続・比叡山延暦寺 (滋賀) | 星の道

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写真横向きブログにようこそ。
神社巡りの記事ばかりです。

年を跨いでしまいましたが、前回記事の続きとなります。

 

(※前回記事はこちら)



阿弥陀堂で参拝をした後は、根本中堂に移動してお薬師様にご挨拶をしてきました。
いつもなら11時に始まる薬師護摩に参加するのですが(参加と言っても、最初から最後まで後ろで静かに拝見してるだけですけどね)、この日は10時に護摩を開始されていたらしく、着いた頃にはもうお坊さんが護摩壇から降りられてるところだった。

ちょっと残念ではありますが、実は当日は他にもやりたいことがあったので、気持ちを切り替えて万拝堂にあるお蕎麦屋さんでちょっと早めの昼食をいただくことに。



大好きな比叡そば。
比叡山に来たら毎回お昼はこのお蕎麦を頼んでる気がする。
(それくらい好き)


お昼をいただいた後はシャトルバスで西塔エリアへ。



こちらは釈迦堂。

11月頃に伺ったのだけど、結構人が多かったです。

釈迦堂前の手水舎には「このお水は飲めます」というお寺の方の手書きの案内が貼ってあります。
こちらでまず手を洗い、そして空になったペットボトルの中にこのお水を入れ、禊代わりに少しいただいてからお堂に入ってます。

そしてこちらが本日のメイン。
西塔エリアの椿堂へ。



参道がめっちゃ整備されている…!

前に来た時は膝にきそうな段差のある石段だったんですが、椿堂特別開帳にあわせて整備をしてくださったようです。
スロープなら足腰の弱い方でも無理なく参拝できます。
(私は膝が悪いので本当に助かりました。有難いことです)


 

椿堂については前に書いた比叡山の記事でも触れましたが、お堂の中には千手観音菩薩が祀られてます。
名前の由来は聖徳太子が入山したおりに杖にしていた椿の枝をさして帰ったら、その杖が根をおろして辺り一面に枝を伸ばして沢山の花を咲かせた…という謂れからで、「聖徳太子没後1400年御遠忌」ということで今回初めて堂内と千手観音菩薩像を開帳されてました。
 

(※こちらがその記事)
 

(※こちらが共同通信の動画で、お堂におられる千手観音像も拝見できます)


令和4年9月3日から12月4日までの期間限定開帳で、伺ったのは11月の中旬頃だったんですけど、それでもかなり混んでた。
お堂の行列の様子を一枚撮った後、私も列に並んでしっかりと参拝をしてきました。

そして最前列まで来た時にわかったんですけど、こちらの千手観音像の手首には五色の紐が繋いであって、その紐が参拝者のところにまで延びてます。
最近は元々そうしていたお寺でも紐を触れない仕様になっていたりすることも多いので(感染症対策なのでしょうがない部分もあるんですけどね…)、これは嬉しい驚きでした。
やはりご縁はもらっておきたいですよね。

五色の紐を手に取り、額に近づけて千手観音様にご縁をいただけた感謝のご報告をさせていただきました。





椿堂でゆっくりしたかった気持ちはあったのですが、なんせ参拝者があとから続々と来られているし、お堂の前は見ての通りスペースがありません。
他のかたの参拝の邪魔になるのもアレなので、椿堂を後にしてシャトルバスで横川へと移動しました。



お山の奥側にあることもあって、横川エリアは人も少なく静粛な空間でした。



今年はそんなに寒くないこともあってか、この時期にしては紅葉が残っている気がします。

 

久々の横川中堂。
こちらのご本尊は聖観音菩薩です。

いつもだと横川にくるのは時間的にカツカツで慌ただしく参拝することになりがちなんですけど、今回は朝11時からの薬師護摩に参加しなかった関係でこちらで時間がかなり取れました。



横川エリアは、なんというか…私の感覚だと東塔とも西塔とも違う感じがします。
何が違うって時間の流れ方が。なんか他のエリアはちゃんと流れてるんだけど、横川は時間がずれてる感じがする。

体感的には「ゆったり」という感じが近いんですが、ただ遅いのではなくて時間軸がずれてるというか…
現代に居る気がしない。

あの世とこの世は時間の感覚が違うじゃないですか。
おとぎ話でも『異界で数日過ごした後にこの世に帰ってきたら、なんと数十年も経っていた』みたいな描写があります。

そういう感じです。横川はちょっと時間の感覚が他と違うように感じる。
それだけあの世とか異界とかと呼ばれるような他の層に近いんでしょうかね。



前に漫画家の山岸涼子さんがエッセイ漫画で比叡山のことを書いてて、山岸さんが延暦寺からタクシーで琵琶湖側に降りられた際に、そのタクシーがなぜかずっと同じ場所をグルグルと周回してしまい(一本道なのに)、なかなか下までたどり着けなかったそうです。

タクシー運転手もそれがわかってため息をついて(後で「比叡山ではよくある事です」と言っていたそう)、なんとか下まで降りられ、無事に東京に帰ってアシスタントや知人の人にそのことを話すと、同じ体験をした人が複数人もいた…と言う実体験を描かれてました。


比叡山は時空が歪んでる…というのは有名な話みたいなんですが、横川に居るとそれがわかる気がする。
なんかすごい「昔」と繋がってる気がする。しーんとしていて人の気配があまり無くて、むき出しの比叡山の濃い気配がある。
人の体感する時間ではなくてお山(比叡山)の体感で時が流れているような感覚です。


時間に追われてバタバタしている状態ではそれを感じるのはとても難しいと思うので(時間の感覚が余りにもずれすぎて…)、横川エリアは時間的に余裕をもって参拝するのがベストだな、と思いました。




そんなこんなの久々の比叡山でした。