訪問着とは?いつ着るの?着こなしポイントを解説します! | きものと帯の山善小林のブログ

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今回は訪問着の特徴やシーン別の着こなしをご紹介いたします。訪問着とは、どんな着物?いつ着たら良いの?着こなしのコツは?そんな疑問解消のお役に立てましたら幸いです。

 

 

 

訪問着とは

 
未婚・既婚を問わず着られる絵羽模様の社交着が訪問着です。

主に結婚披露宴、パーティー、同窓会、食事会、茶会、他家への訪問など、「改まった装いを」という場所に欠かせないきものです。

訪問着には格調高い柄からお洒落な紬の訪問着まで幅広くあり、これらを含めTPOに準じた装いが求められます。帯は袋帯を合わせるのがスタンダードです。

 

訪問着の特徴

吉澤の友禅 吾妻徳穂 訪問着(花雪輪雲取り文様)/仮絵羽/公式オンラインショップ

 

訪問着の特徴は「絵羽模様である」ということです。

 

仮絵羽といって、きものの形にざっと仮仕立てをした白生地に下絵の模様を描きます。これを反物に戻し、下絵通りに友禅染めなど様々な技法で染めていきます。(その後、ふたたび仮仕立てに戻します)

 

そのため裾全体、袖から身頃、衿から肩に掛けて、縫い目を渡って柄を描くことができ、豪華な柄つけの訪問着が創作されています。

 

また裾回し(八掛/裏地)は「共八掛」となり、表地と同色で染められているケースが多いです。そのためお仕立てにて八掛を用意する必要がないことも訪問着の特徴といえるでしょう。

 

訪問着の主な柄つけ

下に4つの図柄を例として用意してみました。
訪問着に近いきものに「留袖」と「付け下げ」があります。これらとの違いを比較しながら訪問着の柄つけの説明をしてみましょう。
 

 

①訪問着
訪問着の主な柄つけの特徴は裾全体、袖から身頃(右背中)、衿から肩に掛けての柄が繋がっているものが多いです。店頭では仮絵羽(きものの形に仮仕立て)の状態で売られています。

②留袖
こちらは裾だけに模様(江戸褄模様)があるのが特徴です。腰から上には模様がありません。そのため訪問着との見分けは容易でしょう。また店頭では訪問着と同じく仮絵羽(きものの形に仮仕立て)の状態で売られています。

③付け下げ(付け下げ訪問着)、④飛び柄の付け下げ
付け下げは反物で染められています。訪問着との見分けがつきにくい(通称)付け下げ訪問着や飛び柄の付け下げなど様々です。付け下げの主な特徴は、衿に柄がない、もしく肩から衿に掛けて柄が繋がらないケースがほとんどです。

 

多様な訪問着が創作されています

 

ひとくちに訪問着と言っても多様な柄つけのもの、なかには紬地で創作されたお洒落訪問着も存在します。

 

基本としては「柄行き・格調・生地」をみて「華やかな訪問着」「控えめな訪問着」「お洒落な訪問着」の3つに分けると理解しやすいかと思います。フォーマル向きの訪問着、盛装として訪問着、カジュアル向きの訪問着など、お出掛けシーンに合わせた着こなしができるのではないでしょうか。

 

いずれにしましても、多種多様な訪問着が創作されています。それぞれの柄行や品格を理解した上でTPOに合わせた使い分けが素敵な着こなしとなるでしょう。

 

訪問着に入れる紋入れ

 

結婚披露宴、パーティー、同窓会、食事会、茶会、他家への訪問など、様々なシーンで着用できる訪問着。近年では幅広い場面で着用できるように「家紋なしの訪問着」をお召しになる方が多いのではないでしょうか。

 

また紋の入れ方でも格が変わります。主な技法は抜き紋・線書き紋・縫い紋です。抜き紋はもっとも格が高い正式な家紋となり、縫い紋は略式紋です。染め抜き紋では大袈裟と感じる場面では縫い紋が好まれます。

 

結婚披露宴や正装が求められるセレモニーなどでは抜き紋を。親族のお祝いやパーティーなどでは控えた縫い紋なども素敵です。こちらもTPOに合わせ紋入れ技法を決められてはいかがでしょう。

※家紋については、地域や家系での風習により認識が異なります。参考程度とご理解の上ご覧ください。

※無紋の訪問着では、お仕立て上りの訪問着でもでも紋入れが可能です。

 

訪問着に合わせる帯と小物

【特選プレタ】訪問着(宝相華文様)+西陣河合美術織物 袋帯(七宝繋ぎ花菱文)/公式オンラインショップ
 
訪問着に合わせる帯は「袋帯」を合わせるのが基本です。

「華やかな訪問着」「控えめな訪問着」「お洒落訪問着」など、それぞれの訪問着の格調にふさわしい帯選びがおすすめです。
 
帯締め・帯揚げなどの和装小物は、フォーマルシーンでは、上品な色目に金彩などの加工を施した華やかなもの、控えめな印象での装いでは上品な色柄のものがおすすめです。

またお洒落訪問着や紬訪問着であれば、カジュアルシーンを引き立てる洒落感ある小物選びをされても楽しいと思います。帯と同じく、訪問着の格調に準じた小物選びが大切です。
 


【特選プレタ】訪問着(宝相華文様)+西陣河合美術織物 袋帯(七宝繋ぎ花菱文)/公式オンラインショップ

 

重ね衿(伊達衿)について

 

古来には礼装のときほど、きものを重ねて着る習慣がありました。これを簡略化したものが「重ね衿(伊達衿)」です。

重ね衿の色目は豊富にありますが、色選びの基本は「顔写りをきれいにみせること」にあるでしょう。色彩には季節感や華やかさがあります。それぞれの訪問着にふさわしいお色の重ね衿を選ぶことが大切です。

また訪問着に重ね衿(伊達衿)を、必ず使用しなくてはならないということはありません。柄行や地色、着る方の好みにより、重ね衿を使用せずに着用される場合もあります。

 

まとめ

訪問着は、結婚披露宴、改まったパーティー、同窓会、食事会、茶会、他家への訪問など、あらたまったお席から晴れやかなパーティー。お宮参り、七五三、入学式・卒業式のお子様のお祝いなど、幅広いシーンでお召しいただけます。

 

訪問着選びのポイントとしては、着用シーンにあった格調の訪問着・帯・小物を選ぶことが大切です。こちらでは「華やかな訪問着」「控えめな訪問着」「お洒落な訪問着」と大きく3つに分けたシーン別の着こなしをおすすめしました。

 

色柄、格調も豊富にある訪問着。お出掛けシーンやTPO、また季節感を取り入れたコーディネートなども楽しみながら訪問着をお召しください。

 

 

 

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