た。ペットの無断飼育、夜間騒音等の理由を言う津村だが、そんなにひどい事はしていないと言う。


奥を覗くと少女がいた。また家主が騒ぐ。

「警察に連絡を」と津村が言うと、やめて下さいと言ってナイフを手にした。取り上げようとする津村。揉み合いになった。


病院に駆け付けた落合。幸い軽傷だったが、グエンと少女は逃げたという。ペットや騒音の件は大したことはなく、大家が大げさに言った可能性あり。根が深そうな案件を、誰かが機械的に処理したから・・・と嫌味を言う津村。反発する落合。


報道で、グエンと少女が捕まったと伝えられる。
裁判は合議制で行う、と勝手に仕切る落合。

第一回公判。
被告のグエン・バン・ホンは、刺した事は認めるが、少女の事は一切黙秘。検察 古川の説明では2年前からスーパーで働いていたが、半年前に傷害事件で罰金刑を受けた。その後別の職場で仕事をしていた。弁護士の小野崎が、1ケ月程前に腹痛の少女をグエンが病院に連れて行ったことが分かっていると言った。

この少女が誰であるかが分からないと、罪に問えない。
証拠を揃えた上で次回公判とする・・・

退院した津村が来て、気になる事があると言っていたと門倉が安堂に言う。会いに行った安堂。小野崎と古川もいた。警察から預かって来たグエンの持ち物に、小学生用の国語

 

練習帳があったが、途中から筆跡が変わっている。

少女に教えていた?あの少女は中一ぐらいに見えるのに。それから一冊のノート。やってみたいことが列記されている。

達成したら消し込み。グエンはベトナムに居る家族と、病気の妹の金を得るため日本に来た。だが妹は13歳で亡くなったという。あの現場でグエンが少女に「スワン」と言っていたと話す津村。スワンはベトナム語で「春」だと言う小野崎。
集中を始める安堂。「あのコ、どこかで見た記憶が」

保護先から少女が消えたとの報せ。小野崎がグエンに訊いたところでは、彼女が命を断つかも知れないとの事。驚く落合だが、津村らと共には行かず。「冷静。それとも冷酷?」と津村。

グエンが言った同郷の知人宅にもおらず、追い払われる小野崎。
そんな時、安堂に電話。落合が少女を保護したという。グエンが警察に逮捕された場所にいた。向かう安堂、小野崎、津村。


グエンが捕まった時のニュース映像で、落としたペンダントを取ろうとしていたと言った落合。グエンのノートに「いつかペンダントなしていられるようになりたい」との一文があり、彼女にとってどうしても必要なものだと推察した・・・


安堂が少女に近づき「きすぎはるさん」と呼びかけた。戸惑いながらもパトカーに乗り込む少女。
事務所に戻って説明する安堂。門倉が読んでいた新聞にあった似顔絵と「春」という名。行方不明少女の捜索告知。



少女が収容されている場に出向き、事情を聞く関係者。

静岡で母、祖母と暮らしていた。父親は不明。そして少女の出生届が出されていなかった。状況から判断すると、学校にも行けず、認知症の祖母の介護をさせられていた。

祖母の年金頼りの生活。近所の者は見て見ぬ振り。1年前に祖母が他界し、母親のスナックで雑用をされられていた。3ケ月前、母親は自宅で死亡。誰かと争い、頭部を強打して死んだとの推定。事情を聞くが、一切話さない少女。

落合が少女に声をかける。重い荷物は誰かに持ってもらう。助けてと、声を上げてください。あなたの「助けて」はグエンさんを助けることになるのでは?
安堂が、側溝に落ちていたと言ってペンダントを持って来た。
「あ、お守り」と初めて少女が声を上げた。
中から錠剤が出て来る。死にたくなったら使えばいいと言ってグエンがくれたと言う。突然口に入れる安堂。皆が驚く。


