長い時間の流れの中で【35】 1・17 失い続ける時 | ぴかるんのブログ

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ピンクのポンポン

ピンクのポンポン★80(80-35)



※阪神・淡路大震災を源とする物語(フィクション)です

 尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏の代々木体育館で止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。


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 気分転換になればと思ったのか、母はお婆ちゃんも誘い、私と妹を運動場へ出した。
 今はクラスは違うけど、低学年の時のクラスメイトや同じ幼稚園から私立の小学校へ進んだ子達の姿を見つけた。火事で家を失くしたのは私ともう一人の子だけで、他の子は家が半壊していたり、家の中の家具が倒れて危険だったりと、朝から避難してきていた様子だった。

 妹は友達と再会したのに泣いていたので、後で泣いていた理由を訊くと、同じクラスの子が二人も亡くなっていたことを知らされたことが原因だった。

 大人達も色々と情報交換しているようだったけれど、誰もが暗く、深刻な表情をしていた。

 友達に、父が震災発生後、祖父母の様子を見に歩いて出かけたきり、まだ戻ってきていないことを告げると、
 「心配やな」と、皆が心配してくれた。でも、友達の中には、お姉ちゃんがまだ家の中から救出されていない子が居ることを知り、
 「お姉ちゃん、絶対、助かるわ! 声、出しとるんやもんな」と言うと、
 「でも、いつ助けて貰えるか分からへんもん……」と言い、その子が泣き出した。一緒に居た他の子達も、「大丈夫や!」「」「助かるわ」と励ましたけれど、その友達が泣き止むまでには時間がかかった。

 でも、その時の私の心の中は、まだ戻ってこないのことと、父が安否の確認に出かけた祖父母のことを心配していた。そして、父が私と妹と母を捜しているのではないか?ということも気になっていて、ジャンパーのホケットに入れていたフイルムケースを右手で握りしめていた。

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{ しらすのパスタ、中学生、
ペンライトのお見送りの話を思い出してしまいました

釜揚げ蕎麦、美味しそう
お蕎麦、大好き
by 何とかショー 
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