※11月から永山源太郎が連載中の山口新聞、コラムコーナー「東流西流」第3回記事で書いた原稿です。
第三回「酒造りの女神」
小学三年生から十年間野球をやっていた。
中学の時の野球部の顧問に村田先生という先生がいた。
中学一年生の時にもらった一枚の紙に大きな影響を受けた。
「顧問の思い」と題されたその紙には十二条の生徒への思いが書かれていた。
「目標を持ちその目標を達成するために日々努力を重ねよう」
「結果にこだわろう。やるからには勝てるチームをつくろう」などなど、
物事に取り組むための普遍的なメッセージがつづられていた。
社会人になり酒造りをしている今もこの「顧問の思い」は大切にしており、今でも自分の部屋に貼ってある。
その中に「グウランド、道具を大事にしよう」という項目がある。
その下には「グラウンドや道具を大事にするチームとそうでないチーム。勝利の女神がどちらを選ぶか、その答えは明らかだ。」とある。
これはとても普遍的だ。酒造りにもまったく同じことが言える。
酒米がそうだ。米一粒に酒米職人たちの気持ちが詰まっている。
そんなお米を無駄にすることはできない。
先月うれしい報が飛び込んできた。
「山猿 大吟醸」が全米日本酒歓評会で金賞を受賞した。
契約農家さんに作ってもらった特別な山田錦を使っている。
農家さんの米を大切に醸す。
大切にしてきた思いをこれからも大事にしていこうと強く思った。
酒造りの女神に微笑まれるように。
2020年11月17日
山口新聞掲載
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