「これはラムネです」と言って飲み込んだ。

第二回公判。
来生春として証言する少女。3ケ月前、家から逃げようとして揉み合いになり、母が倒れた。

そのまま逃げたが、報道で母の死を知った。鉄橋から飛び降りようとしたのを止めたのがグエン。


全部グエンに話したらペンダントをくれた。
そして、ここをあなたの居場所に使って下さいと言われた。


春という名が嫌だと言ったら、スワンという新しい名をくれて、字も教えてくれた。そしてノートに、やってみたいことを書こうと言ってくれた。
「お願いします。グエンを助けてください」と頭を下げる春。

グエンの証言。混乱して人を傷付けたと言い津村に頭を下げた。

春の居る施設を訪れる津村と落合。戸籍取得出来た春。
津村はあの「やりたいことノート」を渡した。
 

グエンの判決が出たという。懲役1年6月。執行猶予はなしだと答えた落合。懲役を終えた後は本国へ強制送還となる。
「私、グエンに必ず会いに行く」と言う春。
そして、ペンダントに補充する錠剤を渡す落合。


「生きることを諦めないでください」
「これ、ラムネですか?」「その件に関しては、黙秘します」
春が笑った。


帰り道、互いに苦手だったと言い合う津村と落合。

前橋地裁の前で、再審請求受理の報道を伝えるキャスター。


坂東智康、美里(妻)、直哉(長男)、遥(長女)が惨殺された事件。事件の半年後逮捕された秋葉一馬は、自供したものの、その後は否認。だが死刑判決が下され、家族の再審準備中に、判決後7年という速さで死刑か執行された。死刑執行後に再審請求が受理された例はない。安堂の父 結城英俊を訪ねる山路薫子。

 
「お久しぶりですね」と言う結城。
前橋地裁は穂積の出す再審請求を受理した。


ゲスト
グエン・バン・ホン - ジュリウス
来生春(きすぎ はる) - 石田莉子
来生弥生(きすぎやよい) - 和田光沙 春の母


第6話「再審請求審」2/24放送
35年前を思い出す結城。それは安堂清春誕生の場面。

祝福されて生まれた。清春と命名した結城。


 

TVを消した結城は、山路薫子に向き合う。「お久しぶりですね」


「償う時が来たようですね」との薫子の言葉に笑う。
「安堂君を失望させないで下さい」と言う薫子に、真実に目をそむけるつもりはない、自分の責務を全うすると返す結城。

検察側、弁護側と打ち合わせを行う裁判所の門倉、落合、安藤。


改めて事件の要点を話す小野崎。事件の3ケ月前に妻 幸子を事故で亡くした、犯人の秋葉一馬。その原因を作ったのが被害者の長男 直哉。当時10歳。幸子の自転車ブレーキのワイヤーを切断。

同級生をいじめているのを幸子に注意され、仕返しを企てた。
それが原因で幸子は車に撥ねられ死亡。直哉は罰せられず。
それから坂東家を執拗に責め続けた秋葉一馬。


事件当日、本人は自宅で娘と居たと主張したが認められず、逮捕・起訴された。近隣住民の目撃証言、家から指紋も出た。
今回、そのアリバイを証明する証拠が見つかった。それは秋葉が娘を写したVHSテープ。娘の誕生日前日のもの。娘の吉沢亜紀の誕生日は4月13日。事件はその前日に起き、このテープは事件当日のもの。映像に映った時計の時刻は当時不明だったが、最新の解像プログラムにかけた結果、20:07だった事が判明。

これが事件当時秋葉一馬が自宅に居た証拠。古川が反論。当時秋葉一馬は仕事も辞めて坂東家につきまとい、精神状態が疑わしかった。娘の誕生日についても誤りだったかも、と言った。
警察、検察は虚偽と決め付け、20:07に自宅に居て犯行可能だったのかの検証もしていないと追及する小野崎と門倉は、証拠となるテープの提出を古川に求めた。
「しかるべく」と返す古川だが、彼は自白したんだと言った。
それに対しては、捜査に当たった結城英俊 現次長検事の自白強要が指摘されていると言う穂積。古川が更に言い返す。
安堂が、再審請求審を辞退したいと言い出した。結城英俊は自分の父だという。唖然とする皆。

