焼石岳のお花畑の中で | 降っても晴れても

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山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

焼石岳には秋と残雪期に、いろんなコースから登った。四度目の焼石は七月の終わりの花咲き乱れる時期に、東成瀬三合目より登ってみます。いつも絶対に期待を裏切らない、素晴らしすぎる焼石岳です。

 

初めて南本内岳にも登ってみた、経塚山を背にして。

東西に長いコースなので、北を左にしてます。ご注意のほど。

登山口からちょっとの間だけ秋田県で、あとは全部岩手県内になる。

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)

注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

【2023年7月29日(土)】 焼石岳東成瀬三合目コース&南本内岳

三合目登山口6:10~五合目・釈迦懺悔6:50~第一渡渉点7:20~六合目・与治兵衛7:23-30~七合目・柳瀞7:55~八合目・焼石沼分岐8:30-40~焼石神社十字路9:17-20~焼石岳9:48-10:05~泉水沼・金明水分岐経由~十字路11:05-10~南本内岳11:33-48~三合目登山口14:35

行動時間:8時間25分

 

湯沢市内を出発して、R397で県境の手前から横林道に入る。この林道は3kmでかなりダートだが、轍のうねりをブルで削ってくれてるので大いに助かった。今日も一番乗り。

林道終点=登山口&駐車場で、警告看板あり。クマが意図的に標識を狂わすらしい。では気合を入れて行きましょう。今日は500ボトル4本で。

 

なんと!、刈り払いがしてあります。刈り草の色を見ると、ここ数日の仕事らしい。これは大変ラッキーな時に来た。北海道からずっとこういう恩恵にあずかってる気がする。

 

急坂をひと登りで岩手県側の巻き道に入り、四合目を過ぎる。大森山を巻いて過ぎ、次の分岐を左に直登すれば五合目・釈迦懺悔に着いた。「1時間くらいかかります」と言うから、何が?と聞くと「懺悔が終わるまで」とのこと。

今日はスパッツが重宝した。渡渉・露払い・泥除けと。

 

さらにゆるゆる進んで行くと、前方の視界が開ける。左から、三界山・南本内岳・焼石岳。快晴はいいけれど、暑くなりそう。山頂は27℃の予報なり。

 

お楽しみの一つ、第一渡渉点です。七月はこればっかりやってるな。いつもお助けポールが出てきます。

 

すぐに第二渡渉点を迎えます。

杖を求める手が伸びた。自分のを持ってくればいいのに。

 

そして六合目、ここで最初の休憩を取る。おもしろい名前がついている。

まもなく第三渡渉点、大きいのはこのみっつで終了です。

 

登山道は左岸に続いていき、明瞭な小尾根を登っていく。草地の広場に七合目・柳瀞の標柱を見る。

 

ふと左を見ると、もっこりした印象的な山。モッコ岳である。

その左後方には三界山という形のいい山があった。登山道がないので残雪期に登られている。

 

そして右手には西焼石岳が大きなボリュームを見せる。真ん中の奥が、平凡な形だけど焼石岳である。

 

長命水に到着~ 2本のパイプから湧き水が迸っていた。とても冷たくてうまい。顔なんか洗えないくらい。ここを過ぎればまもなく八合目・焼石沼分岐である。

 

八合目を過ぎると胆沢川の源流地帯となる。豊富な流れが幾筋もあり、登山道の一部も川になっていた。水源地帯の草原にはたくさんの花が咲き乱れていた。

ウゴアザミと西焼石岳。

ハクサンフウロの大群落と焼石岳。

 

トウゲブキはかわいくないのよね、と家内は言うが。

家内は私の何倍も花の写真を撮っていた。

 

周りよりも一段と高くそびえる、ミヤマシシウド。

 

三界山は登ってみたくなるような姿である。徐々に勾配を増して、稜線へと向かっていく。

 

タカネナデシコの数も、ぐんと増えてきた。

ミネウスユキソウも姿を見せ始めた。

 

焼石岳の非対称な姿が俄然近づいてきたら、九合目コルの十字路はもうすぐだ。

 

九合目から山頂方面へ少し登った所、大岩の陰に焼石神社がある。

そこに一体の山ノ神が祀られている。右手に鎌、左手には宝珠を捧げている。

 

そこから振り向くと、後で登る南本内岳が大きく翼を広げているようだった。

 

いよいよ最後の登り。積み重なった大岩を乗り越えていく。黄色の矢印がないと、どこがルートだかわかりません。

 

右の方に小さな雪渓が残ってますね。

ここもまた、楽園のような場所。

 

四度目の焼石岳に登頂です! 3時間半かかりました。最高の天気。

 

展望も言うことなしです。東にはたおやかな東焼石岳。その頭に重なるように経塚山も見えている。左は牛形山で、遥か雲の彼方に早池峰山が見えているのです。

早池峰山は右手に薬師岳を従えているので、すぐわかる。直線距離で70kmほどある。

 

南には、すぐそこに横岳と今から通る泉水沼。

横岳の右手には栗駒山だ。

 

山頂でのんびり風景を楽しんだら、泉水沼に向かいます。ハクサンイチゲのお出迎え。

これが泉水沼。姥石平分岐を左へ、そして金明水分岐を左へ取っていく。

 

山頂の東側一帯は、果てを知らぬお花畑でした。

涼風にタチギボウシも揺れていた。

 

小さな池塘もあった。

空よりも青い池塘と焼石岳。

 

お花畑をぐるりと回って九合目に戻ってきた。ここから今日は南本内岳に向かう。

名も知らぬ、池のほとりを過ぎて。

 

南本内岳への道はかなりササが深かった。足元が見えない所が多々ある。

最高地点を過ぎて北東へ降った所のガレ場が山頂だった。右に経塚山と駒ケ岳、左に牛形山が横たわる。いわゆる夏油三山である。今年の秋はここに登る予定で、麓のコテージも押さえた。後は降らないことを祈るのみ!

 

お花を踏んでいるのではなくて、ここに道があるんです。

 

帰りに寄ろうと思ってた、八合目の焼石沼です。クマが出てきそうで怖いから帰ることにしましょう。長命水の冷たい水をペットボトルに詰めてから。

 

休むたびに水を補給しながら、三合目登山口に下山しました。

奥さん大満足の、花の焼石岳でした。

明日も登ります。つづく。