降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

七月の三連休、スケールの大きな登山をしたくなる季節だ。

今年は飯豊連峰へ行って、石転び沢を登ってから縦走する計画を立てた。しかし晴マークが一つも出ないので、北関東の山を一日一本、雨でもそれなりにというプランに変わりました。さみしいです。

まず足尾連山の片隅にある庚申山から、、、

 

『お山めぐり』のめがね岩をくぐる

 

【2019年7月13日】

かじか荘8:30~一の鳥居9:30-40~舟石新道分岐10:45~お山めぐり分岐11:00-10~上部側の分岐12:45-13:00~庚申山13:30-50~一の鳥居15:40~かじか荘16:45

 

庚申山にはバリエーションの石塔尾根経由で一度登っただけだった。その時は、お山めぐりを廻って下山してからランニングで舟石峠を越えて銅親水公園まで周回した。

今はそんな長丁場は体力的に難しいので、今日は庚申山だけ登ります。

アプローチの林道にはジンヨウイチヤクソウが一輪咲いていた。

右手の山側から大岩がたくさん押し出している場所、天狗の投石と呼ばれている。

 

林道歩きを1時間丁度で登山口の一の鳥居に着いた。なぜ鳥居かというと、庚申山は江戸時代から庚申信仰の山として賑わい、山中には猿田彦神社があった。江戸末期には庚申講の民衆は三千人あまりもいたという。庚申山は奇岩絶壁の山で、そこが信仰の対象となった所以であろう。

今は、コウシンソウの季節以外はひっそりとしている。

登山口からは水ノ面沢に沿って、深い樹林の中を登っていく。

今日はどうにか雨もおさまって、分厚い雲の下だけれど樹林は鮮やかだ。

 

途中にはいろんな巨岩があり、鏡岩とか夫婦蛙岩など。これは仁王門で、庚申山の守護神という看板が立っていた。何気に神仏習合している。

 

さらに登って標高1430m地点に「鳥居から2.0km」の標柱が立っている。ここが知る人ぞ知る『舟石新道』の分岐なのである。この道は昭和25年に拓かれたもので、足尾・舟石峠と庚申山荘を結んでいる。

今は大半がヤブに埋もれ、この辺の山を愛する奇特な登山者のみが極めてまれにたどっている。

いささか思うところがあって、その入口を確認してみたかった。じっと目をこらしたり踏み入ってみたけれど、そこにはかすかなフミアトすら見いだせなかった。拍子抜けしたというか、キツネにだまされたような気分だった。仕方ない、今日は深入りするのはよそう。

 

そこから登ること数分で、お山めぐりの分岐に着いた。ここが猿田彦神社の跡である。かつての面影を偲ぶよすがもなかった。

さて、今日は『お山めぐり』を登るのである。鎖・梯子・吊橋などを連ねた難路である。これをめぐって、庚申山の頂上にタッチして降りてこよう。

 

今日庚申山へ来たのには訳があった。一ヶ月前に庚申山から皇海山へ向かった知人が行方不明となってしまったのである。自分なりに、個人的な立場で、家へ帰らせてあげたい気持ちだった。

舟石新道というのも一つのヒントだったのだけれど・・・

奇岩絶壁の序章が始まった。

コウシンコザクラにふと足を止める。

鎖の張りめぐらされた道には、ミネウスユキソウも咲いていた。

 

霧に包まれた岩壁。

深い谷間の上には吊橋が架けられていた。周囲を見回すと古い道がとんでもない斜面へと伸びていたりして、この山の不気味な一面を垣間見る。

怪しげな小岩峰や行き止まりの突端がいたるところにあった。

岩壁を見上げる。この上部にはもう一段の岩壁帯があって、その上は石塔尾根の上部緩傾斜帯へと続いている。

見下ろすルンゼ。立ちくらみしそうだ。

 

ハシゴは庚申山オリジナル。ほとんどがこのタイプだ。その危険性を列挙しよう。

①手すりや握りがない。そういうものが上部まで延び上がっていないから、地面に手をついてから一歩を踏み出すことになる。

②踏みしろの左右が開放なので、露出感が高くて足がすっぽ抜ける可能性あり。踏み面自体が角パイプで滑りやすい。

③最下部が安全地帯に届いていないことが多い。もはや論外!

ここは環境省の『関東ふれあいの道』の一部である。工作物の安全基準は山では無視されてもよいのか?あとは登山者の自己責任だというのか?雨の日は危険だから登らないようにと言っても、天候の急変だってあるではないですか。話はここまでにしておく。

 

馬の背のナイフリッジを進む。

馬の背から遠望する岩壁帯。

赤や青の点を探したけれど、何もなかった。どこへ行ってしまったんですか?

 

オーバーハングの下を通り抜けて、さらにトラバースしていく。意外と長い。

霧の中に突然現れた、めがね岩。もうこの山は不気味すぎる。

めがね岩に立つ。

岩の迷宮を進む。

威圧的な壁。

この穴はくぐるのは大変そうなので、左から巻いた。

岩壁と桟橋。

庚申の岩戸を見る。

まだ終わらない。

 

そしてやっと長い「お山めぐり」の道を終えて、山頂への道に合流した。その先もまだしばらくは岩の道が続く。あの忌まわしいハシゴもある。

 

1850mラインを越えると笹原の尾根道になっていく。登山道が西へ大きく向きを変える所。

このあたりは道型が大きいから迷うことはなさそうにみえる。でもわからない。

さ・さ・は・ら

 

庚申山に到着です。展望はまったくなし。この先の展望所まで行ってみたけれど、やはり展望なし。

なにも見えず。それが今日の結論だった。期待感はすごく大きかったのだけれど、いくつかの可能性を消去したに過ぎなかった。

早く下らないと、今日も天気がヤバそうだ。

分岐から庚申山荘へ向かって下る。この穴をくぐって。まだ14時過ぎだというのに、暗い霧の底にいるようで、とてもいたたまれない気分だった。山荘まで下る間も道型の不明瞭な箇所がいくつかあり、いろんな意味での理不尽を感じざるを得なかった。ギアの重さがなおさら身にしみた。

 

本日のコース。舟石新道は参考まで。

GPSのトラック。だいぶ動きがあります。受信誤差もあり、道型の複雑さもあり。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平30情複、 第1168号) 

この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

なにかお気づきの点があればコメントください。よろしくお願いいたします。

6月14日のこと。鋸山・六林班峠・庚申山のエリアにて遭難。