安堂が父と過ごしたのは12年と84日間。
父と公園に行った清春。他に気をとられてすく転ぶ。キャッチポールも出来ない。公園の池にも足を踏み入れてしまう。
学校でも皆と協調できない、と夫婦で担任に呼び出される。


家での食事も、ケチャップなしでは食べられない。叱る父。
「どうして皆と同じにできない」と言う父は、お前の躾が出来ていないからだと妻を責めた。耳を押さえる清春。
25年。前橋地検 第一支部へ応援に入った結城英俊。「前橋一家殺人事件」の犯人 秋葉一馬を落とすことを、部長の柏木隆司から期待されている。

最高検察庁内で、前橋事件再審請求の件が話される。幹部らの会話に呼び出される古川。結城から問われて、秋葉が犯人で間違いありません!と断言した。そう判断して死刑執行したんですよね?「そうだ」と言う結城。
 

25年前。秋葉の尋問を続ける結城。妻や娘の事を持ち出して、じわじわと追い詰めて行く。そしてとうとう自白を引き出した。


握手して結城に感謝する柏木に「警察が掴んだ証拠・供述に間違いはありませんね?」と結城。「当たり前だろ」と柏木。


そんな折り警察から、妻が車で清春を轢いたとの連絡が。
怪我以外にもつねられた痕があり、虐待を疑う民生委員。
眠っている清春を前に言い合う夫婦。だが眠っていなかった。

安堂の申し出に弁護、検察いずれも関わっていいと回答。だが落合は反対。もしマスコミが知ったら書き立てられる。


請求人による陳述希望を許す門倉だが、穂積は更に、その陳述をマスコミに公開したいと言った。権力は監視されるべき。
それを受けた古川。落合は反対するが、門倉が支持した。
メディアに顔を晒してでも訴えたいという請求人の思いを評価。

23年前。清春に、父と母が離婚する事になったと告げる結城。


父の引っ越し荷物の中から日記を見つけた清春。
そこに書かれていた「まるで宇宙人」「ボクは、宇宙人?」


薫子に相談しに行く安堂。以前は週一程度だったのが、今はほぼ毎日ケガをするという。忘れ物も増えた。前橋事件に関わる事を発端に、父の事が頻繁に頭をよぎるという。


母は薫子に出会って、彼の事が躾のせいでないと初めて知り、心から安堵したと話す安堂。
安堂に出会う前に結城と会っていたと話す薫子。最初に秋葉一馬の精神鑑定をしたのは薫子だった。それを受け取った結城。


精神に異常は見られず、刑事責任能力があるとの鑑定。起訴に持ち込めると感謝する結城に、補足事項として自白が、長期間勾留による拘禁反応が原因の可能性が高いと付記していた。


薫子の鑑定は採用されず、帝京大の小松原教授の鑑定が採用されたと知る薫子。その鑑定では拘禁反応を否定。権威者の判定。
今回は、協力出来ることは何だってすると言った薫子。

請求人 吉沢亜紀による陳述の日。冒頭2分のみメディアに公開。
そして陳述が始まる。父の記憶はほとんどない。祖父母からは、父病気だと言われていた。それが6歳になった頃、刑務所に居ると知らされた。死刑判決を受けた後、亜紀に会いたがっていると告げる祖父。自分なりに図書館で時間を調べた亜紀。父が怖くて会えなかった。父の死刑が執行され、祖父母が一度目の再審請求をした時も、関係ないと避けた。だが結婚し、子を授かって我が子を抱いた時、父の記憶が溢れて来た。父の腕の温もり。
それで父の遺品からテープを見つけ出し、再生した。全部思い出した。4歳の誕生日の時、父が警察に連れて行かれ、お祝いをやってもらえなかった。誕生日前日に父と居た、と警察にも言った。今回の、二度目の再審請求を家族に止められたが、生まれて来た息子に、父の事をちゃんと話したい。父はやってない。私はそれを知っている。警察にある証拠を出して下さい・・・



