牛田智大ピアノリサイタル 豊田市コンサートホール | 私のピアノライフ  with classical music

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ピアノ練習、コンサート等で感じたことを気ままに語っていきます。

3月21日(木)、豊田市に行きました。

コンサートは夜だったので、早目に出発し、豊田市美術館に立ち寄りました。

念入りに場所や経路を下調べしましたが、全くその必要はありませんでした。豊田市の駅からずっと道案内が道路に書かれているのです。そんなに美術館に力を入れているのはなぜ?

常設展を見て、外をぶらぶら。かなり、歩きよい運動になりました。田舎は、建造物が多くないので、どの方向に進めばよいのかなんとなくわかります。美術館までは距離がありましたが、帰りは駅に向かっていけばいいので難なく移動することができました。

上は、美術館の建物を外から、撮ったものです。

広々としていて、気持ちいい空間でした。

 

夕食後、豊田市コンサートホールへ。このホールは5年ぶりです。駅周辺が工事しているので、道のりが少しわかりづらかったです。

ビルの高層階にホールがあるので、移動に少し時間がかかります。

 

入場後、ロビーには花スタンドとポスター。

各地で、素敵な花が贈られていて、それを見るのも楽しみです。

 

コンサートで一番気をつけているのは、必ずトイレに行っていくこと。以前、演奏を聴いている間、我慢し続け、つらかったので、それ以降、長蛇の列でも並ぶようにしています。

そして、開演前のトイレで、声をかけられました。どこかで見たことある人だなと思ったら、「福井、行きませんでしたか。」と言われ、「行きました。」。レストランで、料理が運ばれてきたのですが、箸、フォークなどがなく、あたふた。お店の人を呼びに行ってくれた人でした。

 

会場に入り、指定席へ。11列目の中央よりで、手の動きもよく見えそうな席。でも、前の席の人が大きいとよく見えないんですね。見ようとすると、頭を右や左に振ることになってしまう。

開演前に左隣の二人連れと、ちょっとしたきっかけで話をしました。そして、1年に1回、牛田さんのコンサートに来ることを楽しみにしているそうです。名古屋の公演で、倒れたときのことを話されていましたが、私はその頃、コンサート通いをしていなかったので、噂でしか知りません。名古屋でデビューしているので、その頃から大事に思っているファンの方が少なからずいるのだなと感じました。

もっと、驚いたのは、同じ市内在住(一人の方は他の地に引っ越されたそうですが)で、地区も近辺であること。居住地から、豊田までは、2時間ぐらいかかるので、まさかこんな所で、ご近所さんに会うとは…。

名古屋でのコンサートは、たまには知り合いに会えないかなと期待するのですが、コンサート通いを始めて5年ぐらいになるけど、ほとんどありません。

 

【プログラム】

モーツァルト:ピアノソナタ 第4番 変ホ長調

シューマン:クライスレリアーナ

ショパン:即興曲 第1番~第3番

ショパン:ピアノソナタ 第3番

 

このプログラムは金沢と同じです。11日ぶりに聴きますが、最初の音から、違う響きがします。ホール、ピアノが違うと本当に音って違う色を見せるのですね。このホールについて、牛田さんは輝かしい音がすると感想を述べていましたが、音がよく響きます。金沢の方がストレートな音だったように思います。

 

一音一音、丁寧に歌い上げるモーツァルト。真面目な性格を感じます。ただ、個人の感想としては、モーツァルトって、けっこう冗談めいたところがあるから、もっと軽やかな方を聴きたいかな。(特別、モーツァルトが好きなわけでないので、いいのですが。)

 

牛田さんの音色に合っているのは、ロマン派以降かなって、思います。

その点、シューマンのクライスレリアーナはぴったり。

前回は感情がぶつけられた感じが強かったのですが、この日の演奏は、物語を聴かせられているような感じがしました。もちろん、感情の揺れはたっぷり表現されているのですが、もう少し、大きなものが曲を包んでいる感じがしました。

 

後半のショパンは、どれも秀悦。今まで、即興曲はそんなに興味がなかったのですが、弾いても聴いても本当に美しい曲で大好きになりました。素人ピアノ弾きでは、なかなかプロの弾く速さで弾けないし、速いパッセージは落ちまくります。プロの演奏が励みになるのか絶望感を感じるか微妙なところです。

 

最後のピアノソナタ3番は、改めて名曲だと感じました。2番のような不思議な形式でなく、緩徐楽章から、フィナーレは速い楽章になり、盛り上がって終わるので、聴いている方も達成感(?)を味わえます。

といっても、技巧的にはかなり難しくこれを自然に聴かせるのは大変です。細かい部分まで、練り込まれ、表現されているのがよくわかりました。3楽章の絶妙な美しさ、なんといっても4楽章は圧巻。最後の方、けっこう、胡麻化して弾いているピアニストが多いように思うのですが、牛田さんの演奏は音の粒がくまなく鳴り響き、終わった時はこちらまで清々しい気分になりました。

終わった後、小声で「素晴らしい!」と言ってしまいました。後方から、「ブラヴォー」の声がかかりました。

 

アンコールはなんと3曲

 ショパンのプレリュード 第4番

 シューマンのピアノソナタ第1番より、2楽章

 ショパンの幻想曲

 

定番の「トロイメライ」ではなく「幻想曲」という大曲を弾いてくれました。これだけ、弾くということは、調子が良かったのでしょうね。ツアーも半分以上、終え、曲が板についてきたのでしょう、表現に余裕や自由度が感じれました。あと、1回、聴く機会があるので、どう変わるか楽しみ!