きまぐれ聖書講義9 サムエル記 | 預言者のコラム2

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レンブラントが描いたサムエルと母のハンナ



私がかつてNHKの宗教番組をチラッと見たところ、日本の神父さんが出ていて、「私はこのサムエル記が一番好きなんです」と言っていました。

私は「まあ、そうだろうね」と思ったものです。大変失礼ですが、私はこの神父さん~全ての神父さんを素人だと思っておりますので(その人の人格を見下しているのではなく、聖書の読み方という点について)、理解出来ました。

なぜなら、旧約聖書全体を通して、このサムエル記が一番読みやすいからです。

読みやすいという点では小さい「ヨナ書」などもありますが、旧約聖書というのは1つの文書としてはどれもこれも常人には難しく理解しがたいものばかりなのです。

創世記は荒唐無稽だし、モーセ4書はわけが分からない儀式だらけで、ヨシュア記は殺戮に満ちていて、イザヤ書もエレミヤ書もエゼキエルも詩や預言を挟み、あるいは系図が入ったり、一貫してすらすらと読めないようになっているのです。

その点、「サムエル記」は物語が一貫しています。
大河ドラマのようにドラマチックで、親子愛が描かれ、小説のように読むことが出来るのです。つまり、「一般人」向けなのです。

その内容は、

当時イスラエルにいた大祭司エリには息子がいたがどれもヤクザ者でどうしようもなく、養子として取った子サムエルが優秀で後のイスラエルの大祭司となる。
しかし当時イスラエルには王がいなかったので、長老たちがサムエルに王を立ててくれとせっつく。
サムエルはしかたなく霊力で王にふさわしい人物を探り出す。それがサウルだった。

そして公式に「くじ」で王が決められる時になる。
ここで面白いのがクジで王が決められるというところ。
では適当なのかというと、どうやら、当時の人々は霊力を使っていたらしいのです。
これは現代でもタロット占い師が使うような手段と似たようなものだろうと思います。

そしてこのような「占い」というものは、「ウリムとトンミム」としてもしばしば「サムエル記」に言及されるのです。

彼らは大事な政局を占いで決めていたわけです。
違ういい方をすれば、彼らは霊能力をしばしば利用していたということが出来るでしょう。

そして選ばれたサウルですが、やがて祭司サムエルの不評を買い、次期王が選出されます。
その王はサムエルが勝手に見い出しただけで、まだ正式に王に選ばれたわけではないのですが、選ばれたダビデは実際に後に王になります。

しかし、王になる前まだ子供?青年?だったダビデは巨人ゴリアテを投石器で殺したりして、既に国民に人気となっています。

その他ダビデの動向は波乱万丈で
たとえば、彼の息子アブサロムに王位を追われ、ダビデは愛する息子と戦闘することになり、息子を殺してしまうとか。
水浴をしている人妻に恋をし、夫である部下を意図的に戦場で死なせ、女を手にするとか。

ダビデは結構邪悪なこともしているのです。ゴリアテを殺した時には彼の首をはねたり。

また、手に入れた人妻から生まれたのが後に三代目の王ソロモンとなるのです。
このようなダビデの生涯を描いて「サムエル記」は終わります。

通常、このように読むのですが、そして私も最初は、この文書を単なる読み物だと思っていたのです。

しかし、サムエル記は壮大な仕掛けがしてあったのです。
大げさな言い方かもしれませんが、これも霊的視点から読むと違う物語を浮かび上がらせるのということなのです。

と、ここまで旧約聖書はただの読み物ではないということが、(私の視点からは)分かるわけです。
ただの教訓話や歴史書ではないということです。


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