昭和の高度成長期に子供時代を過ごしたので、土の道路が舗装されたり、学校の校舎が木造から鉄筋に建て替えられたりしたのを直に体験してきました。
体育館も立て替えられ、その記念にどこそこの会社の方が小学校にグランドピアノを寄贈してくださいました。
そのためかわかりませんが、女性のピアニストを招いてのミニコンサートが開催されました。
何曲か弾いてくださったのですが、「エリーゼのために」を筆頭に馴染みやすい曲だったと思います。
これがおそらく、クラシックの生演奏の初体験だと思います。
中学1年時、音高に通っていたお姉さんにレッスンしてもらっていました。
ある時、その音高の卒業演奏会に行きましょうと連れて行ってもらいました。
音大、芸大を目指す、高校生の生演奏を聴きました。ピアノだけでなく声楽も聴けて、この時は皆さんとても上手だなと思いました。
次の年、一人でまたその音高の卒業演奏会を聴きに行きました。
演奏の水準がそんなに変わっているとは思われないのですが、1年前ほど、凄いと思わなくなっていました。
20代の頃、足繫くいろんな演奏会(一流どころ、地域の音楽家など)に行きました。今でも、覚えているというか印象に残っているのはやはり、一流の人ですね。アシュケナージ、アルゲリッチ、ポリーニといった。
印象に残っているのは音の美しさ。はっきりいって解釈なんて、何も気にしてなかった。今でも、ほとんど、音が好きかどうかで、演奏家を選んでいる。
最近は、YouTubeなんてもののおかげで、いくらでも聴けてしまうのである意味やっかいですね。配信と生の音は違うとわかっていても、配信の演奏が気に入らないと演奏会に行く気になれないし、配信は良かったけど生で聴くとなんか好みと違うなと思ったり、時事、気持ちが変化します。
この感じ方って、何だろうなあ?つかみどころがなく不可思議な物ですよね。食べ物の好み、味覚と相通じるものがあるのかなあ。
前は大好きだったのに、今は嫌い。前は興味なかったけど、食べてみたら滅茶苦茶はまったとか。
ピアノなんて上手く弾けれる人は沢山いるのですから、好きだと言ってもらえないといけないわけでして、ほんと、ピアニストって大変な職業ですね。
そして、人気も人の気とあるように、移ろいやすく、いつまでも続くのは至難の業です。実力はあっても人気のない人、それほどでなくても他の要素でカバーして大人気な人など、いろいろだなと思います。
コンクールでファイナリストになった人を比べて、この人は人気出そう、この人はそれほどではないなと勝手に予想することがあります。(私自身の好みはおいといて)
年を取ると、くどい物を食べられないように、超絶技巧をひけらかす演奏が苦手です。最近は、そっと寄り添ってくれるような演奏に心惹かれます。歌心が感じられる演奏にグッときます。