須金岳は鬼首カルデラ外輪山 | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

宮城県のほぼ最北端には栗駒山があって、いつでもたくさんの登山者が登っている。

宮城・秋田県境沿いに南西へ視線をスライドさせると、須金岳という山がある。他にも禿岳とか荒雄岳などあって、登山道があるようだ。ずっと気になる存在だった。

宣言も延長戦に入ったところで、活動再開することにした。まずその、須金岳で足慣らしをしよう。

 

南麓の大森平から須金岳を仰ぐ

時計回りの周回で、最後は5kmの車道歩きだ。

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)

注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

【2021年9月11日】  旧国道ゲート前7:45~水沢森9:55-10:05~1180m山頂標識10:40-50~寒湯コース九合目11:35-45~県道13:05~ゲート前14:10   行動時間6時間25分

 

今朝は福島方面から走って、古川IC・鳴子温泉経由で鬼首(オニコウベ)へとやってきた。

大森平で国道がカーブする所に、羽後街道の旧国道ゲートがある。そこが駐車スペースになっていて、登山者の車が3台あった。そしていよいよ、懸案の須金岳に登ります。

 

ゲート脇から旧国道に入ったらすぐに右手の林道へ。穏やかな林道をたどっていく。橋を渡ると左手には見事な滝が垣間見える。煩雑な物がない序章は心が落ち着くものだ。

その滝の向かい側に登山道入口がありました。

 

まだしばらくはゆるゆるで、直角に左折したらいよいよ急登の始まり。特に550mラインからの等高線の密さ加減はすごい。しかし道が広く刈られているので、登りやすかった。

ふと足元を見ると(ほとんど足元しか見れない)、巨大で完璧な姿のキノコがあった。傘の直径が20センチはあった。アカヤマドリといって、食べると旨いらしい。

 

とりあえず、いったん平らになったから休もう。まだ600m地点だけど。

しばらくの間はとても緩やかで、気持ちの良い巨樹の森が続いている。

 

見事なクロベが、街道並木のように並んでいる。

樹齢数百年か。

 

再び急登になって、水沢森までは容赦のない登りが続く。汗のかき方も半端ではなかった。

急登には強いので、一気に登ります。

 

1018mの水沢森に到着。頂稜の北端に倒れた七合目があった。誰かが倒して、プレートまで破壊するのかもしれない。給水をしっかり摂っていきます。

 

熊鈴は一人2個。多少落とし物を見つけた(クマの)。

 

そろそろかなと思ったら、唐突に開けた場所に飛び出した。そこが天狗の角力取場とも呼ばれる須金岳山頂でした。須金岳の山頂部は長くて平坦な稜線が続いている。北端の最高地点はヤブで到達できないので、ここが「仮の山頂」とのこと。

この山頂標識も痛々しいです。

展望は全然なくて、ナナカマドの実が秋を感じさせる。

 

深い灌木とササの中、道は広く刈り払われていた。若干湿地もあり。

 

三角点の北側を巻いていくと、突然視界が開けた。今までがあまりにも単調だったので、ちょっと感動する。向かうは1241mコブ。右手はすっぱりと切れ落ちているのだが、薮に隠されて見えない。一歩右に寄ったらストンと落ちそうだ。

 

右手遠方には荒雄岳が見える。一帯は鬼首カルデラと呼ばれ、直径13kmの環状盆地を形成している。荒雄岳は中央火口丘なのである。だから須金岳や禿岳は外輪山ということになる。20万年前にできたらしい。

これが外輪山の火口壁ということか。それにしても気持ちが良い。

南西には禿岳・小柴山方面が見えるようだ。あれらもみんな外輪山になる。

 

小さな、あまりにも小さな湿原があった。

 

まもなく寒湯(ぬるゆ)コースの尾根が見えてくる。ひょっとしたら九合目の下降点から最高地点へのフミアトがないか、と思ったが深いヤブが広がるのみであった。

 

下山もとにかく急だけど、わりと歩きやすい。休まずにどんどん下っていった。

 

寒湯沢まで下り着いて軽い渡渉を2回やったら林道へと入っていく。

この案内板にも書いてある、「須金岳山頂へのコースはありませんので注意のこと」。

 

県道に出たら、あと1時間はみっちり歩かなくてはならない。正面に禿岳を眺めながら。

須金岳で気持ちがいいのは稜線の一部分だけだったが、久しぶりに山をぐるっと回れて精神的にはものすごく良かった。

蕎麦畑と禿岳。明日はあの山に登ります。

 

つづく