マスコミが騒ぐ中、結城に証拠のテープが警察に残っていると報告に来た古川。「もしそんな証拠が出て来たらどうする。我々は法を信じ、法を以って向き合うのが使命だ」と話す結城。


前橋地裁に対し、証拠のテープは「不見当」だと回答した検察。
検察が良く使う、便利な言葉だと亜紀に説明する小野崎。

結城に会いに行った安堂。検察は、あなたはどうして「不見当」などという対応を取るのか、その答えは?「分からない事を分かっていないと、分からない事は分かりません」
「僕は再審請求審に加わり、25年前に何があったのか、必ず明らかにします」


ゲスト
秋葉一馬 - 足立智充 殺人事件で処刑された男性
吉沢亜紀 - 齋藤飛鳥 秋葉の娘
坂東智康 - 鳥谷宏之 前橋殺人事件の被害者
坂東直哉 - 與那覇琉生 坂東智康の長男


第7話「裁判所主導の職権主義」3/3放送
「それでいい」と言う結城。顔の絆創膏を見て「まだ転んでいるのか。前を向いて、歩くんだぞ」と言って去った。



屋上でケチャップをサンドしたパンを食べる安堂に、妻の書いたオニオンスープのレシピを渡す古川。

妻も偏食で悩んでいたが、これは飲めたという。
 

会議の席で責められる古川。テープが不見当だった事についての弁明を鼻で笑う小野崎。本部から来た応援が古川の知らないところで隠したのでは?とまで言う。「結城さんはそんな事をしない!」と返す古川。だが見つかるまでは話が進まない。
証拠が見つからなければ再審請求が認められない、と言う門倉。
再審請求は通常の裁判とは違うと訴える穂積に、裁判所主導で新たな証拠を見つける、と乗ってしまう門倉。だが珍しく落合が同意した。驚いて彼女を見る門倉と安堂。



目撃証言の信ぴょう性について言及する小野崎。犯行時刻の夜8時に、それが視認出来たかどうかの検証を進める事にした。
報道された事で、百件以上の情報が来たと言う安堂は、その中の1通に注目。地域防犯に携わっていた、羽鳥朋世さんの死を悔やむタウンニュース。事件と無関係なのが却って気になる。


それも含め、皆で手分けして取り組むことに。

タウンニュースに出ていた羽鳥朋世の父 羽鳥賢一を訪れる安堂と小野崎。当時警察に再捜査を訴えていたが、受け入れられなかったという。娘の住まいを借り続け、現場を保全していると言った「娘は殺されたと思っています」

夜、目撃現場に集まる門倉たち。背格好の近い二人を使って当時の服と帽子を身に着けさせ。目撃したという距離から確認。


歩かせて、人相の違いが分かるか問うと、門倉と古川は異なる人の名を挙げた。実は同じ人間を歩かせていた。
近隣住民は、秋葉一馬が被害者宅に押しかけていたのを常に観ており、服装のイメージだけで証言した可能性がある。
また、証言者への聞き込みで回答拒否されたが、家族の話では秋葉一馬みたいだったというのが、いつの間にか「秋葉一馬を観た」とされて行ったと話したという。
缶コーヒーを飲みながら門倉と話す古川。彼が子供の頃バス運転手だった父が、事故を起こして亡くなった。持病があったのを隠して勤務していたため、会社は責任を押し付けたが、結城が整備不良を突き止めて汚名を晴らしてくれたという。彼に憧れて検察官になった。不正をする筈がないと言う古川。


