天上天下唯我独尊!!
(てんじょうてんげゆいがどくそん)
生まれてすぐ7歩あゆんで、
右手で天を、左手で地をさし、
私は世界でもっとも尊い者である! 宣言をしたブッダ(シッダ―ルタ)。
今日はこれが真理であるという教えを少しだけ
取り上げておきたいと思います。
【ブッダの説いた教え】
[三法印(四法印)]
すべてのものは移ろいゆく(諸行無常)、
何事も思い通りにはならない(一切皆苦)、
すべての事象に永遠不滅な霊魂はない(諸法無我)。
ブッダは人間がおかれた状況をこう分析しました。
これらを悟ることによって、ブッダが到達した仏教の理想である
絶対の平安の境地(涅槃寂静)に導かれるとしています。
諸行無常・諸法無我・涅槃寂静は仏法であることの
あかしである「三法印」と呼ばれます。
(「一切皆苦」を入れると四法印になります)
[四聖諦]
(原因)
集諦(じったい)=人生の苦は煩悩にある
(結果)
苦諦(くたい)=人生は本質的に苦である
(原因)
道諦(どうたい)=涅槃に近づく道は修行である
(結果)
滅諦(めったい)=煩悩の消滅が涅槃をもたらす
人生は苦であるという現実(苦諦)を直視することを説いたブッダは、
苦の原因(集諦)を人間の欲望や執着にもとめました。
人がものごとを欲したり執着するのは、
この世に存在するものが無常であることを知らないからで、
そして苦の原因はこのような無知(無明)にあることを知り、
苦を滅した境地(滅諦)を涅槃といいます。
人の心を焼きつくす
「むさぼり・いかり・おろかさ」に代表される
煩悩を吹き消した状態が涅槃で、
その境地に到達する道(道諦)が、
苦行や快楽といった両極端をしりぞけた
「中道(ちゅうどう)」となる。
ブッダは官能のおもむくまま快楽にふけったり、
自分を苦しめることに熱中する苦行の両極端を離れ、
中道を歩むことを教えています。
中道の実践を具体的にしめしたのが
八正道です。
これは真理に目覚め、苦しみをなくし、
涅槃の境地にいたるための
最高の道であるとブッダは説きました。
(「あらすじで読む日本の仏教と経典」廣澤隆之監修(青春出版社)よりまとめ)