読書感想8 | 預言者のコラム2

預言者のコラム2

俗言ではなく、預言者の視点から哲学、
人生、宇宙、宗教、
時事問題などを語って行きます。


「銀杏坂」

再読:
松尾由美
中年の刑事が超自然なことの絡む事件を担当する連作短編。
幽霊が住むというアパートで起きた盗難事件、幽体離脱、念動力などの霊現象。
これらを信じない読者にはこの物語は、ラストで空想となり、信じる読者には真実となる。

私見ですが、私は女性作家に才能のある人が多いような気がします。
しかし宮部みゆきは近年、質が衰えていると感じます。作品が面白くないものが多い。
松尾由美は反対に、初期のものはあまり一貫性がないというか、読みにくいものが多かったのだけれど、後期、最近の作品の方が読みやすく、質も高くなっているように感じます。



「怪盗ルビイマーチンスン」
再読:
ヘンリー・スレッサー
これは私の愛読書で何回も読んだものです。最初に読んだのは出版された当時で、1977年代頃だったと思います。ヘンリースレッサーはあまり翻訳されておらず、作品自体も少ないかも知れません。
この作品はユーモアもので、ホームズ譚のように、語り部がルビイの話を紡ぐものです。
和田誠が映画化していますが、作品はいまいちですが、彼もこの作品に愛着を持ったのでしょう。

大変古い翻訳で、作品が書かれたのはさらに古いのですが、今読んでも笑えるものになっていると思います。



「アブラダと空飛ぶ絨毯」
再読:
ハウルと動く城の続編。直接はあまり関係のない物語。
独特の世界感を作っており、才能のある作家だと感じさせます。
~ここでも作者は女性です。ちなみに私は大昔の作家、イーディス・ネズビットをかっているのですが、彼女もまた女性。
芸術には女性の方に才能があるのかも知れません。

物語は、アラブのじゅうたん商人アブダラが連れ去られた恋人を追って冒険をする、というものです。
3部作の内、私はこれが一番好きです。