こんにちは。
今回は、私が通っていた定時制高校(夜間高校)の授業内容についてお話したいと思います。
科目は、国語、数学、英語、現代社会、化学、簿記、情報処理、体育、美術、音楽、保健体育がありました。
美術と音楽は、3年次に生徒が「美術、音楽、数学」の三つの科目から一つを選んで受ける形となります。私は美術を選択しました。
科目だけ見ると全日制と変わらないように思えますが、授業内容は大きく異なります。
授業の難易度がおそろしく低いんです。
1年生の最初の数学の授業にて、数学担当のK先生は信じられないことを口にします。
「私の授業では教科書とノートは一切使用しません。私が作成したプリントだけを使って授業を行います。解答もプリントに書いて提出して下さいね」
嘘じゃないですよ!
本当なんですってば!(笑)
マジで1年間全く教科書とノートは使用せず、プリントだけで数学の授業を受けました。
そして、そのプリントによる数学の授業内容もおそろしくレベルが低い。
実際、1年生の数学の最初の中間考査では「1+2」「3+4」「2×3」「4÷2」という問題が出ました。
私は最初、この小学校低学年レベルの問題を前にして「何か特殊な解き方があるのでは?問題文をもっとよく読まなくては!」と思い、問題文を5回は読み直しました。
しかし、問題文はただ普通に解答するように指示があるだけ。
さすがに最後のほうになると高校レベルの問題もあり、さすがに100点とはいきませんでしたが、90点台で終えることができました。
ちなみに足し算・引き算・掛け算・割り算の問題を正解するだけで、赤点ラインの30点以上は取れるようになっていましたので、そこは先生なりの優しさなんでしょうね。
定時制高校の授業内容が易しい理由は、もう一つあります。
それは生徒の皆さんが、昼間働いているために疲れているということ。
5~6時間、7時間働いてる生徒もいて、それも社会人と同じ出勤頻度です。
週に数日という生徒も少しはいましたが、ほとんどの生徒は毎日仕事をしていました。
疲労といっても部活動などのそれとは違い、あくまで「仕事」なので精神的な摩耗も結構なものです。
私自身も、働いてるスーパーマーケットでクレーマー気質のお客さんの相手をしたりで、それなりにストレス溜めて学校へ行く日もありました。
そういうのもあって、やはり生徒の皆さんも疲れが顔に出てる方が多かったです。
学校側としても、疲れた頭でも無理なく覚えてもらえる難易度で授業を受けさせるほうが良いだろうと判断していたのだと思います。
定時制の先生に優しい方が多いのも、そういう理由です。
授業を意図的に妨害する悪質な行為は論外ですが、仕事での疲れが影響して授業中にボーっとしてしまったりウトウトしてしまっても、大抵の先生はそっと見守る形で授業を進めていました。
さすがに生徒が眠ってしまった場合は起こしに行ってましたけどね。
まぁ眠くもなりますよ。給食食べて満腹になったあとですしね。
しかし、定時制生活の中で一度だけ、とある事件(?)が起きました。
それは当時26歳だった若い男性教師が担当した「情報処理」の中間考査のときに起こりました。
その若い男性教師は、その年に初めて定時制高校を受け持った先生でした。
教師としては4年間の経験があったものの、その4年間は全日制高校を担当していたため、「定時制高校での特殊な生徒事情」というものを全く知らない先生でした。
そのため情報処理の最初の中間考査で、その若い先生は全日制高校と全く同じレベルの問題でテストを作ってしまったわけです。
問題自体は全部で20問で1問5点という内容になっていましたが、クラスの半分が赤点になるという大惨事が起きました(汗)
ただ、問題自体は普通の高校レベルの難易度なので、私と一人の女子生徒は100点、その他数人も80~90点ほどでパスしましたが、極度に勉強ができない子達はお手上げ状態だったようです。
選択問題は1問も無く、問題のすべてが答えを正確に書き記していく内容でした。
もちろん担当の先生は1ミリも悪くないのですが、さすがに先生も「定時制高校の事情」というものを理解したのか、次のテストからはガクンと難易度の下がったものになりました。
