カレー探偵、やみちゃん です。
或る日のカレー活動は、カシミール射水。
BHUNA MUTTON
DAL MUTTON
CHAPATI
CHAI
うだるような暑さ。
熱波が私の頬をねぶっていき、思わずよろめく。
(油だ、油。
シバキ油をくれ...!)
カラッカラに乾いた喉を潤すのに、もはや普通の水など何の役にも立ちそうになかった。
いまの私には油が必要だった。
そう、とびきり上等のシバキ油が。。
昔、誰かが言った。
「富山に行ったら、パキスタンだった」と。
乾いた大地のむこう。
陽炎のように揺らめく黄色とオレンジの素っ気ないコンテナハウスを見つけた私は、まだ見ぬパキスタンを思い、先人のその言葉を噛み締めるのだった。
限界寸前で座席になだれ込む私を見つけたメガネ兄貴はニヤリと微笑み、ただ「ブナゴーシュネ!」と云った。
(ブナブナブナ、ブーナー 子牛をのーせーてー ブナブナブナ、ブーナー 荷馬車は揺れるー)
なぜかそう独りごちながら、出てきた兄貴メシをうまいうまいと豪快に手喰いする。
ブナマトン
ダールマトン
シバキ油がドクンドクンと音を立てながら体内の隅隅にまで行き渡り、さっきまでガクついていた膝までもがコンドロイチン注入時並みの回復をみせる。
チャパティ
嗚呼、私はまた生きながらえたようだよ。。
イミズスタンで一番濃くてうまい無糖チャイ
帰り際にメガネ兄貴は云った。
「明日ハ、ビーフプラオ、作リマスネ! SNSデ拡散ヨロ!」
お安い御用さ、メガネ兄貴。
富山がパキスタンなんじゃない。
メガネ兄貴のいる場所がカラチであり、パキスタンなんだ。
やみ「次のカレー活動は、あなたの街のあの店です」
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