【不毛地帯】
トランプの一連の行動を見ていると、
『不毛地帯』で描かれた世界が、
時代を変えて再演されているように思える。
ただ一つ違うのは、
あの物語にはまだ
「これは不毛だったのではないか」と
立ち止まろうとする人間がいた、という点だ。
『不毛地帯』の男たちは、
資源を失った国の焦燥を背負い、
合理と国家の名のもとに、
自分の内側を削りながら前へ進んだ。
そこには少なくとも、
奪うことへの葛藤と、
引き返せなかった痛みがあった。
一方でトランプの振る舞いには、
その逡巡すらない。
石油は「取れるもの」、
国家は「取引相手」、
制裁は「道具」、
未来は「後で払えばいい代金」。
そこにあるのは、
資源を求める国家の悲哀ではなく、
自国の空洞を直視できない文明の傲慢だ。
『不毛地帯』が描いたのは、
奪いに行った末に、
何一つ手元に残らなかった国の姿だった。
だからこそ日本は、
敗北の後でようやく学んだ。
資源は奪うものではなく、
人間同士の信頼を
育てなければ生まれないということを。
だがトランプは、
その「後」を持たない。
歴史を反省ではなく屈辱としてしか捉えず、
奪わなかった過去を弱さと断じ、
再び掘削機を動かそうとする。
彼が向き合っているのは、
ベネズエラの地下ではない。
すでに意味を失いかけた
自国文明の内部だ。
信頼が枯れた文明ほど、
他国の地下に執着する。
そこに未来があると錯覚する。
だが『不毛地帯』が示した通り、
掘った先にあるのは、
次の繁栄ではなく、
さらに広がる不毛だけだ。
彼が掘り続ける限り、
文明は豊かになることはない。
ただ、崩壊の速度だけが上がっていく。
それはかつて日本が辿り、
二度と戻るまいと誓った道である。
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#資源を奪う文明
#震源は奪えない
#文明の末期症状
#掘削では未来は生まれない
#奪う政治育てない国家
#歴史は繰り返すが学ぶ者は少ない
#反省なき強さは衰退の兆し
#力の誇示は空洞の裏返し
#文明は内側から崩れる


























