ちなみに別記事「定時制高校について【2】」で、目をキラキラさせながら私に缶コーラを奢ってくれた若い先生が、まさにこの先生です。
缶コーラを奢ってくれたからってわけではありませんが、私はこの先生のこと好きでしたよ。
体育の授業ももちろんあります。
仕事疲れの生徒さんにとっては、気分転換になって良い派と、さらに疲れが溜まって地獄派の二つのタイプがいました(笑)
私は前者のほうで、わりと楽しく体育の授業を受けていました。
定時制高校の体育は、全日制高校の体育館を借りて行われます。
※夜間高校といっても夜間高校専用の校舎があるわけではなく、全日制高校の校舎や教室を夜になってから借りる形となります。なので化学や美術、音楽などの授業も全日制と同じ教室で受けます。ただ、職員室だけは全日制と定時制とで分かれています。
体育ではバドミントンやバスケ、フットサルなどのスポーツを中心に運動を習いました。
バドミントンは正直、あまり好きになれませんでした。
バスケやフットサルは仲間との連携があってノリでなんとかできますが、バドミントンは1対1なので個人の実力差が顕著になります。運動神経があまり良くない私は、女子相手でも負け続きでした(^‐^;)
ちなみに一回だけ、卓球の授業がありました。
これが生徒全員に大不評!
バドミントン、バスケ、フットサルと違い、卓球ってどうもクセが強くて未経験の人だと授業でいきなりやらされてもほとんど何もできないんですよね。
体育の先生もその大不評な空気を察したのか、卓球の授業はその1回きりで終わりました。
卓球部の人、卓球好きな人、ごめんなさい!
決して卓球自体をディスってるわけじゃなく、それを体育の授業でやるのに無理があるという話をしてるだけなので誤解なさらないで下さい。
それで信じられんことに、なんと定時制高校にも部活があります…
バドミントン部とバスケ部です。
夜の9時に全ての授業が終わり、そこから校舎が閉まるまでの30分ほどが部活動の時間です。
とはいっても全日制のように大会を目指して活動するわけでもなく、ほとんど趣味のサークルみたいな内容になっていました。
さすがに私は帰宅部でした(^‐^;)
同じ帰宅部の仲間と一緒に夜のマックで夜食をするという、なんとも不健康な帰宅部の活動内容でした(笑)
帰宅部仲間の中で私だけが免許とマイカーを所有していたため(車通学も認められていた)、私が運転手となって帰宅部員達をマックに連れていってました。
全員昼間にバイトをしていましたが、まぁ疲れている身体だからこそハンバーガーが美味いってのもあるんですよね。
マック以外にもラーメン屋や牛丼屋、ファミレスなどいろんな場所に行きました。
食事代はちゃんと各自、自分で自分が食べた分だけ支払う形を取ってました。
私だけが成人していましたが、だからといって私が奢るという事はなかったです。
他の子達も私が年上ということをわかってはいましたが、あくまでも同じクラスメイトという認識の上で、私のことも苗字の呼び捨てで呼んでいました。
私はその呼び捨てで呼ばれることがたまらなく嬉しかったんですよね。
変に年上を意識されて「さん」付けで呼ばれるよりも、呼び捨てのほうが「ああ高校生してるな」「ああ青春してるな」って感じがして、ものすごく嬉しかったんです。
まぁ夜の10時にマックでハンバーガー食ってる高校生っていうのもアレですが…(笑)
警察に補導とかは一度もされませんでしたね。定時制高校なので全員私服だったのも関係してたのかな。
全員ガッツリとバイトしててお金だけは潤沢に持ってたので、そういう「ある程度のお金を使った遊び」ができちゃうのは定時制高校の生徒の利点だったりしますね。
定時制の授業についてのザックリした紹介は以上となりますが、他の科目の授業内容については今後も別の記事内でちょくちょく触れていくことになると思います。
ここに一気に書いても物凄い文章量になってしまうので…(汗)
次回は、給食について書こうと思います。
定時制高校の給食はマジで美味しいです。
誇張抜きで、本当にそこらの定食屋を超えてます。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
では、また!