ちょっと趣向を変えて、牛久ウォーキングに行ってみます。牛久には牛久沼があって、そこにカッパが棲息しています。何はともあれ、カッパその他諸々に会いに行こう。
2024年6月24日
小川芋銭の河童の碑
よく考えて見たら、牛久ではあまり真剣に巡ったことがなかった。牛久沼周辺を数回走ったのと、牛久シャトーに来たくらいか。その牛久シャトーで『牛久市文化財ガイドブック』というパンフレットをゲットしたのが始まりだった。
今日は牛久沼北岸の、牛久市観光アヤメ園からスタート。およそ10kmの予定です。
アヤメ園の真ん中に呆然と座っていたのはカッパだった。牛久沼とカッパは繋がりが深い。カッパには、何か得体のしれない雰囲気があります。
①八坂神社(牛久市牛久町、市営南浦住宅そば)
まず農村地帯を横切っていく。国道6号バイパスの建設予定地になっていた。
雨上がりの参道に入っていくと、狛犬が3対並んでいるようだ。最初のは原型をとどめていないが、きつねだったらしい。
次の狛犬は小ぶりだがどっしりしていて、何か困ったことがあったような顔。
光を燦々と浴びれば、気持ちいいだろうに。
さて拝殿前では。どっしり感に対して体が長めの比率なのが印象的だ。高い台座に上げてやりたい。
何か叫んでいるようで楽しいですね。
こちらも、顔の造りがはっきりしていて良い。思いがけず3対にも出会えて驚いた。
小祠の中には天神様が祀られていた。なぜか前面が削られたようになっている。
本殿裏手には石仏・石祠がずらっと並んでいる。庚申塔が見事だが、右の一体の破損が惜しい。
石祠の一つには、妙義山・榛名山と刻まれている。それが面白い。
本殿左手、特別に神格化されたような庚申塔一基。すばらしい。
青面金剛。
八坂神社は中身のぎっしり詰まった神社だった。
②牛久宿本陣跡(牛久市牛久町108)
本牛久局のある通りを北へ向かうと、その道が水戸道中だった。大きな会館が建っていて、街道に面して説明板だけ。かつての賑わいはまったく感じられなかった。
③正源寺(牛久市牛久町114)
本陣跡の北側に建つ寺院。新しい仁王像が一対。
粗彫りの馬頭観音があった。紀年銘があるから、制作途中でもなさそう。
明和4年、十六夜講中の子安地蔵。地蔵さんの左手の指が異様に大きい。
おおむね東へ進んで国道6号を横切って、南地区の住宅エリアへ。小さなマンホールにカッパを見つけた。
ジョイフーズの交差点を南へ折れていくと、次の信号の十字路の四辻それぞれに遺跡があるはずだ。しかしほとんど住宅地で所在もわからない。探していたら不審人物と思われそうだ。南側一画の桜塚遺跡は小公園で、緑の塚があったがただそれだけ。遺跡と称するスポットには立ち寄らなくていいと悟る。
向台小前から南下して農道をつないで、常磐線の小さな踏切を越えた。電車の音に振り向いたら、特急ひたちが過ぎていった。今日は特急ではなくて、超低速で移動してます。
④根古屋不動尊(牛久市城中町480)
踏切の先で国道6号を西へ越えて、根古屋橋を渡る。廃業した旅館たくせんの向かいの小道を入ると不動尊がある。道標もあった。だいぶ摩耗した不動明王がいた。
落ち着いた集落の道を、牛久沼に沿って北西へ。水田の向こうに牛久沼がチラリと見える。今日は気温が34℃ということで、地域放送では「今日は~外出せずに~家の中で涼しくしてお過ごしください~」と呼びかけていた。汗をかいても気持ちいい程度だが。
路傍にはこんな案内板。今日はこれをたどっているのではありません。
⑤小川芋銭記念館・雲魚亭(牛久市城中町2690−3)
牛久のカッパの生みの親は小川芋銭(おがわうせん)であるといえる。ここで彼の描いたカッパの絵でも鑑賞していきたいと思ったが定休日だった。めったに来れないのに残念だった。
牛久シャトーを創業した神谷傳兵衛が1856年(安政3)生まれなので、ほぼ同時代人ということだ。ワイン産業の一翼に対して、空想の河童世界に浸っていたという対比が凄すぎる。
せめて今日は自分もカッパワールドに浸っていこう。こちらは門人が後世に建立した、河童の碑。
光の明暗がよく似合う。
⑥羽成山観音堂(牛久市城中町244)
カッパエリアを離れて集落内を進むと城中公民館がある。隣に観音堂が建っている。観音堂といっても祀られているのは薬師如来である。非公開のはずだったが。公民館で話し声がしたので、今日は厨子を開けて風を入れているのかもしれない。
隣の小堂には子安観音のきれいな姿。いろいろ見れて、実にいい気分です。
⑦得月院(牛久市城中町258)
道なりに北へ進むとすぐ左手にある。まずは焔魔堂を覗いてみた。閻魔の首に宝永4年の墨書銘がある。牛久市指定文化財の、閻魔大王と奪衣婆坐像でありました。
本堂裏の墓地には小川芋銭の墓がある。どこかカッパを彷彿とさせるような墓碑銘だった。
期待していたよりも数倍面白い牛久巡り(その1)だった。駐車場まで戻ってきて、その先の三日月橋まで行ってみる。橋のたもとに佇むは、小川芋銭が生み出したカッパだった。
カッパは空想か、現実か。