ピンクのポンポン★88-7
尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏のソロツアーで止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。
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あれから半年、彼女は無事に結納を済ませて、仕事を続けながら、結婚の準備に追われている。
そして、今日が独身である彼女とは、最後に出かけるコンサートになる筈だった。
九月のユニットのコンサートには、彼を誘ってみたら?と私が提案した通り、彼女は未来のダンナ様と、王子様のコンサートへ出かけることにしているし、私の王子様達のコンサートは、忙しい彼女を誘うことが申し訳なくて、既に他の友達を誘っていたからだった。
最寄駅で待ち合わせをしてから、二人でお茶をした。新居のことや、彼女の両親が張り切って家具屋さん巡りをしていること、そして、衣装や新婚旅行等、まだまだ決めなければならないことかたくさんあると彼女が幸せそうに話してくれた。
そんな彼女の笑顔に安堵しながら、気持ちだけは、彼女から幸せのお裾分けを貰っている気分だった。
まだ、自分には運命の人が現れていない筈なので、焦っても仕方ないし、彼が居ない時に、淋しさを感じることは無かった。
居ない時より、居る時の方が、気持ちが充実していることは事実だけど。
そろそろかな?という時間になったので、お店でトイレを借りてからを、会場へ向かった。
勿論、“も好き”で参加している私もピンクのポンポン持参だけれど、彼女の手作りだった。
席に着いてから、彼女が言った。
「九月、二日間あるから、二日間共、申し込んだの」
「珍しいね」
私も彼女も一度観れば満足する性格なので、同じコンサートを複数回、観ることはなかったので、私は素直に本音を口にした。
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