現場を通る塾帰りの子供に声をかける門倉。「昔から、この辺りに塾ってあった?」

羽鳥が借り続けているマンションを訪れる、安堂と小野崎。

娘はセキュリティ会社から、サイバー防衛の仕事を請け負っていたという。特殊詐欺の啓蒙活動にも力を入れていた。

転倒していたのは浴室。血を拭き取った以外は、全ての物の配置は変えていないという。斜めのテーブルに、転がった桶。



そして娘が使っていたエンジ色のタブレットが見つからないと言う羽鳥。戻りながら、羽鳥の思い込みかも、と感じる小野崎。

被害者 坂東智康の交友関係を現す名刺のファイルで何か気付いた落合は、執行官の津村に食事がてら質問する。港区の不動産会社社長 辰巳俊樹の名刺の事を訊いた。名刺の裏に会った日付けの1999年4月9日が記載されていた。事件の1年前。カニ料理とバーターに情報を出す津村は、25年前の港区は大規模な再開発が行われたと言い、調査を約束した。



「パロマ」で相変わらず事件に没頭していた安堂だが、古川からもらったメモを渡して「オニオンスープ」を作るよう頼んだ。
出来たスープを恐る恐る飲む安藤。飲めた!
そこに小野崎が新情報を持って来る。市の主催する特殊詐欺の講習でも、エンジ色のタブレットを羽鳥朋世が使っていたと市の職員が覚えていた。死の寸前まで使っていたものが行方不明。


調査の中間会議で落合が、例の名刺の調査結果を示す。当時この場所に坂東智康が、両親から譲り受けた土地を持っており、売却を打診されていたという。事件後その土地は親族が相続して売却されたという。
目撃証言について話す門倉。新証言を掴んだという。事故現場近くに老舗の塾があり、過去の塾生を調べた結果、当時秋葉一馬らしき人を見たという小学生がいた。だがその男の首筋には大きなアザがあったという。秋葉一馬の首にはアザはない。子供から聞いて、親が警察に言ったが、子供の証言だと不採用にされた。
「証拠として不十分」と抵抗する古川。同意する門倉。
その時、何かに閃く安藤。

羽鳥朋世が住んでいたマンションに行き、テーブルの上に桶を置いて、小野崎にそこに乗り上の点検口を開けてみてと頼む安堂。
その蓋の裏にタブレットがあった。娘のものだと言う羽鳥。


そのファイルの中に、防犯コンサルタント 木内晴彦の情報があり、彼が講師となった講習会の動画も残されていた。


もう一つ動画があった。その木内が女性のあとをつけている。


会議でこれを報告する小野崎。相手の女性は講習会を受けており、その後強盗に入られ、未解決のまま。講習会に参加した他の人も強盗に遭っていた。木内晴彦は、防犯コンサルタントを装い、受講者の情報を得たうえで強盗をしていたたと言う安堂。
羽鳥朋世はその事実を知り、講習会参加者のうち2名が被害に遭っている事を突き止めた。それを見られて慌てて自宅に戻り、タブレットを隠そうとして転倒し頭を打った・・・
この件を警察に言い、木内は任意で調べられているという。
だが前橋一家殺人事件との接点が分からない、と落合。
その時安堂が、止められた木内の動画に近寄り「拡大して下さい」と頼んだ。彼の首筋には大きなアザがあった。



その話を結城に報告する古川。驚かず退席しようとする結城に
「本当のことを話して下さい」と言った古川。

食い下がる古川を制する部下。


「子供が生まれるんだろう、賢明な選択をしなさい」と言って部屋を出た結城。
羽鳥に報告する小野崎と安堂。「本当の事が知れて良かった」


帰り道「25年前の真実は、司法の根本を大きく揺るがしかねない。もう誰も司法なんて信用しなくなる」と言う小野崎。



山路に、結城から電話。直接会って話したいとのこと。
待ち合わせたホテルのロビーに言った山路だが、結城は来ない。
地下駐車場で結城に電話をかける山路。出ない。だが近くで着信音が聞こえる。音を頼りに近づくと、男が倒れていた。


