このような意見
このような意見については、例えば『土佐日記 』や『蜻蛉日記 』などを例に挙げて反論される者も多い。確かに古典 として認められている、これら平安時代 の日記については実に数多くの研究がなされている。しかし、これらの少数の著名な日記は、周知の通り作者が同時性をもって記していったものではなく、後のある時期に一つの作品として仕上げられたものである。また、同時代に作成された日記のごく一部に過ぎないはずで、これらの作品を花開かせた数多くの無名の日記群が、これらの土壌として存在する。
次に日記についての一般的な理解を示しておく。まず試みに小学館 の『日本国語大辞典 』の「日記」の項を引くと、「 (1) 事実を記録すること。またその記録。記録。実録。にき。 (2) できごとや感想を一日ごとにまとめ、日づけをつけて、その当日または接近した時点で記録すること。またその記録」とある。