晴れゆく霧訪山&戸隠P1尾根雑感 | 降っても晴れても

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山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

今回の旅のキーワードは「信州シルクロード」と「諏訪大社四社まいり」です。昨日は駒ヶ根までやってきたので、今日は再び諏訪を向きながら山に登ったりお蚕様を探したり・・・です。

まず霧訪山に登ります。

 

霧訪山で霧がとれた!

 

私は夏に登ったことがあるので、冬の霧訪(きりとう)山に家内を案内します。

まず飯田線小野駅に立ち寄ってみた。この山は駅からも歩けるので、案内板がある。コースもいくつかあります。遠くには槍ヶ岳・穂高岳の絵も描いてあるけど、見えるのかな?

 

登山口の駐車場に到着。先着は1台。宿からは伊那谷を北上してきたけれど、いっこうに雲が去らない。オール晴れのはずである。

 

すぐに登山口です。ここから山頂までは1600m。高度差ではなくて、歩行距離ですけど。今日は楽な山です。「山」の字を見ただけで、気合の入れられ方がわかる。

100mごとに標識があるのは、精神的にも楽? 昨日の雪がしっかり付着している。

 

20分ほど登ると御嶽山大権現の石碑がある。こんな小さな里山からも、御嶽山を遥拝していたのか。

 

針葉樹が途切れてくると、霧氷もだいぶ成長している。

1070mのコブに送電鉄塔。急登が一旦終わって、すぐまた急登攻め。

 

まもなく避難小屋です。ここに避難する人はいないだろうけど。休憩も外のほうが気持ちいい。すごい小屋だわ。ここはキノコ山だから、キノコ採りが使うのだろうか。キノコ採りは山ヤの動線は避けるか。

 

ますます白い世界になってきた。昨日は諏訪大社でも吹雪だったのですから。

松の木も、これでは松だと判らない。

 

霧訪山でこれだけの山肌とは、見事ですな。

 

これが最後の急登りだ。上の方がなんとなく明るくなってきた。

 

抜けた。霧訪山に、霧も訪れたし青空も訪れた!

久しぶりの雪山に、無事登頂です。

 

一応こんな写真も撮ってみた。

 

すばらしい霧氷~

 

北側の中央分水嶺コースもトレースがあった。

 

北アルプス方面、まったく何も見えないな。

何か叫んでますが。

 

その時、霧が晴れてきた。乗鞍か、と思ったのは常念岳だった。

そして真っ白な槍ヶ岳も穂高岳も。一番右には「甲斐駒だ」と女房が言うが、それは鹿島槍の姿なのでした。冬に爺ヶ岳までは連れてったけど、鹿島槍は行ってないからいけないのか。

 

じっと眺めたままです。

やっと振り向いた。

 

下りに備えて、チェーンスパイクをつけます。

やっぱり夏よりも、いろんな余計なものが隠れる冬がいい。

 

雪の結晶雪の結晶雪の結晶

 

さて戸隠岳P1尾根に関しては少しばかり思いがあります。霧訪山に登ったこの日に2件の遭難事故が発生した。私もかつて登った&下ったことのあるバリエーションルートである。

夏・冬・ソロと合わせて5回、登下降したことがある。一番最後は↓この記録。もうこんな危険すぎる遊びはやめよう、と真剣に考えた。

 

このマップは、もう一度家内と登ろうと思って数年前に作ったもの。でも実行しないままに歳をとりすぎた。

なぜ二人も滑落したんだろう?と誰しも考える。でも私にはわかります。

右差しこの急峻さは、ミニ白馬岳主稜ともいえる。そこを下るわけだ。

右差しナイフリッジやキノコ雪には確実な確保支点も見出し難い。

右差しホワイトアウトになれば方向感覚を見失って、GPSも役に立たない。

それらは他の山にもいえることだが、P1尾根では全てが短い区間に凝縮されている。

 

核心部の拡大図。事故は1800m付近で発生したとのこと。どっちへ落ちても奈落の底だ。なかなか、むずかしいと思います・・・

若い時期で、神がかったパワーを秘めていないと。理屈では登れない。

 

P1尾根に限ったことではなくて、よく鍛え・よく山を勉強してから登りましょう。スマホで登るのはダメです。特にバリっぽいコースは。

そして登る時に、(ここを下りれるか?)と常に考え続けることです。

この方々のことを言ってるわけではありませんよ。

我が若き日のP1尾根に思いを馳せながら、少しおしゃべりしてみました。