初めての雨飾山へ、猛暑の夏に | 降っても晴れても

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山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

七月の北海道遠征が終わってほっとしたのも束の間だった。まだまだ暑い夏には続きがあった。雨飾山をいつまでも登り残しておくわけにはいかない。あえて今、人の少なそうな頃合をねらって行ってみます。

 

荒菅沢に立てば、お馴染みの布団菱岩峰群が姿を見せた。

小谷温泉側からの往復コース。

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)

注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

【2023年8月4日(金)】  雨飾山 小谷コース

雨飾高原登山口駐車場7:05~荒菅沢8:30~笹平分岐9:50~雨飾山10:15-35~駐車場12:55  行動時間:5時間50分

 

7年前の10月終わりに、トレランスタイルで小谷温泉までやってきた。しかし見上げる山は前夜の新雪で白い装いとなっていた。それで明星山へと転進してしまったのだ。それ以来、なかなか登る機会に恵まれなかった。

今日は青空で、先着も5台であった。今から山上へ涼みに行きます。

 

今回の週末は、この地図の中の山三座に登る予定。午後の雷雨予報が気にかかる。朝の青空からは予測不可能だ。

 

ではキャンプ場の登山口から出発です。すでに7時を回って、暑さもひとしお。下界に比べれば、はるかにマシなのだが。

 

遊歩道が終わった所で山道に入っていく。雨飾山は百名山だから、なんの心配もないし普段とは緊張感も違う。同じ百名山でも、幌尻岳や斜里岳とはだいぶ中身が違うわけですが。

そして私は百名山には固執していないので、いつか完登できればそれでよしという考えです。

木の根も、幾多の登山者に踏まれてきたことを物語っている。この辺の登山道の幅は、会津の山の3倍くらいあると思う。

 

しばらく登ると、ブナ平を過ぎてゆく。

ブナもそれなりに風格があります。

携帯トイレブースがあった。登山口で落ち着いてやってきたほうが楽でしょう。

 

道が荒菅沢へ下り始める地点で、布団菱(フトンビシ)が見えた。

フトンビシ岩峰群は主に右岩峰と左岩峰によって構成される。私は登ったことがないので詳細は語らないけれど、誰もが魅了される印象的な風景である。1972年に集中的にルート開拓されたとのこと。

右岩峰は、センターリッジ・右スラブ・左スラブと全部真っ白だ。

 

荒菅(あらすご)沢に降り立つと、左岩峰が槍ヶ岳のように天を突き刺している。いったい雨飾山の山頂はどこにあるのだろう?

 

荒菅沢を横断して、急峻な道を登っていく。左手に小さいがすっきりしたスラブが見えてきた。

中間尾根にもゆるいスラブが登場して、変化が面白い。道は、きつい登りが続きます。

 

1720m地点で登山道が左手へ巻いて、傾斜がほんの一休み。ヤマハハコがたくさん。

 

視界が開けて岩の道へ。急な登りが続きます。紅葉の時期には大渋滞になるのではないか。そんなこと考えて、計画がずっと先送りになっていたのです。今日は見渡す限り、誰もいない。

タテヤマウツボグサ、その他いろいろ。

 

花と岩と青空!

スラブをバックに。

 

見下ろしてもいい景色。

 

北の方角には、海谷の鉢山(右)と阿弥陀山(左)。

 

稜線に出て金山への縦走路に合流した。山頂まで、これからたどる尾根が見える。やっぱりここは涼しい。風が気持ちいい。

 

シロバナタチギボウシが道端でお辞儀する。

シモツケソウ

 

タテヤマアザミの枯れた姿か。

ハクサンシャジンと雨飾山山頂。下山してくるソロが数名。

 

笹平の雨飾温泉分岐を過ぎて、海谷方面をもう一度。鉢山・阿弥陀山の手前には、右から鋸岳・鬼ヶ面山・駒ケ岳と並んでいる。労山バンドも見えるようだ。

 

最後の急斜面が近づいてきます。

ヤマハハコ中心に寄植えしたような場所がある。たくさんある。

 

荒菅沢源頭を見下ろして。

山頂直下の東面。

 

笹平の方を見下ろすと、小さな池が隠れていた。

 

そして登り詰めた右手が石仏の並ぶ西峰でした。石仏はみんな糸魚川の方を向いている。

大日如来・阿弥陀三尊・薬師如来である。その右に不動明王もいる。

 

お花と石仏が見れて、大満足です。

 

あちらが主峰の東峰、登山者二人が休憩中。

雨飾山山頂です! やっと来れました。女房は紅葉にこだわりがあるらしいけど。

 

石仏の峰を振り返る。

 

たどってきた笹平の尾根に、女神が現れた。(登山道のラインをよく見てください)

雨飾山にふさわしいのは、奴奈川姫(ぬなかわひめ)だろうか。顔がやっぱり、日本海の方を向いてますし。

 

うちのヒメは、ゆったりとお花の中を降りてきます。

 

下山も気持ちいい。

風景も抜群でした。

 

岩稜の下りは慎重に。

 

再び荒菅沢にて。私が若い頃には、雨飾山に登るなんてあり得なかった。他に登る山(壁)はいくらでもあったし、時間は足りなかったのだ。

連れのおかげで登れたようなものです。

静かですばらしい、雨飾山の一日でした。

 

つづく