駄菓子屋で詐欺に遭った思い出 | マリアンヌのブログ

マリアンヌのブログ

忖度せず、正直にブログを書いています。
言葉は極力選んでおりますが、人によっては私のブログを見て不快に感じられることもあるかもしれません。
でも私は方針を変えるつもりは1ミリもありません。私の思うように、私の好きなように、このブログを書き続けていきます。

こんにちは。

 

私の人生を振り返りながら、昔の思い出をブログに書き残しています。

2回目の記事になる今回の思い出話は、私が小学生の頃に通っていた駄菓子屋で、詐欺に遭ったお話です。

 

私が小学3年生だった当時、近所に駄菓子屋がありました。

90歳近いお婆ちゃんが開いているお店で、駄菓子屋としての規模は小さいものの、品揃えがダントツに良かったので子供達に人気のお店となっていました。

 

具体的にどんな感じに品揃えが良かったのかというと、その駄菓子屋はちょっと長く奥まった感じの店内構造になっていて、入口のガラス戸を開けて店内に入ると、入り口近くのスペースにドラゴンボールのクジ当てゲテモノ人形のクジ当て本物の火薬玉を使ったオモチャのリボルバー銃ポケモンのシール引きスーパーボールのクジ当てといった、子供が絶対に欲しがるであろう玩具がドンピシャの位置に置いてあるんです。

 

そして、その玩具達の真横にはコーセー糸引き飴棒付き10円カルメ焼き10円チョコカステラ甘辛イカが鎮座しており、スーパーマーケットでは絶対に売っていない、駄菓子屋でしか入手できない物を最優先で入り口近くに置いてあったわけです。

そしてお店の奥まったスペースに行ったところでようやく、コーンポタージュスナックや練り飴、ポテトスナック、キャベツ太郎、玉葱さん太郎、もろこし輪太郎、酢だこさん太郎などのメジャー商品が置いてありました。

 

こんな感じで品揃えが抜群に良く、他の駄菓子屋と比べても圧倒的に人気のあるお店となっていました。

 

立地が良かったのも関係してると思います。

その駄菓子屋の横には大きな坂道があり、その坂道の先には小学校がありました。距離にして40メートルもありません。

そしてなんと、その小学校には当時約500人もの児童が通っていたんですよね。その小学校には私も通っていました。

まさに商売上手かつ、立地運にも恵まれた駄菓子屋であったといえます。

 

 

しかし……

 

悲しいかな……

 

私は小学3年生だった頃、その駄菓子屋で詐欺に遭ってしまいました。

 

その詐欺とは、クジ引きで大当たりの景品に該当するクジ紙が入っていなかったという詐欺です。

 

私は当時、ゲテモノ人形のクジ当てでどうしても欲しい人形があったんです。

 

それは3等の景品である、蜘蛛の巣をかたどった人形です。

 

そのクジ当ては1回30円でしたので、1日100円のお小遣いだった私は毎日3回引けたわけです。

私は何度も挑戦し続けました。

毎日きっちり3回引きながら(正確には10円余るので4回引ける日もあった)、お目当てである3等・蜘蛛の巣の人形を手に入れることを夢見ていました。

 

 

そして、ある日、信じがたいことが起こりました。

 

 

その日、私は幸運なことに臨時収入として約1,500円を手に入れることができました。

そのお金の使い道は、もちろん駄菓子屋のゲテモノ人形のクジ当て以外に考えられませんでした。

 

私は駄菓子屋へ直行し、1,500円という資金をもとに、残っているクジ紙を全部引いたのでした。

クジ紙の枚数にして20枚ちょっとでしょうか。

金額は600円~700円ほどを支払ったと思います。

 

そして当然のごとく、ゲテモノ人形のクジ当てのクジ紙はゼロになりました。

もうクジを引くことはできません。

 

しかし!

 

な、ななななな…なんと…

 

景品の置き場所には、1等から5等までの大当たりの人形が、すべて綺麗に残っていたんです。5体の人形が全部、です。

 

クジ紙がゼロなのに、どうして景品が残っているのか?

