❀ 好きになること への自由 ❤ 7 ❀ | ぴかるんのブログ

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ピンクのポンポン

ピンクのポンポン★79(76-2)



※戸籍は男性
 身体は男性でもあり、女性でもある状態
 心は女性

 そんな人を主人公にした物語です。
 先にネタバラシをしてしまうと、『誰が一番かなんて、決められないのぉ』というタイプの人です。


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  午後の営業再開は15:00からだった。学生さん達が気軽に寄り道できる場所であって欲しいと思ったオーナーの意向だった。  お好み焼きなら、適度に空腹が満たされるのと、味が良ければ、家族で夕飯として食べに来てくれるのではないか?というオーナーの狙いは当たり、  「美味しい!」と、何度も言っていたコ達は、殆どが次回は家族と食べに来て、お腹を満足して帰っていった。そして、そういうコ達は家族だけではなく、新しい友達も連れてきてくれる割合も高かった。

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 公立の学校の授業は始まっていたけれど、四月に帰宅部が寄り道してくるコ達は少ない。始業式を含む2~3日の間は、クラス替えの別れを惜しんだり、担任の先生のことを情報交換する程度で、来店は終わってしまう。

 別々の学校へ進学した高校一年生が、プチ同窓会がてら、お好み焼きを食べにきてくれることが多いかもしれない。
 但し、オーナーの考えで、学生さんに『一人一枚』は強要していない。学生さんだけなら、ドリンクを一人一杯に加えて、『一グループ一枚』で良かった。
 そのことは店内にも貼り紙をしていた。その後ろにしっかりと、但し書きも書き込まれていた。
 『大人同伴の場合は一人一枚、例外はありません』

 飲み物を、安いファストフード並の値段で提供していたので、お年寄りや御近所のマダム達の社交場になることをオーナーが避けたかったのだった。
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 チケットを譲ってくれた若い常連客であるお嬢さんが、翌日、生まれて初めて観劇へ出かけるための衣装を考えてくれたことのお礼を言う為に、私は午後からの営業が始まる前に電話を掛けた。

 「アドバイス、ありがとう」
 「いえ、こちらこそ、チケットを買い取って貰ったことに感謝してますから、お洋服を考えることだけなら、何でもないです」
 「明日、手持ちの中から、靴との色合いも考えてみるわね」
 「はい。是非、そうしてみて下さい。絶対に舞台から視線が向けられる席だし、もしかしたら、近くに芸能人が居るかもしれないから、良い意味で視線が来る様に頑張って、お洒落して出かけて下さいね」

 彼女の明るい言葉に、今度は私が黙ってしまった。
 「もしもし、どうかしました?」
 「あの……」
 「はい?」
 「舞台から見えたり、芸能人が近くに来るって、本当なの?」
 私の不安な声を励ます様に、彼女は明るい口調に戻って言った。
 「前の方の席だから、絶対に舞台から視界に入ると思いますよ」
 「どうして? だって、お芝居をしている訳でしょ?」
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 私のテンションは一気に下がった。
 『観に行く』というこは、舞台からも『見られている』ということに全く、結びついていなかったことが原因だった。

 いろんな選択があるけれど、身体にメスを入れることには抵抗があって、ホルモン療法だけで、何とか女性の身体になりたいと頑張り始めて、まだ1年も過ぎていなかった当時は、お店以外では、通勤途中でも、露骨に避けて通られることが多かった。
 ただでさえ、182cmの身長で、アイドルのお芝居を観に行く『男』でもある私は、通勤途中の時の様に、舞台から露骨に観られることに抵抗を感じていた。
 翌日は『男』として観に行くことを決めていたけれど、舞台から見られることに抵抗を感じた。

 勿論、舞台裏で何か悪口か、笑い話のネタにされてしまうのではないか?という、勝手な被害妄想ではあったけれど。


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手作りです!!!
生ハム、やっと完成 (^o^)v