- リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)/江副 浩正
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- リクルートの創業者、江副浩正さんの著書です。
- 東大在学中に財団法人東京大学新聞社で企業向けの営業を覚え、森ビル屋上の物置小屋で株式会社大学広告(リクルートの前身)を設立。
- 大学新卒者向けの「企業への招待」(リクルートブックの前身)を発行し、求人広告という業界の地位を大きく向上させた。
- その後、不動産、旅行、転職情報などに進出した。
- (Wikipedia より)
まえがきにつぎのようにあります。
「私の経験を伝えることで、無気力の代名詞のように言われているニートやフリーターの中から何人かでも若き起業家が輩出すれば、望外の喜びである。」
大学を卒業してすぐに起業した江副氏。
お金はなかったそうです。
「江副氏は特別な人、自分にはそんなことはとてもできない。金も能力もない。」
そうでもないと思いますよ。
この本の中で、江副氏が『成功する起業家の二十ヵ条』というのがあります。
この部分、本屋さんで立ち読みでもいいから是非読んで欲しいと思いますが、その中に次があります。
二、人がついてくることが大切だが、そのためにはまず自らを磨くこと。
(中略)
重要なことはメンバーの誰よりも優れた仕事を熱心にしていて、それを継続していることである。
⇒まずは色んな本を読むことから始めるのもいいかも知れません。
六、多くの資本を要さない仕事から出発すること。
多くの資本を要する事業は大企業が担当する新規事業である。
⇒多くの方がこのことを誤解しているようです。
斎藤一人さんも、商売を始める時にはできるだけお金を使わないようにと教えています。
八、失敗を恐れぬ勇気をもつこと。
人は起業すれば途中で必ずといっていいほど失敗する。
しかし、ピンチはチャンスでもある。
ピンチにどう対応するかが成功するか否かの鍵である。
部下の失敗にも寛容でなければならない。
部下の失敗からも学ぶことが多いことを知っておくべきである。
⇒このことは多くの方が起業できない原因の一つのようです。
『失敗したらどうするの?』
小さいころから失敗してはいけないと教育されてきた影響かも知れません。
でも、よくよく考えれば、失敗なんてみんなするのです。
九、若くかつ就職しないで起業すること。
人はその人がその時までに経験した延長線で物事を考えがちである。
サラリーマンから見る経営者とその実像には大きなギャップがある。
また、年をとってからではやり直しは難しいが、若ければやり直しがきく。
ビジネスの経験のない白紙のほうがいい。
無知からくる無謀が人にできないことを成し遂げさせる。
また起業には体力と気力がみなぎっていることが重要である。
その面でも若い方がいい。
⇒人は経験したことからしかものごとを考えることができない。
斎藤一人さんもそういいますが、悲しいことですがそうなのですね。
だから新たな一歩を踏み出すのが怖い。
でも、踏み出してみないと、それがよかったか悪かったかはわからない。
できるだけリスクを少なくして、お金を使わずに、まずは副業感覚で始めるのがいいのかも知れません。
そして、『若い方がいいのか。じゃあ、私はもう遅い。』
いえいえ、私も49歳。
これをみて一瞬がっかりしましたが、江副氏は二十ヶ条の最後に次のようにあります。
二十、若くなくても起業して小さな成功を収めた人は私の周囲にいくらでもいる。
私の秘書をしていたT君と、リクルートの役員だったS君は長年の夢だった手打ちそば屋で成功している。
また料理好きで割烹店をオープンし成功している人、私の中高の同級生でピアノバーを10年続けている人もいる。
定年後自宅で碁会所を開業している人もいる。
このような起業家も社会は必要としている。
⇒そうです。私たちはこちらでいいのです。
若い時のようにバリバリ働いて、大金を稼ぐのは無理かも知れませんが、生活ができればいい。と、自分の特長を活かしたことで起業(起業というほど大げさではないかも知れませんが)すればいいのでしょう。
多くを望まず、足ることを知る。
私たちにはそれが求められているのかも知れません。