2022年10月23日 秋といえば…。
今年ももう10月になり最終クウォーターに突入したのに、相変わらずコロナもウクライナの戦争も続いています。
コロナの方はゼロ・コロナの弊害も大きいため社会がウィズ・コロナに舵を切り、徐々に日常を取り戻しつつあるのは仕方がないことですが私としてはコロナが終わったとは思えず、治療薬がまだできていないことや自分の置かれた立場を考えると、とうてい出歩く気にはならないので一人緊急事態宣言です。
出かけるとしたら買い物と車で墓参りぐらいですが、家内は久しぶりにお友達と出かけたりし始めています。
家庭がコロナ破綻してもいけないので上手に自分と家族のガス抜きをしようと思っています。
ウクライナの戦争が始まってもうすぐ8ヶ月たとうとしています。
戦争のやり方も時代と共に移り変わってゆくものだとすれば、この戦争は今の時代に戦争が起きるとどうなるなかを私たちに教えてくれていることになります。
最初は大国が小国をあっという間に攻め落としてしまうと思っていましたが、そうはなりませんでした。
そうならなくてよかった気もしますが、戦争が長引いてなかなか終わらないのも国民としては辛いと思います。
終わらない戦争…うーん最悪です。
一日も早く戦争が終わることを祈っています。
秋は食欲の、スポーツの、芸術のなど様々な顔を持っていますが、本好きな私にとってはもっぱら読書の秋です。
以前より読書量は減ったのですが、習慣として継続しています。
最近読んで印象深かったのは小熊英二著「民主と愛国」です。
新聞の書評で高評価だったので読んでみたくなったのですが、一般的な本ではないのか街の書店に在庫はありません。
そして驚いたのがその定価で6300円と本としては高額なのです。
迷ったのですが読んでみたい気持ちに負けてAmazonで中古の約6000円のものを見つけてポチッてしまいました。
そして届いた本を見てまた驚きました。
表紙はタテ約21cm、ヨコ約16cmで少し大き目なハードカバーでよくあるサイズなのですが、厚みが約5cmあり、注・索引を含めると966ページもある辞書のようなぶ厚い本なのです。
ちなみに重さは1kgを超えます。
私はいつもそのとき読んでいる本は持ち歩き、移動中や待ち時間、スキマ時間に読み進めるのですが、この本の絶望的な厚みと重量は物理的にそれを許しません。
ということはこの本を読むのは在宅中に限られます。
そして私の自宅での読書タイムはベッドに横になり眠くなるまでの短い時間です。
この本は横になって読むのも大変です。
両手で支えて顔の上で読んでいても、その重量にすぐに腕が疲れてしまい何度も顔の上に落としそうになり、そのたびにビックリして眠気が飛んでしまいました。
仕方がないので開いた右のページを読むときは左を下にして横向きになり本はおいて右ページを右手で支えて読み、左ページに読み進むと本ごと寝返りをうって逆のことをしていました。
こんな読むこと自体が困難な本では遅々として進まず、実は読了するのに約1年かかりました。
しかし以前このブログにアップした山本義隆著「磁力と重力の発見」や東浩紀著「観光客の哲学」など、新聞で見つけて読んでみたくなった私にはムリめな難しい本とは違い面白かったです。
学校や教科書が教えてくれない戦後の日本のことで、例えば戦争中までは軍部が中心であった国が敗戦と同時に180度逆の民主主義にかわる際、社会的矛盾や歪みを人々がどう感じていたのか、思想的なリーダーだった丸山眞男、竹内好、吉本隆明、江藤淳、鶴見俊輔、小田実そして三島由紀夫、石原慎太郎などがどういう経緯でその考えに至ったのかなどを、その生い立ちからの人生をたどり終戦を迎えたときの年齢や境遇なども考察していて、難しいテーマの本なのに「なるほど」がたくさんあって楽しめました。
亡くなった父も含めた戦争を経験した世代が、なぜあんな感じだったのかもなんとなく分かる気がしました。
こういういい本に出会うとまた読書に対する意欲が湧いてきます。
コロナのおかげで一人緊急事態宣言なのは読書の習慣にとっては追い風です。
いろいろ問題は多いけど戦争のない平和な世の中で読書が楽しめる幸せを感謝しつつ、さて次は何を読もうかな。