泥湯三山、盛夏なり | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

北海道から帰ってきたら梅雨が明けたとかで、連日35℃越える酷暑の日々。冷房代を抑えるには山に行くしかない。アルプスに行きたしと思えども、登山者は多いし駐車場はあふれてるという。そうだ、東北へ行こう!

今回は主に秋田、+岩手の山旅です。

 

川原毛地獄は青と白の世界だった

とても魅力的なトライアングル型周回コース。5年前に作った計画で、やっと実現の日が来た。

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)

注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

【2023年7月28日(金)】  泥湯三山(小安岳・高松岳・山伏岳)

泥湯温泉駐車場8:35~小安岳10:30-40~高松岳11:45-55~山伏岳13:05-15~川原毛地獄14:25-30~駐車場14:50  行動時間:6時間15分

 

週末三日間で秋田まで行くのはけっこうハードである。東北道古川ICから小安峡経由で泥湯温泉に着く頃には、夏の日差しがジリジリと照っていた。こんな時間でも車は一台もない。夏の泥湯三山は敬遠されるのでしょうか。物好きは我々二人のみ。

小さな温泉街の風情も、暑さに澱んでいるようだった。

 

それでも懸案の計画なのだから、暑さ対策して登ります。アクエリアス凍結ボトルを持って、腹の中から冷やすことにする。

まず小安岳から、時計回りで行く。登山道は良く整備されていた。いきなり残雪期に登ろうという考えもあったのだが、巡り合わせでこういう季節となってしまった。

 

登山口の標高は720mだがさすがは東北で、すぐにブナの気持ち良い道となる。

 

山腹をひたすらトラバースしていくと、850m地点で新湯分岐の標識が出てくる。

興味津々で寄り道してみた、これが新湯源泉地だ。ここからも埋め込みパイプでお湯を引いているようだ。柵もないけれど、近寄りがたい。

 

風も弱い扇風機のように吹いてきて、いい気分で歩を運んでいった。

稜線が見える場所があった。高松岳から山伏岳が見えてるのだと思う。

 

ブナのコブなど。

内心は明日の焼石岳のお花畑を楽しみにしているらしい。

 

休憩を一本入れてから調子良く登れば、稜線の青空が手に取るようだ。さすがに標高1300mでは、風よりも暑さが優勢だった。

 

スタートから2時間ほどで小安岳に到着です。こやすだけではなくて「おやすだけ」と読むのです。この三山は1時間区切りで移動ができるので、コンパクトです。ただしアップダウンはビシビシとある。

 

1310m台形コブの右奥が高松岳で、小さく避難小屋も見えている。その右手が山伏岳だ。けっこう遠く見えるが、1時間+1時間で行けるはずなのだ。

高松岳への道はきれいに刈られていた。高松岳山頂が左端に低く傾いて見える。

 

ササの中に何か見つけたらしい。

 

近づくにつれて、ちょっとずつ形が変わってくるのが面白い。ただし歩いているとあまり変化は感じられなくて、汗拭きにも忙しい。

せめて紅葉の季節がよかったかもしれないが、秋は行く場所がたくさんあるのだ。

 

高松岳避難小屋に到着。扉につっかえ棒がしてあるので、スルーして山頂へ向かう。

南へ7分で高松岳山頂に着いた。あまりインパクトはないが、展望が開けている。

 

南に大きく見えるのは虎毛山だろうか。左手のなだらかなのが、須金岳。ここから全部尾根で繋がっている。

山頂には古い石祠が1基あった。

 

おもしろい花に目を止めた。

 

高松岳を後にして3つ目の山伏岳に向かっていくと、道が急に悪くなる。ゴーロ状の歩きづらい急坂が続く。なぜかこの三山の道で、気分がいいのは半分だった。

 

この区間もほぼ1時間で、山伏岳に着きました。ただやっぱりちょっと、個性がないのが寂しい気がする。

 

なんだかすごい尾根が見える。屏風岳というらしい。右手遥かには神室山。真ん中遠くには小又山が見えてる気がする。

鬼首カルデラの山々はどこにあるのかと探した。ど真ん中遠くに霞んでいるのが禿岳なのかもしれない。

 

さて、トライアングルの最後の一辺を下っていきます。高松岳(右)と小安岳(左)が、もうあんなに遠くなってしまった。泥湯三山はこうしてお互いの姿を眺める楽しみと、やや地味な大展望が魅力なのかもしれない。

 

下りもきっちり1時間ちょいで(これが長く感じられる)登山口へ降り立った。

 

最後に20分の車道歩きの前に、川原毛地獄を見ていきます。これはすごい風景だ。泥湯三山には欠かせない、最大の見せ場である。

ここは古来霊山であり、硫黄採掘場でもあった。この下方には河原毛大湯滝もある。

遊歩道上部周回路は、危険につき入り口が塞がれていた。下の滝への道へは行ける。

見たところは何でもなさそうなんですけどね。

 

あとは舗装路を歩いて駐車場へと戻りました。

泥湯三山に登るには、ガスや雨の日はダメです。できれば栗駒山や月山・鳥海山まで見通しのきく日がよい。今日はそこまでは見えなかったけれど。まずまず満足レベルでした。

今日はこれから湯沢市内へ。明日の焼石岳に登るためにここまで来たのですから。

つづく