石岡の看板建築を訪ねて | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

石岡市(茨城県)にも何かありそうだとは感じていた。時節到来してその気になって調べてみたら、かなり面白そう。看板建築というちょっと耳慣れない建築スタイルに心惹かれて、石岡の街を訪ねてみました。

 

中町商店街には電柱・電線がなかった!

 

詳しくはこちら。必見Webサイトです。

 

まず石岡駅の観光案内所に立ち寄って情報を入手していく。駐車場は丁子屋の隣りの商店街Pがいいとのこと(ツルハドラッグの真向かい)。どこの蕎麦屋がいいかも教えてくれた。

隣りの伝承館には大祭の山車が展示されていた。飾り付けはしてないみたいだ。

 

では駐車場から街並みへ飛び出します。いきなり圧倒される、この風景!

重厚な蔵と看板建築レトロの揃い踏みだ。石岡の圧巻のスポットだった。

 

福島屋砂糖店は昭和6年の建築で(意外と古くはないのか)、壁はコンクリートとのこと。川越の町並みに並んでも引けを取らないほどだ。

石岡は昭和4年の大火で多くの建物が焼失した。今見ているのはほとんどがそれ以降のものになる。かつてあったアーケードは撤去されて、電線も地中化された。

 

久松商店は昭和5年の建築で、化粧品・雑貨の店舗。外壁はドイツ下見板張りで、戦前は銅板張りだった。

隣りは十七屋履物店、昭和5年。銀行みたいな名前だ。パラペットの装飾や窓のデザインが洒落ている。この2棟は微妙にデザインが符合していて面白い。3棟全部、登録文化財。

 

まず北へ向かいます。ぐっと庶民的なファサードになってきた。隣棟間隔なしの佇まいがユニーク。まだ10時前なので閉まってます。

こんな風景もある。

 

レトロに包まれて。

 

街道の宿場とは趣が違うし、近代レトロ+アーケードなしというのが空間の広がりを感じさせる。現代風のおしゃれな店がないのも特徴だろう。そういうのがあったら、却って違和感かも。

 

石岡駅からの御幸通りとのT字路。ここに、まちかど情報センターがある。

情報センターではこんなイベントもやってるが、もうすぐ終了。

「いしおかサンド」は石岡のお菓子のブランドです。連れが腹減ったと言うので、情報センターで2種類買ってすぐに食べた。下のマークは常陸獅子の頭のデザインです。

たとえば、ちょっと歩けばこんなマンホールがある。カードは後で、別の場所でもらいます。

 

ここの信号で折り返して、今度は南へ。キョロキョロしながら左の脇道入れば、喫茶店四季。円柱はコリント様式らしい。どんな建築会社が建てたのか。

 

表通りに戻って進む。

前野呉服店と森戸文四郎商店。後者は登録文化財で、外観はアールデコ調だとか。飼料店。この商店街は、かつてはたいそう繁盛したらしい。お金がなければこんな店は建たないでしょう。

 

また脇道にそれていく。むらやま本店。

栗山呉服店。今は主が変わったか?

 

裏の通りに抜けてみたら、トーンが一段下がった。

 

再び表に戻ります。正面には、すがや化粧品店が構えている。ペディメント(三角部)に屋号を配し、円柱で装飾される。この一帯の建物は昭和5~7年の建築が多いが、これだけの棟数を建てられる供給力があったのも凄い。

 

またここへ戻ってきました。これで靴屋さんなのですから。

建物ごとに、こういう証が立ってます。

 

砂糖店の奥へはマイレールが延びていた。商品や材料の搬出入に使ったのだろうか。

 

向かいの丁子屋も開店したようだが、後ほど。ちなみにここは、江戸末期に建てられた染物屋だった。火災から生き延びた、唯一の建築物である。

 

再度、魅惑の路地裏へ。

蔵の連なりに目が止まった。

 

蔵の隣りに付け足したような建物。パリの裏路地にでもありそうな。

かすれた文字でBARと書いてある。これ自体が有形文化財的だ。

 

南の信号まで行って折り返して、丁子屋へ入る。本当に広々とした空間と、レトロ建築の微妙なバランスだ。

 

驚きの看板建築群でした。

 

おわり