それも大当たりの5体の人形だけが。

 

このとき私は気が付きました。

 

駄菓子屋の店主であるお婆ちゃんが、大当たりが出ないように、大当たりに該当する番号クジを最初から入れていなかったという事実に。

 

まぁ、これはもう詐欺で確定ですよね。

当たりもしない景品を、当たると偽ってお客さんを騙していたわけですから。

 

もしかしたら店主のお婆ちゃんは、クジ紙が残り少なくなってきたら大当たりのクジ紙を加えようと思っていたのかもしれません。

しかし、この日、私が臨時収入のお金を使って20枚ちょっと残っていたクジ紙を一気に全部引いてしまったため、ついうっかり大当たりの景品を残したまま、お客さんの目の前でクジ紙が全部尽きるという大失態をおかしてしまったのだと推測しています。

 

クジ紙が無いのに、大当たりの人形が5体綺麗に残っているという異様な光景。

私は驚きとショックのあまり、沈黙。

目の前にいた店主のお婆ちゃんも、「(やらかしちまった…)」といわんばかりのバツの悪そうな顔で沈黙。

 

約30秒ほどの沈黙が続いたのち、店主のお婆ちゃんがようやく口を開き、こうほざきました。

 

 

「残ったこの人形(大当たりの景品)は、1個100円で販売だね」

 

 

私は、絶句しました。

 

心の中で「え?」と何度も呟きました。

 

そりゃ、そうでしょう。

店主のお婆ちゃんは当たりクジを入れないという詐欺行為がバレた状況下で、あろうことか、残った大当たりの人形を1個100円で販売するという卑劣な行為にでたわけです。

 

ただ、当時の私は9歳の子供。

9歳の子供に、お店の店主に抗議をする勇気なんてあるわけもなく、私は500円を払って、残った大当たりの人形5体をすべて購入しました。

不幸中の幸い(?)というべきか、臨時収入のお金が800円ほど残っていたので、その場で即購入することができました。

 

お目当ての蜘蛛の巣の人形は無事ゲットできたわけですが、気持ちとしては複雑ですよね。

店主のお婆ちゃんが詐欺行為をしていなければ、もっと早く蜘蛛の巣の人形が入手できていた可能性は極めて高かったといえるでしょう。

ちなみに、その他の大当たりの人形4体も一緒に購入した理由としては、クジを引いていない他のお客さんに大当たりが1個100円で買われるのは納得ができなかったというのがありました。

子供ながらに、お金を出して毎日クジを引き続けた意地というものがあったんですね。

 

でもね。

 

でも。

 

大人になった今になって私は思うわけです。

 

駄菓子屋の1回30円という安価なクジ引きで、世の中の厳しさを勉強できたのは、むしろ運が良かったのでは?と。

 

私は、信頼していた駄菓子屋からの裏切り行為を受けたその日から、その駄菓子屋の店主のお婆ちゃんはもちろん、お祭りのクジ屋台や、その他のお店のあらゆるクジ引きを信用しなくなりました。

そしてその影響から、大人になってからもギャンブル関係には一切手を出すことはありませんでした。

それは現在も続いていて、今も私はギャンブル・酒・タバコは一切やらない生活をしています(酒は仕事上の付き合いで呑むことはあります。個人的に酒を買うことはないという意味です)

 

 

ちなみにその駄菓子屋には、裏切りを受けたあともクジ引き以外の品を買うために約3年間通いました。

記事冒頭で説明したように品揃えだけは良かったので…。

店内で買い物をするとき、クジ引きを引いている他の子供を見ると、いつも「可哀想に…」と心の中で思っていたものです。

 

私は、その駄菓子屋のクジ引きが詐欺であることをそこら中に言いふらすような事はしませんでしたが、特に仲の良かった友人2人には教えました。

友人は2人ともショックを受けていたようですが、私が、大量のハズレ景品と1個100円で買った大当たり景品を見せたところ、2人とも私の話を信じてくれました。

友人達は「そういえば、俺もあの店で大当たりが出たことは一度もないな」「確かに」と言っていましたね。

 

私は当然のことながら、店主のお婆ちゃんのことは最後まで大嫌いなままでした。

 

「最後」とは。

 

まぁ…

 

その店主のお婆ちゃんは、私が中学生になってすぐに他界したんですよね。

そして、その駄菓子屋も閉店という結末を迎えました。

 

その駄菓子屋があった建物は現在も残っていますが、入り口はシャッターが閉まったままとなっています。

 

まぁ、こういう苦い経験もまた思い出といえるんでしょうね、きっと。

 

これにて、私が子供の頃に駄菓子屋で詐欺に遭ったお話は終わりとなります。

 

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!

では、また!