外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か | SC神戸中国語スクール 京都校

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外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書) 新書 – 2008/9/19白井 恭弘  (著)

 

読み終えました。そして、また読み返しています。

第二言語習得論というものがよくわかるのはもちろん、大人が外国語をどうやって学習すればよいかということがよくわかります。

 

極めつけは、

 

三カ月の学習で十五分間会話ができるようになる学習法

 

です。

 

インプット=インターアクションモデルというらしいのですが、カーネギーメロン大学の第二言語習得研究者、甲田慶子氏が開発した日本語プログラムとのことです。

 

ゼロからはじめた学生が、五十分×週四回、三カ月の授業で、学期末には十五分間会話ができるようになるというものだそうです。

 

詳細は(といってもプログラム自身の説明は簡略ですが)本を読んでいただきたいのですが、私なりにこの本を読んで感じたのは、大人が母語以外の外国語を習得するには、

 

インプット

 

つまり、その外国語の単語なり文なりを頭に入れることが重要(これは誰もが思うところでしょうが)ですが、このインプットをどうやって効果的に、そして「わかる」から「使える」ものにするかがポイントだと思いました。

 

最終章の『第6章 効果的な外国語学習法』には以下の項目があります。

 

分野をしぼってインプットする。

例文暗記の効用

アウトプットは毎日・少しでも

コミュニケーションストラテジーを使う

無意味学習と有意味学習の違い

単語は文脈の中で覚える

発音・音声はまねることから

「文をつくれる」くらいの基本的な文法も

動機づけを高める

学習ストラテジーは自分にあったものを

 

などです。

言葉そのものが専門用語で難しいかもしれませんね。

これらをまとめると次だとのことです。

 

 まず、外国語学習の成功は、主として、学習開始年齢、適性、動機づけによって決まるので、学習開始は早い方がよく、理由はどうであれ、動機づけを高めることが大事です。適性についてはあまり変えられないのですが、自分の適性にあった学習方法を学習方法をとることが必要です。

 そして、外国語は母語を基盤に習得されるので、母語の知識は最大限に生かし、また邪魔になる部分を最小限にすることが重要です。母語と外国語が違う部分が学習の邪魔になりやすいので、そのような部分を、第二言語のデータベースを増やすことで克服しなければなりません。そのための最も重要なメカニズムは「インプット理解とアウトプットの必要性」であり、さらにそれを例文暗記などによって補足していくことも重要です。意識的な知識の学習とその知識を自動化していくことも需要ですが、それだけでは不十分だということを理解しておく必要があります。インプット理解と、意識的学習の自動化という両方のプロセスを最大限に生かすことが外国語学習の成功のカギとなります。

(P182-183)

 

世の中には色んな学習方法があって、それで成功する人もいれば成功しない人もいる。

それは自分にあった学習方法かどうかがカギなのでしょうね。

 

アドラー心理学でいう、

 

・視覚タイプ。

・聴覚タイプ。

・身体感覚タイプ。

(これ、NLP(神経言語プログラミング)でも使われていますね。)

 

を意識して自分にあった学習方法にするのがポイントなのでしょう。

 

そうそう、著者の白井恭弘氏はアメーバーブログもあります。

 

白井恭弘ブログ 「まっ、いいんだけどね・・・」