ハッとする山路。


大量のタマネギを刻んでスープを作ろうとしていた安堂。
山路からの電話を受ける。
警察に駆け付け、父の遺体と対面した安堂。


ゲスト
羽鳥賢一 - 田辺誠一
羽鳥朋世 - 清水くるみ 事故で死んだ女性
木内晴彦 - 矢柴俊博 コンサルタント


第8話「向き合う覚悟」3/10放送
父の遺体と対面する安堂。

犯人が自首したと知らせる係官。

ニュース報道。最高検察庁検事 前田道隆が自首し逮捕された。

それを見る門倉たち。


「一体何が起こってるんですか?」と訊く原告の吉沢亜紀。

 

例の前橋一家裁判した打合せの場に現れる安堂。3日休んだだけ。大丈夫なんですか?の問いに「大丈夫ではありません」


一般的な親子ほどの関わりはなかったが、強い感情がある。何があったか知りたい。なぜ父は死ななくてはならなかったのか。


事件について話す荻原と八雲。犯人の前田は結城の部下。公表レベルでは仕事上のいさかい。

前田は幹部候補生だったと言う古川。「それなのになんで・・」


結城が亡くなる前「やすらぎケアホーム川崎」と「セントレーブホテル」に言った事が手帳から判明。ホテルは山路に会うため。


詐欺容疑で調べられている木内晴彦。警察では25年前の事では調べていない様子。皆で手分けして調査を再開。


安堂と行動を共にする小野崎。ケアホームに入っているのは25年前、父の前橋時代の上司 柏木隆司だろうと言う安堂。


どんなお父さんでしたかと聞かれ、否定され続けて来たと返す安堂。父に認められた事が一度もない。質問を謝る小野崎。

坂東の土地があったビル街付近を巡る津村と落合。タネ地だったと言う津村。将来的に価値が飛躍的に上がる土地のこと。


坂東だけが土地売却を拒否していたという。

「ユウヒ警備」に出向き、木内晴彦とコンサル契約を結んだ時の紹介者を聞く門倉と穂積、古川。警察から捜査が終わるまで秘匿する様に言われていると答える担当役員に、再審請求審の裁判官には証拠調べの権限があると言う門倉。強制処分が出来ると言って、既に落合、安堂の印が押された書類に押印して、強制執行の書類を見せる門倉。驚愕する担当役員。

そこに古川への電話。顔色が変わる。

坂東が持っていた不動産業者「辰巳俊樹」を良く知る人物 開発部長の香川博嗣を訪ねる津村と落合。

そこにやって来た門倉たち。

「点と点が繋がったんじゃないですか」と津村。

ケアホームで柏木隆司を訪ねる安堂と小野崎。付き添っていた弟の柏木浩平が相手をした。その日確かに結城が来たと言う。
兄は認知症で、話しても伝わらないのに語りかけていた。


ずいぶん昔に、結城が兄を訪ねて来た事を覚えていた。ただならぬ様子だったという。「・・一生この罪から逃れられない・・」


「こんな事が知れたら司法は終わる・・・」と結城の言葉。
その後兄は検察を辞めて自宅に引きこもった。話そうとせず。
言い争ったのは2008年。次女が生まれた年。良く覚えている。
それは秋葉の死刑が執行された翌年。

