虫倉山はかつては中条村だったが、今は長野市に含まれている。そんなことはお構いなしに、虫倉山麓に広がる山村風景は美しい。
今日は虫倉山南面の、明るいコースの春を周回していきます。
長野市中条御山里(みやまさ)の風景
本日のGPS軌跡、時計回りで。
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)
注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。
【2024年4月15日(月)】 虫倉山:柏鉢城(天神城)コース~不動滝コース
廣福寺駐車場9:20~不動滝コース分岐11:30-35~虫倉山12:00-15~不動滝13:00~駐車場13:45 行動時間:4時間25分
大町街道から虫倉山に向かうと、災害復旧工事のために迂回路に入っていく。どこに向かってるのかも分からない、はたしてたどり着けるのかと不安な気分だ。そんなことはつゆ知らず、眠りから覚めた家内の目の前には桃源郷が広がっていた。「もう着いたの?」
あまりにも美しい風景に感動しながら、もうしばらく走っていくとこの民家の前。登山口の廣福寺駐車場に到着。立派なトイレも建っている。
ここから登るのは柏鉢城コースであるが、大多数の登山者は隣りの不動滝コースから往復するようだ。もうだいぶ前に大洞高原・飯縄山コースから登って、岩井堂コースへ下山したことがある(しかし若干の思い違いが存在することがわかった)。
駐車場のすぐ先に信濃三十三観音霊場31番札所廣福寺があるので、お参りしていきます。この霊場は、かつてランニング巡礼で満願したことがある。それは縦走とは別の時に来たのだったか?
前回は観音様の顔まで見えたように思う。
31番が、丗一番と彫られている。
その近くには文政の二十三夜塔や、馬頭観音石仏もあった。
境内の右手のほうに登山口があるが、何やら注意書きあり。「足場が悪い状況」らしいです。一応気に留めて登りましょう。では、初めてのコースから虫倉山へ。
登山道はけっこう荒れていて、なんでもない場所なのに道型不明でキョロキョロしたりする。しばらく登るとこんな分岐があった。薬師コースというのは、地図にも書いてない。
尾根は次第に明瞭になってきて、新緑になる前の透明感がいい。
1000mラインからの急登。ぐいぐい登ります。
展望地にて、ちょっと遠くは霞んでいるけれど。
1050m台地に上がると、柏鉢城跡の標柱が倒れていた。道はクランクに戻るようにして巻いていく。
しばらくは緩やかな尾根筋。今日は平日だし、静かな山だ。
今が一番いい季節かもしれない。
さて問題の箇所。1080m地点で登山道は直登を避けて、左の沢筋をトラバースしていく。この区間が崩壊していて、トラロープの行方を目で追っていく。
非常にやっかいです。ロープのどっち側に体を置くかも重要なポイントだ。体が振られるので、片手で木の根を掴んで補助にする。登り返しはロープのコブ間隔が遠くてしんどい。
横断してから対岸の道を振り返る。ハシゴを一本、ストレートに降ろしたほうが断然いいです。
危険箇所を過ぎたらすぐに「どんどり岩へ100m」という標識があったので寄り道してみた。
こんな場所が、新四国88箇所の霊場となっているらしい。
これが「どんどり岩」か。灌木の枝には「↗お大師様」という札がぶら下がっていた。
ちょっと登ってみよう。足場が不安定だ。
上部の小さな洞窟の中に、新し目のお大師様が祀られていた。
この記録を書きながら参考に2010年の写真フォルダを見ていたら、なんとこんな写真があるではないか! ここに来てる。巡礼の時にこのコースから登っていたのだ。14年の歳月が忘れさせたのか、元々記憶力が弱いのであろうか。登っている最中も、最後までデジャヴは感じなかったのであるが(二人共)。
コースに戻って登っていく。この前後は道型はほとんど無いに等しい。ヤブの切れ目や少ないピンテを追ったり、GPSで確認しながら登る。やがて右トラバースして、再び対岸へ向かう。ここも足場悪し。トラロープが頼りである。
さっき下で渡った沢筋の渡り返しです。
やっと尾根筋に復帰して、ひと安心。
1215m地点には口割岩がある。尾根筋の右手に見下ろしながら過ぎてゆく。
スタートから2時間ちょっとで分岐に到着。ここからは国道並みに道が良くなっている。柏鉢城コースを下山するというのはあり得ないだろう。危険だし、ルートファインディングも難しい。
中級者以上という問題ではないですね。
穏やかに、何事もなかったかのように道は続く。記憶喪失問題も、今は気付いてない。
オオイワカガミと思われる葉がたくさん。
1350mでほぼ頂稜となり、あとはコブが四つくらい。カウントダウンです。
虫倉山山頂に到着! わかってはいたけれど、小粒で激辛でした。
想定内の手応え感。
爺ヶ岳・鹿島槍・五竜岳、だいぶ雪解けも進んでいる模様。武田菱はまだよく見えた。
下山は予定通り、不動滝コースから。何も考えずに下っていける。花はほとんど咲いてないのだけれど、アズマイチゲが唐突に現れた。
下山はあっという間です。
今年も、お目にかかりませんように。
2010年には、やきもち家に泊まったのでした。
登山口のすぐそばに不動滝がある。なかなか豪快で、中段には不動明王の姿も見えた。
ここから駐車場までは1.8kmの道のりだ。地形図通りに近道しようと思ったら道がなくなっていた。ヤブをこいで民家の脇に降り立つことができた。また素敵な世界に溶け込んでいく。
道端でラッパスイセンが笑っているようだった。
まず虫倉山は無事終了です。
当初の予定がいろいろ狂ったので、本日は松本泊まりです。
つづく