四季と日本酒 | 永山酒造『山猿』蔵元ブログ

永山酒造『山猿』蔵元ブログ

山口県最年少酒蔵。平成生まれが醸す日本酒。

 

 

 

※11月から永山源太郎が連載中の山口新聞、コラムコーナー「東流西流」第1回記事で書いた原稿です。

 

 

 

第一回 題「四季と日本酒」

日本酒には熟成という文化がある。

春に搾ったお酒が夏、秋、冬と徐々に熟成していき旨味が増しまろやかになっていく。

春の新酒、夏酒、秋のひやおろし、冬の熟成酒。

世界中を見渡しても四季による味わいの変化を楽しめる酒は日本酒だけだ。

各季節の旬の食材とその時々の日本酒の味わいは奇跡的なマッチングを果たすというのもおもしろい。

近年の日本酒業界の流行は、春にしぼったフレッシュな日本酒を一年間どう維持するかという方向に動いている。

しかし、我々が造る「山猿」は日本酒が本来持つ季節による味わいの変化を再発見してほしいと「やまざる四季」というシリーズを立ち上げた。

やまざる四季という言葉には「山猿」という銘柄名の他に、四季による味わいの変化が「やまざる」すなわち「止まらざる」という意味を込めた。

寒くなってきた十一月、酒蔵では今年も酒造りが始まった。やまざる四季の冬バージョンも始動。

「熟成酒 雪、山猿」を発売し、中国五県の日本酒が集まる広島国税局清酒鑑評会の燗酒部門で優等賞を受賞した。雪の結晶をあしらったラベルが目印だ。円熟を迎えた熟成酒は何よりお燗に合う。

冬の食卓に並ぶ鍋やおでんと「熟成酒 雪、山猿」のお燗で、次なる新酒を待ちながら冬の食材を楽しんでほしい。

あなたはどんな料理と合わせますか?

 

2020年11月3日

山口新聞掲載