調査結果を整理する門倉。

木内晴彦と辰巳俊樹は同一人物。本名は多和田満。偽名を使い分けて違法スレスレの仕事をしていた。
坂東と土地交渉を行っていたのも多和田。土地売却を断られ、多和田は追い込まれていた。そして2000年、殺人事件が起きた。
そして2007年、秋葉の死刑が執行された。2008年、多和田は強盗致傷で逮捕されたが不起訴処分。
その時、父は真実を知ったと思うと言う安堂。前橋事件の現場には不明指紋が多数あり、それが多和田のものと一致した。
「司法が、無実の人を殺した」
真実はごく少数の者しか知らなかった。そして声を上げるか沈黙するかの選択を迫られた。小野崎が続ける。結城さんは沈黙を選んだが、多和田の再犯を防ぐため、定期的に調べていた。そして彼がまたしても罪を犯している事を知った。
タウンニュースの匿名情報は、父が出したと思うと言う安堂。
「真実を明かす覚悟を決めたんだと思います」
古川は結城に、子供が生まれる事を訊かれ「賢明な選択をしなさい」と言われたという。何が賢明なのか分からない・・・
以上の結果を以って、裁判所で決議を取ると言った門倉。

司法の一歩を変えると言ったが、ハードルは高いと言う門倉。
検察は即時抗告するだろう。高裁、最高裁で棄却されて初めて再審請求が叶う。ヘタしたら30年かかる。
三人で決議を取る。落合、次いで安堂が手を上げた。

そして最後に門倉も。

詳しい決定書を作り、当日には報道、一般も集める。

2週間後。
レポーターが裁判所前でマイクを持つ。多くの人が集まる。


日本では、死刑執行された事件の再審が認められた事はない。
裁判所の前で安堂に言う小野崎。結城さんはあの手紙で安堂さんに託した。裁判官として求めていた証拠・・・

そして裁判が始まった。

今回再審請求について、各裁判官の意見が述べられる。
まず落合。当時の司法の不備を痛感。真実を明らかにすべき。

次いで安堂。自身の発達障害を告白。13歳になって自分の病気を知った時、安堵と共に何故自分が?との思いに捉われた。
そんな時に六法全書を知った。生きていくための教科書だと思った。皆の普通を守る仕事に興味を持った。自分の特性を隠して裁判官を続けて来た。迷いながら続けている。司法の携わる者の共通の思いは「正しいことをしたい」
今回の事件は警察、検察、裁判所、誰もが正しくあろうとした。
ただ、個人の倫理観は組織の都合で塗り潰されてしまう。
司法が無実の人を殺した。それは真犯人を野に放ったという事。
司法が犯した罪が怖くて仕方がない。だが、真実から目を背けていいのだろうか。何が本当の事か分からなくなる。
分からない事を分かっていないと、分からない事は分からない。
何があったのか明らかにしないといけない。信頼を取り戻すために、信頼を失墜させる覚悟を持たないといけない。起きてしまった事は変えられない。そこから始めるしかないんです。

締め括る門倉。再審請求は、開かずの扉であってはいけない。救済の扉でなくてはいけない。今回「再審開始」で一致した。


起きてしまったことに真摯に向き合う覚悟。
そして、原告を前に審理結果が読み上げられる。



裁判が終わり、皆の前で話す安堂。今まで自分の特性を隠して来たが、法廷では言えた。法廷で嘘をつきたくなかったから。
それは個性だと言う門倉。皆どこかで普通ではないと言う落合。
いつの日か、特性を個性だと言い切れる様になりたい・・・
「なんで私は泣いてるんでしょうか?」


「全てを話して、ホッとしたからではないですか」と落合。
そしてポロポロと泣き出す安堂。皆が囲む。



判決のその後を伝える報道。検察は、即時抗告はしない・・・


その事を結城の墓に伝える山路。

 

僕は任官して8年目の特例判事補。社会の約束事に則って、皆の争いを解決するため、適切な判断を下す。
この不確かな法廷から真実を浮かび上がらせる。皆の普通を守る。それが、僕の仕事だ。


ゲスト
柏木隆司 - 山崎一 前橋地検時代の結城の上司
柏木浩平 - 山中聡
香川博嗣 - 茂木丈志 不動産会社の部長