ピンクのポンポン★79(76-2)
※戸籍は男性
身体は男性でもあり、女性でもある状態
心は女性
そんな人を主人公にした物語です。
先にネタバラシをしてしまうと、『誰が一番かなんて、決められないのぉ』というタイプの人です。
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十三時半を過ぎると、店内もいつもの様に閑散としていた。
私は他の店員に断りを入れてから、休憩室でチケットを譲ってくれた若い常連客であるお嬢さんに、どういう服装で出かければ良いのか?いうことを訊くために電話を掛けた。
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「何度も、ごめんなさい」
「大丈夫ですよ。どうかしました?」
「お洋服なんだけど、どういう服装で行けば良いのかしら?」
「どんな服装でも、大丈夫ですよ?」
彼女の言葉のトーンが変わった。私の質問の意味が分からないことは、理解できた。
そして、ベテランである彼女にとっては、自然に選択できることが、初心者のスタートラインに立とうとしている私には分からないことだらけで、でも、やはり、ちゃんと周囲に馴染む形で出かけたかった。
戸籍と身体は男でも、心は女として生きてゆくと決めても、人が大勢集まる場所で、余計な注目を浴びることに、当時はまだ抵抗があったのも事実。
『自分の想い通りに生きてゆく』と決めても、アパートとお店以外では、周囲の人達の目線が気になった。だから、心も男性として生きていた頃のものが、ちゃんと処分なかったのかもしれない。
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彼女に、きちんと自分の疑問を伝えるために、私は説明の言葉を付け足した。
「ドレスコードとかは、大丈夫?」
「あぁ、そういう意味だったんですね」
電話での彼女の口調が、いつもの明るい口調へと変わった。
その後の、彼女の説明によると、部屋着みたいなものや、タキシードの様な正装以外なら、何でも大丈夫です!と、教えてくれた。でも、その後、
「でも、こんな答だとちょっと素っ気ないと言うか、具体的ではないですよね……」と言い、黙りこくってしまった。
「どうかしたの?」
「せっかくだから、お洒落して出かけませんか?」
「お洒落って?」
「周囲から、『ステキ!』って、注目される様にしませんか? その方が楽しいと思うから」
「それは止めておくわ。どうせ、この身長よ。何をしても目立つもの」
「だから、ちゃんと目立ちませんか?」
「どうして?」
「その方が、ロビーを歩く時とか、幕間の休憩時間がきっと楽しく感じる筈ですから」
「でもね……」
結局、その時は一度、電話を切ることにした。まだお店がお昼の営業時間中だったということもあった。
そして、お店がお昼の営業時間を終えた後に、彼女からメールが着信していた。
「デニムの上着は絶対に禁止! 麻かウールの上着にして下さいね。あと、大きなスカーフをお持ちなら、ネクタイみたいに結んでみてはいかがでしょう? でも、結び目は、鎖骨と乳首の間くらいの高さがベストだと思います。あとは、時々、お店に着けて来られてる、ゴールドかシルバーのブレスレットを着けると、アクセントになると思います。あと、スニーカーは避けて下さい。普通の革靴か、ショートブーツの方が良いと思います。でも、もしも足を組んで座る癖があるのなら、靴の方がお隣の方に踵をぶつけなくて済んで、無難だと思います」
一所懸命に考えて貰えた気持ちが嬉しくて、私はお昼を食べ終えると、彼女にお礼の電話を掛けるとにした。
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