神武東征【3分古代史サーガ】テキスト | 邪馬台国と日本書紀の界隈

邪馬台国と日本書紀の界隈

邪馬台国・魏志倭人伝の周辺と、まったく新しい紀年復元法による日本書紀研究についてぼちぼちと綴っています。

 先日、YouTube「古代史新説チャンネル」で【3分古代史サーガ】という新シリーズを始めました。

 

 古代史にまつわる1テーマを3分でまとめるというのがメインコンセプトとなっています。

 もちろん、本ブログ「邪馬台国と日本書紀の界隈」および「古代史新説チャンネル」で考察した仮説をもとにまとめています。

 3分という内容ですから、仮説にいたる詳しい説明はほぼ省略せざるをえませんが、逆にストーリーとしてはわかりやすくまとまったように思います。

 

 そこで、内容をテキストとして本ブログに残しておこうと思います。

 動画より文字の方がわかりやすいという方は、こちらをご一読いただけますと幸いです。

 

【3分古代史サーガ】↓↓↓ YouTube動画はこちらです

 

 

 

【3分古代史サーガ】テキスト

「神武東征」

 

 『日本書紀』は、東征を成し遂げて大和で初代天皇となったのは、神日本磐余彦(かむやまといわれびこ)、別名神武天皇だと記します。

 この初代天皇の正体は、高天原から日向へ天孫降臨した瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の子どもです。名前は彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)と言います。海幸山幸神話に登場する山幸彦のことです。

 

 高天原は魏志倭人伝の記す女王国のことであり、天照大神は卑弥呼のことですから、初代天皇は系譜上は卑弥呼の曾孫ということになります。

 また、『日本書紀』本文系譜の彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)と欠史八代は紀年延長のための創作です。

 だから、初代天皇は彦火火出見尊であり、神武天皇であり、崇神天皇(すじんてんのう)ということになります。

 ひとりの人物が、東征以前は彦火火出見尊、東征時期は神武天皇、即位後は崇神天皇というように、3つの人格(神格)に分けて描かれたのです。

 

 初代天皇(彦火火出見尊)は西暦250年に日向(ひむか)で生まれました。

 日向の次期支配者として育てられ、在地有力豪族の娘である吾平津媛(あひらつひめ)と結婚します。

 しかし、次第に義理の兄である火闌降命(ほのすそりのみこと)(海幸彦)と折り合いが悪くなり、280年代に入るころには争いが激化していきます。

 そんな時に初代天皇の前に現れるのが塩土老翁(しおつつのおじ)です。

 この謎の人物の手引きにより、初代天皇は吉備を訪ね、海神(わたつみ)(事代主神(ことしろぬしのかみ))の勢力と同盟を結びます。このとき海神の娘豊玉姫(とよたまひめ)を妻とします。のちの初代皇后となる女性です。

 そして、吉備勢力の援軍とともに日向へ帰還した初代天皇は、見事に在地勢力の平定に成功します。

 

 その数年後、塩土老翁から「吉備勢力とともに大和を制圧して新しい国を創ってみないか」という話を持ち掛けられた初代天皇は、294年10月5日に日向を出発します。

 この話に賛同した者たちを引き連れた初代天皇は、宇佐、岡水門(おかのみなと)、安芸を経て、翌295年3月6日に吉備に到着します。

 

 ところで、事代主神(海神)が初代天皇(神武天皇)を呼んだのには理由がありました。

 事代主神は父の大己貴神(おおあなむちのかみ)とともに治めていた大和の地を、約30年前(260年代なかば)に天神族である饒速日命(にぎはやひのみこと)に強奪されて吉備に逃げ延びていたのです。その奪還を願っていた事代主神は、反撃の旗頭としてこちらも天神族である初代天皇(神武天皇)を担ぎ出したというわけです。

 

 3年間、吉備で準備を整えた日向・吉備連合軍は298年2月11日、大和に向かって進軍します。

 生駒山(いこまやま)を越えて大和に入ろうとしますが、4月9日、孔舎衛坂(くさえのさか)で長髄彦(ながすねひこ)軍に迎撃され敗走します。

 そこで、紀伊半島を回り込んで奈良盆地南東部から大和に入ろうとします。その道中は幾多の困難に見舞われますが、日臣命(ひのおみのみこと)や八咫烏(やたがらす)、弟猾(おとうかし)らの活躍により乗り越えていきます。

 ※本当は神武天皇軍は紀ノ川をさかのぼったと考えます。

 

 そしてついに12月4日、長髄彦との再戦に臨みます。

 やはり長髄彦軍は強力で、戦況は膠着しますが、なんと饒速日命が義理の兄である長髄彦を殺して帰順します。これにより初代天皇を冠した日向・吉備連合軍は大和進出を果たすのです。

 

 翌299年からは、奈良盆地内の抵抗勢力を征圧するとともに宮の造営を始めます。

 そして、西暦301年の1月1日に橿原宮(かしはらのみや)で初代天皇として即位されます。

 ここに東征は完遂され、ヤマト王権が成立するのです。


 

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