眩しいくらいに明るい、丸い照明の下に私は運ばれ、
完全防護で身を包んだ医者や看護師に囲まれた。
「テレビで見たことのあるあの場所に自分がいるんだ」と思った。
「全身麻酔を行います。すぐ眠りますからね。」
と言われてからはもう記憶がない。
「終わりましたよ」と起こさた。
麻酔が効いているため、体の痛みは全く感じない。
でもこれが切れてくると同時に痛みとの戦いになるんだろうという覚悟はできた。
ICUなる特別室に入れてもらい、後は横になっているしかない。
手術どころか骨折もしたことのない私がいきなりICUとは、
飛び級し過ぎである(笑)。
夕方、威勢のいい若者が運ばれてきた。
顔を見ることはなかったが、20歳前後だろう。
「ちきしょう、いてー」とぶつぶついっている。
正直面倒なのが来たなと思った。
その子の担当になったのは男性看護師。
彼もぶっきらぼうな感じで、私はお世話になりたくないタイプだった。
でもそれが、この二人ぴったり息が合うのである。まるで兄弟のように。
もちろん男性看護師はいろいろ考えながら接しているのだろう。
そしてそのうち人生相談的な会話になっていった。
私は驚き、そして感動してしまった。
若者は正直で、一生懸命生きているんだ。
面倒な奴と思った自分を恥じた。
それにしても上司は適材適所に配置するものだと思った。
それで私の担当の方は女性看護師。
私の気持ちをすべて分かっているかのような対応、判断、気遣い
そして無駄のない所作にいたく感心させられた。
お陰様で、術後2日間それほど苦しむことなく、過ごすことができたと思います。
本当にありがとうございました。
そして3日目から普通病棟に移されました。
また続きます。