天台宗総本山 比叡山 延暦寺 (滋賀) | 星の道

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かなり久々になりましたが、比叡山にある延暦寺へと行って参りました。



参拝したのは11月中頃で、その頃だと比叡山は16時時半には閉門してしまうので(横川エリアは30分早くて16時に閉まります)、開門の8時半に合わせてケーブルに乗ります。
理由は勿論、できるだけ長くお山に居たいから。
 

京阪の最寄り駅からケーブル坂本駅まではそれなりの本数のバスが出ているんですが、早朝すぎて始発のケーブルに間に合うバスが無いので、最近はてくてくとケーブル坂本駅まで歩いて移動してます。
坂本比叡山口駅からはいかにも門前町といった風情ある街並みがずっと続いているので、清々しい早朝の空気と景色を楽しみながら歩くのも悪くないです。



上の写真は日吉大社大鳥居の近くにある早尾地蔵尊。
伝教大師最澄さんが彫ったとされる石仏が祀られている六角堂です。



この日はいいお天気で、琵琶湖も綺麗に見えてました。
比叡山の澄んだ空気が画像から伝わるといいなと思いつつ。



入山して、まずは東塔にある万拝堂の千手観音様にご挨拶。

こちらは千手観音像の後ろに並んでいる比叡山の守護神である三十番神、春日大明神が描かれた絵です。
日輪を戴く榊を背に乗せた白鹿(春日神)の影向が描かれたとても独創的な曼荼羅で、私はこの春日曼荼羅(鹿曼荼羅)が大好きなのです。



今日は所用があってまずはこちらの阿弥陀堂へ。
中でご本尊の阿弥陀如来さまに手を合わせて色々と話していると、どなたかが頼まれたらしい阿弥陀経のご祈祷が始まりました。
これは幸いと、お坊さんの読経を聞きながらご本尊にご挨拶と報告をさせていただきました。



ご挨拶が済んで、お堂から外に出て阿弥陀堂を撮った写真。
静かにこちらを見守られているような気がして、お堂の外からも深く一礼をしてその場を去りました。

 


こちらは同じく東塔エリアにある戒壇院。
天台宗で正式な僧侶となるための「受戒」の儀式をするお堂で、天台宗の僧侶のかたですら生涯に一度しか入ることのできない特別な場所です。

これまで一度も公開されたことはなかったのですが、昨年は伝教大師の1200周忌の大遠忌にあたるということで、なんと初めて特別公開をされていました。
 


ここから先の数点は去年の写真です。
ブログには書いてなかったですが、特別公開の期間に私も参拝に行っておりました。
(昔の携帯で撮った写真なので横向きですみません…)



勿論内部は撮影禁止なので外からの写真のみです。


この特別公開は新聞でも取り上げられていて、こちらのWEB記事でも読むことが出来ます。
下に引用した朝日のweb記事では、延暦寺提供の戒壇院内部の写真もあるのでおススメ。

 



私は2回入ったんですが(ちょうど比叡山で腕輪数珠を作るワークショップも期間内にあったので、比叡山に行くのならもう一度拝観しとこうと思って…)、それはそれは荘厳な空間でした。
釈迦如来像の前に僧形の文殊菩薩像と弥勒菩薩像が向かい合うこの構図は「授戒三聖図」とよばれるそうです。

拝観に来られた方は一般の人だけではなく、半袈裟をかけた僧侶の方もちらほらとおられたのを覚えてます。
当事者として入ったけれど緊張してあまり覚えていないので落ち着いて内部をもう一度見たい、という理由で来られた天台のお坊さんもいれば、自分の所の宗祖が僧侶として授戒を受けた場所をぜひ見てみたい、という理由で来られた他宗のお坊さんもいて(解説で中にいる比叡山のお坊さんとそういう話をされてました)、ここが僧侶の方であっても特別な場所なのだということがわかります。
 
2回入ったけど、2回とも本当に沢山の人が来られてました。
比叡山開闢してから初で、そして次の予定はまったくの未定。
それくらい特別な場所なので、もう二度目はないかもしれないな…とも思うし、もしあったとしてもそれは百年後、あるいは数百年後とかではないかとも思います。

戒壇院の赤い空間に立って、手を合わせて心の中で「比叡山とご縁が出来て嬉しいです。これからも自分が出来ることをしっかりと見つけて精進します」というような主旨のことを話しました。
(もうちょい長々と話してたんだけど、それは個人的な抱負なのでカットします…)




外に出ると、出口側(弥勒菩薩側)の戒壇院の屋根から、雨も降っていないのに水が滴り落ちてました。
 


屋根から勢いよく落ちる雨のような水。
まるで雨が降っているように見えますが、比叡山では終日雨は降っていないのです。
戒壇院のこちら側の屋根からだけ、雨も降って無いのに水滴が落ち続けてた。入った時にはこんなことはなかったのに。



種明かしをすると、前日に急に気温が下がって少し積もる程度にお山に雪が降っていたようです。
8,9枚目の写真を見てもらうとわかると思いますが、積もった雪のほとんどは参拝に行った当日には解けてたのだけど、戒壇院の屋根の上には前日の雪が残っていて、その雪が解けて滴り落ちてたんだろうと思う。

…でもですね、入口側(文殊菩薩像のある側)ではなく、文殊菩薩から授戒を受ける弥勒菩薩がいる出口側に水が滴り落ちてるのが、何か凄く意味があるような気がしました。
前日に雪が降ったことも、戒壇院から出た直後に雪解けの水が勢いよく落ちてきたのも、何か用意をしてくださったような気がして。

なんとなくこの水は頭に受けるべきだと感じて、戒壇院から滴り落ちる水をそのまま頭頂に数滴ほど受けて比叡山を降りました。



その時に撮った空の写真。
(下にちょこっとだけ写ってる三角が戒壇院の屋根の部分です)
私にはこの雲が飛天が舞ってるように感じた。


 
話が急に去年の出来事になってしまいましたが、そんなこんなで1年程ぶりの戒壇院です。
当たり前に非公開なんですけど、でも去年の御礼がどうしても伝えたくて、黒い扉の前で手を合わせて御挨拶をさせていただきました。

 
 
 
長くなってしまったので今回はこの辺で。
続きは次の記事に書きますね。ではでは。