【マドモアゼル・愛 】 誰からも承認されない世界は消えていく | へっぴりごし

へっぴりごし

つれづれなるままに・・・

井戸端談義のネタにでも

誤字脱字が多いのは、年のせいにします。w

【マドモアゼル・愛 】

 

世の中から、承認されている人の数が少なくなっています。承認されるのは極一部の上位の人。しかし世の中は、下部層が圧倒的に人数的に多く、そうした下部層によって支えられているわけです。

競争原理としてのピラミッドの場合、下部には意味はなく少しでも上を目指すという価値観によって支えられます。

その結果、下部に位置する者は誇りを失い、下に見られる屈辱の中で生きるしかなくなります。しかし考えていただきたいのは、それによってピラミッド全体の力が衰えるということです。それをとどめるために、下部層を強制的にこき使うようなやり方が一般化していきます。すなわち奴隷的社会制度です。

時給わずかで有給もなく、10時間以上働いても普通に暮らせないような状況は、まさに現代の奴隷制度そのものと言っても間違いないと思います。

しかも底辺の人に社会的承認がなされていない。承認とは、上が下を認めることであり、それによって、実は上が力を得るようになります。それをうまく活用したのが、江戸時代の士農工商です。圧倒的に人数が多かった農民は、現代的感覚で言えば、ピラミッドの底辺にあたりますが、農民を下に見ていたら、幕府に力はもたらされません。そこで幕府は下であった農を二番目に序列し、高い承認を与えることで力を得ていたわけです。

下を承認し、下の働きをただしく評価し、感謝しない制度は上が実は弱体化するのです。なので幕府は士農工商として、もっとも多い底辺の農民を士の次の地位に置いたわけで、そうでないと世の中は収まらないことを知る哲学を持っていました。

この哲学は現在、消えてなくなりつつあります。下も上を目指し、上は下を小バカにする、、、こうして下の支えが希薄化しているのですから、今の私たちの世界は極めてこころもとない、はかない構造となっています。

誰もが承認される社会が実は安定した社会であり、会社も同じだと思います。家庭ですら間違ったピラミッドになりつつある傾向で、お金を生まない家事は下に見られがちです。だから、家庭が崩壊しやすいわけです。今、私たちの時代は、誰もが正統に承認されるという自然さを失っています。このことに気づき、あらためたところから、再び力がよみがえると思われます。