軽井沢音楽祭 (東フィル&伴哲朗 牛田) | 私のピアノライフ  with classical music

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ピアノ練習、コンサート等で感じたことを気ままに語っていきます。

5月3日、軽井沢まで足を延ばし、春の音楽祭を聴いてきました。

軽井沢に行くのは3回目。今回、初めて「しなの」特急や長野新幹線を使って行きました。

今までは、東京旅行とセットにしていたので、東京から新幹線を使っていました。

自宅から軽井沢までは、4~5時間かかります。おまけに、事前に乗車券を買ったのですが、行きの「しなの」は指定席券は取れない。当日は、自由席もいっぱいで、2時間ほど、立ちんぼでした。

幸いなことに天気が良かったので、軽井沢に着いてからはお弁当を矢ケ崎公園のベンチに座って食べたり、街中をぶらぶらしたりして、軽井沢の澄んだ空気を感じることができました。

池の向こうに見えるのが大賀ホールです。

大賀ホールで、レコーディングを牛田さんがしているのを知っているので、ずっとこのホールが気になっていました。

外観は以前、軽井沢に来た時も見ていますが、ホール内に入るのは初めてです。

 

【プログラム】

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K466

ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 OP.73

 

指揮:阪 哲朗  ピアノ:牛田智大  管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 

ホール内に入ると↓

素敵な花スタンドが飾ってありました。

 

大賀ホールは、ソニー元会長の大賀典雄氏の寄贈により、2005年に開館したそうです。五角形のホールで収容人数は800人余り。立見席が設けられています。

今回の座席は下手側の2列目。第1ヴァイオリンが目の前で、指揮者を横から眺められる席。ピアノの牛田さんの背中がよく見えました。

 

楽団員が着席し、チューニング後、指揮者の阪さん登場。最初の曲では、指揮棒なし、暗譜。

軽やかですがすがしいモーツァルトでした。

 

2曲目は牛田さんが登場して、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番。

最初の音は、ごくごく弱い音から始まりました。第1ヴァイオリンの近くの席だったので、最初ヴァイオリンの音が耳に強く入ってきましたが、曲が進むにつれ、音楽全体の音を聴けるようになりました。

 

モーツァルトの協奏曲の一番の楽しみは、カデンツァは、何を弾くかということ。何回か聴いていますが、毎回、違うものを採用しているように思います。この日の1楽章のカデンツァは、重厚でなんとブラームスのものでした。(マエストロのリクエストだったそうです。)

 

前半のとくとくと静かに語るのと違い、カデンツァは、熱量を感じる演奏でした。

 

2楽章は丁寧に歌い上げ、本当に美しくて心地よい。(牛田さんのコンサートに何度も行ってしまうのは、音が心地よいからなんです。)

 

3楽章は躍動感あふれる演奏。

 

モーツァルトの協奏曲は短調のものは2曲しかなくそのうちの1曲がこの20番ですが、何度も聴いているうちにとても内容の濃い曲だなと思うようになりました。モーツァルトは純粋、無垢な曲が多いと思われていますがこの曲は、悲哀に満ち、モーツァルトの人生を感じさせます。

 

牛田さんのアンコールは、モーツァルトのピアノソナタ第4番の1楽章。可憐な歌が心に沁みました。

 

後半はブラームスの交響曲第2番。この曲では、指揮の阪さん、指揮棒を使っていました。

ブラームスの中で一番春にふさわしい曲がこの2番。昔、学生オケで演奏したことがあるので、曲の流れはばっちり。タタータ、タタータと繰り返し刻むリズムがなかなか難しかったことを思い出しました。

奇をてらった演奏でなくオーソドックスですが、熱量を感じる演奏でした。

ブラームスサウンドを存分に味わえ、心が満たされました。

 

オケのアンコールは、モーツァルトのディベルティメント K.136 第1楽章。弦の美しい響きが爽やかな今の気候のようでした。

 

ホールから出た所で、また、この間お会いした人に遭遇。駅までの道すがら、お話しでき、楽しかったです。

 

帰り、新幹線が若干遅れていましたが、乗り継ぎには問題なく予定通り帰って来れました。

7時に出発し、11時過ぎに帰着は、ちょっとハードで疲れました。

うちから軽井沢って、遠いのね。もう少し、近いといいのになあ。軽井沢の空気が好きなのになあ。