邪馬台国と日本書紀の界隈

邪馬台国と日本書紀の界隈

邪馬台国・魏志倭人伝の周辺と、まったく新しい紀年復元法による日本書紀研究についてぼちぼちと綴っています。

 当ブログが書籍化された『古代天皇たちの真実』(ワニブックスPLUS新書)で、紀年論に関して新しい紀年復元法「『原日本紀』仮説による無事績年削除短縮法」(略称:無事績年削除法)を提示しました。

 

 

 現状では最新の紀年復元法と言わせていただいてよいでしょう。

 そこで、この最新の紀年復元法によって復元された天皇崩御年(下記)にしたがって、現在宮内庁に治定されている天皇陵を改めて概観してみました。

 

■復元紀年による天皇崩御年

 

雄略天皇 498年崩御

雄略天皇陵【丹比高鷲原陵(たじひのたかわしのはらのみささぎ)】

 

清寧天皇 503年崩御

清寧天皇陵【河内坂門原陵(かわちのさかどのはらのみささぎ)】

 

顕宗天皇 506年崩御

顕宗天皇陵【傍丘磐坏丘南陵(かたおかのいわつきのおかのみささぎ)】

 

仁賢天皇 517年崩御

仁賢天皇陵【埴生坂本陵(はにゅうのさかもとのみささぎ)】

 

武烈天皇 525年崩御

武烈天皇陵【傍丘磐坏丘北陵(かたおかのいわつきのおかのみささぎ)】

 

継体天皇 531年崩御

継体天皇陵【三嶋藍野陵(みしまのあいののみささぎ)】

 

安閑天皇 535年崩御

安閑天皇陵【古市高屋丘陵(ふるいちのたかやのおかのみささぎ)】

 

宣化天皇 539年崩御

宣化天皇陵【身狭桃花鳥坂上陵(むさのつきさかのえのみささぎ)】

 

欽明天皇 571年崩御

欽明天皇陵【檜隈坂合陵(ひのくまのさかあいのみささぎ)】

 

 

 このなかで特に注目すべきは、顕宗天皇陵武烈天皇陵です。

 『日本書紀』は顕宗天皇と武烈天皇の陵墓をともに「傍丘磐坏丘陵」と記しています。そして、宮内庁は顕宗天皇陵を「傍丘磐坏丘南陵」、武烈天皇陵を「傍丘磐坏丘北陵」というように南北2か所に陵墓を治定しています。

 しかし、どちらの陵墓も前方後円墳ではなく、そこに天皇が眠っておられないことが判明しているのです。

 

 そこで、真の顕宗天皇陵はどこに? 真の武烈天皇陵はどの古墳? というような天皇陵の推定が行われてきました。

 いろいろな比定案が提示されてきましたが、今回、新たな復元紀年と『日本書紀』の記事内容、そして考古学的成果をクロスチェックしてみると、顕宗天皇陵が「傍丘磐坏丘」(ただし治定されている古墳ではない)に築かれた必然性は認められるが、武烈天皇陵は祖父の雄略天皇陵、父の仁賢天皇陵と同じ古市古墳群に築かれた可能性が高いという結論になりました。

 

 そのような考察を、21代雄略天皇から29代欽明天皇までの陵墓比定も含めて、YouTube【古代史新説チャンネル】動画にまとめました。

 おそらく多くの異論もあろうと思いますが、ご覧いただけますと幸いです。

 

結論だけ記しておきますと、次のようになります。

●雄略天皇陵:岡ミサンザイ古墳

●清寧天皇陵:高屋築山古墳

●顕宗天皇陵:狐井城山古墳

●仁賢天皇陵:ボケ山古墳

●武烈天皇陵:白髪山古墳

●継体天皇陵:今城塚古墳

●安閑天皇陵:河内大塚山古墳

●宣化天皇陵:鳥屋ミサンザイ古墳

●欽明天皇陵:見瀬丸山古墳

 

 

 

『古代天皇たちの真実』早くも重版出来!!

 

 

『古代天皇たちの真実』目次

第一章 「紀年論」のこれまで

第二章 『原日本紀』仮説による無事績年削除短縮法

第三章 『日本書紀』の編纂過程を考える

第四章 『原日本紀』編纂の論拠

第五章 『原日本紀』の年代観

第六章 天武天皇の意向と謎の第二期無事績年

第七章 継体天皇朝と仁賢・武烈天皇朝並立の根拠と歴史の真実

第八章 二王朝並立を復元するとみえてくるもの

    ◎真の「武烈天皇陵」◎「磐井の乱」新解釈 ◎「仏教公伝年」新説

 

 

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