古代史にまつわる1テーマを3分でまとめるというコンセプトで始めたYouTube「古代史新説チャンネル」の【3分古代史サーガ】シリーズの第2回目は、古代史最強のヒーローである「日本武尊(やまとたけるのみこと)」についてまとめました。
今回も内容をテキストとして本ブログに残しておきます。
動画より文字の方がわかりやすいという方は、こちらをご一読いただけますと幸いです。
※内容は、本ブログ「邪馬台国と日本書紀の界隈」および「古代史新説チャンネル」で考察した仮説をもとにまとめています。
【3分古代史サーガ】↓↓↓ YouTube動画はこちらです
【3分古代史サーガ】テキスト
「日本武尊」
日本武尊(やまとたけるのみこと)は『日本書紀』の設定では景行天皇(けいこうてんのう)の子であるとされますが、じつは垂仁天皇(すいにんてんのう)の子である誉津別命(ほむつわけのみこと)のことです。
景行天皇の異母弟として318年(崇神天皇(すじんてんのう)62年)に誕生しました。
『日本書紀』の大幅な紀年延長操作によって二つの人格に分けられているのです。
二人が同一人物であることは、紀年復元によって得られた日本武尊の誕生年328年(垂仁天皇23年)に見られる「30歳まで声を発しなかった誉津別命が鵠(くぐい)(白鳥)を見て初めて声を発した」という記事が暗示しています。
日本武尊は30歳で能褒野(のぼの)で薨去されたのち、白鳥となって天に上ったとされますし、その飛行ルートはいかにも意図的に誉津別命が白鳥を見た纒向珠城宮(まきむくのたまきのみや)の上を通るように設定されているのです。『日本書紀』編纂者の苦心が見てとれます。
また、日本武尊の子の仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)は、自身の子に偉大なる父王から「誉(ほむ)」の一文字をとって誉屋別(ほむやわけ)、誉田別(ほむたわけ)(のちの応神天皇(おうじんてんのう))と名付けています。
日本武尊(誉津別命)は垂仁天皇と狭穂姫(さほひめ)の間に生まれました。しかし、母の狭穂姫は兄狭穂彦(さほひこ)の反乱に際して、幼い日本武尊(誉津別命)を残して燃え盛る稲城(いなき)の中でなくなってしまいます。
『日本書紀』が日本武尊の母だとする播磨稲日大郎姫(はりまのいなひのおおいらつめ)は、「播磨で稲城の火の中で亡くなった姫」を連想させる名前となっています。
343年に景行天皇が即位されると、日本武尊は兄を助けて奔走します。
景行天皇が都にいて政治をつかさどる一方、日本武尊は軍事面をつかさどり全国統一を目指します。
天皇が長く都を不在にすることはなかったでしょうから、景行天皇による347年(景行天皇12年)から351年(景行天皇19年)の九州遠征は日本武尊の功績だった可能性が高いでしょう。
その主な目的は祖父である初代天皇(崇神天皇)の故郷九州をヤマト王権の勢力下におこうとするものであり、日本武尊は九州諸国を懐柔してまわります。
いったん大和へ帰還した日本武尊ですが、3年後の354年(景行天皇27年)、再度九州へ遠征します。このときは熊襲(くまそ)の首領である川上梟帥(かわかみのたける)討伐という明確な目的がありました。
目的を果たして翌355年(景行天皇28年)に帰国したのも束の間、その翌年356年(景行天皇40年)に東国の平定に出発します。
伊勢で倭姫命(やまとひめのみこと)から草薙剣(くさなぎのつるぎ)を授かった日本武尊は、駿河(するが)、相模(さがみ)、上総(かみつふさ)を経て陸奥国(みちのくのくに)に入ります。
この遠征も特に激しい戦闘を行うことなく、軍事力の誇示によって主目的であった蝦夷(えみし)の平定を成し遂げます。
そして、日高見国(ひたかみのくに)から、常陸(ひたち)、甲斐(かい)、武蔵(むさし)、上野(こうずけ)、信濃(しなの)、美濃(みの)を経て尾張(おわり)まで帰り着きます。
そこで宮簀媛(みやすひめ)を娶りますが、伊吹山で病にかかり、大和を目の前にした伊勢の能褒野で薨去されます。
ときは357年(景行天皇43年)、日本武尊40歳でした。
復命のかなわなかった日本武尊の想いは白鳥となって、能褒野の陵を飛び立ち、大和の琴弾原(ことひきのはら)に戻ったのち、河内の古市邑(ふるいちのむら)を経て天高く上っていったとされています。
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