2022年9月25日 これで私も…。 | 横浜市中区の山手パーク歯科のブログ(石川町)

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横浜市中区石川町の歯医者が日々の生活で気付いたことを綴る趣味の日記です。最近では歯科の話以外の趣味やペットのブログにになりつつあります。。。

   2022年9月25日 これで私も…。



 ミスターチルドレンというバンドの「HANABI」という曲があります。

とてもいい曲で昨年8月9日にアップしたブログ、8月のプレイリスト「夏」(J)にも入っています。



タイトルが「HANABI」なので夏にきくことが多いのですが、いわゆる季節もののラヴソングではありません。

おかまいなしに絶え間なく流れ続ける時間と日常の生活という現実の中で、それぞれに与えられた社会的役割を果たし、手に入れたり失ったりしながら生きてゆくと必ず感じることになる虚しさ、そのときに支えとなる理想や希望や想い、そして人の存在そのものの儚(はかな)さを花火の光に例えている普遍的な人生の応援歌であり、私はとても救いを感じます。



そしてこの曲はフジTV系で映画化もされたドラマ「コード・ブルー」のテーマソングでもあります。

コード・ブルーはドクター・ヘリの救急救命活動に携わる医療チーム内のメンバーたちが活動を通して様々な経験を積み、それぞれに成長してゆく物語です。



いつか偶然見たNHKの「SONGS」という音楽番組の特別編でリクエスト特集をやっていたのですが、この「HANABI」のリクエストをした男性のハガキが読み上げられました。

それによるとドラマ「コード・ブルー」に憧れてドクター・ヘリに乗る救急救命医を志し、ドクター・ヘリのチームで出会った女性との結婚式に「HANABI」を流してもらったというのです。

まさに「リアル・コード・ブルー」です。

志の高さも立派ですが、やり切る行動力がすごいと思いました。

ドラマや曲が人生を変えてしまうこともあるのですね。



私は歯科医師なので、言うまでもなくドクター・ヘリに乗ることはありません。

しかし医療従事者ではあるので近年医療をとりまく環境の一つに大きな変化を感じています。

それは私たちの仕事着である白衣です。



白衣にはいくつかのタイプがあります。

ヒザぐらいまである着丈の長い長白衣はドクター・コートと呼ばれ、ジャケットを脱いでワイシャツ・ネクタイをしたまま羽織るタイプは学術的なイメージが強く、TVドラマで回診する大学教授などがよく着用しており、私も専門学校の講義用に持っています。

臨床でこれを着用するとしたら内科医の診察やちょっとした注射ぐらいならありだと思います。



外科的な分野が多い歯科の臨床用の白衣で長年ベーシックなタイプとされていたのがケーシーです。

これは基本的に半そでで着丈が短く前の合わせがサイドににずらしてあり、ファスナーを上げて短めのスタンドカラーから鎖骨部にボタン止めするタイプです。

1960年代にまだTVがモノクロだった頃「ベン・ケーシー」というアメリカから輸入された医療ドラマがヒットしていました。

その主人公である脳神経外科医ベン・ケーシーが着用していたのがこのタイプの白衣で、そのネーミングの由来とされています。



私にとって印象深いのはベン・ケーシーよりもケーシー高峰です。

もう亡くなってしまいましたがよくこのケーシータイプの白衣を着て、笑点などの演芸番組で医療漫談をする芸人さんでした。



私の時代は大学の臨床系科目の実習でもこのケーシータイプの白衣が支給されていました。

半そでなので手が洗いやすく機能的なので勤務医時代も開業してからも愛用していました。

私だけでなくほとんどの歯科医師がこのタイプの白衣で診療していたと思います。

それが最近どうもケーシータイプの白衣を見かけることが減ってきたような気がするのです。



ケーシータイプにとって代わりつつあるのはスクラブタイプの白衣です。

スクラブはケーシーと同じ半そでと短い着丈でVネックのTシャツのような形をしており、かぶるように着用して鎖骨部のスナップを止めます。

こちらも手を洗いやすく機能的ですが、当初私はスクラブは手術用のオペ着だと思っていました。

だからスクラブを着用したままTVやプロフィール画像などに露出する歯科医師を見かけると、「私は外科に強いですよ」的なアピールなのかなと思っていました。

それが今やいままでの定番だったケーシータイプを駆逐する勢いで広がっています。



私はどうもそのきっかけになったのが「コード・ブルー」だったような気がします。

救急救命医である彼らは野外で外科処置や場合によっては手術(オペ)も行うので、オペ着であるスクラブを着用して外に出るのです。



そしてスクラブの方も進化しました。

以前のスクラブは独特のグリーンブルーで、ダボダボした下着かパジャマのようなデザインでとても外を歩けるような代物ではありませんでしたが、動きやすい機能的なデザインになってカッコイイのです。

そしていまや白衣とは名ばかりのカラフルなラインナップになっています。

歯科医師は以前よりも女性の数が増え、女医さんたちがピンクのスクラブを着るようになってから広まっていったような気がします。



長年使用してくたびれてしまった山手パーク歯科で着用する私の白衣をモデルチェンジすることになったとき悩みましたが、スクラブタイプにすることにしました。

白衣に流行があるとは思っていなかったのでちょっと悔しい気もしたのですが、色を選ぶ段階で決心しました。

ここはネイビーブルーしかないでしょう。

これで私もケーシー高峰から山手パーク歯科のコード・ブルー山Pを目指します。