読売新聞にヴィーガンコスメについてのコメントが掲載されました! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆環境問題が背景にあるのは、50年前の自然派化粧品ブームの時と似ています!

 

こんにちは、山村です!

 

しばらく更新をお休みしていたのですが、久しぶりに復帰。

今回はメディア掲載のご紹介です。

 

先月になりますが、

11月17日(木)に、読売新聞くらし欄の

「ビーガンコスメ 徐々に」という記事に、

コメントを出しました。

 

この記事ですが、

読売新聞オンラインの女性応援サイト、

「大手小町」にも掲載されていますので、

興味のある方は読んでみてくださいビックリマーク

 

「『ビーガンコスメ』に注目…

動物由来成分ゼロ、社会貢献を実感」

https://otekomachi.yomiuri.co.jp/lifestyle/20221117-OYTET50003/

 

ヴィーガンコスメについては、

このブログでも以前に紹介しています。

 

 

 

私がコメントしたのは、

ヴィーガンコスメに至る流れについて。

 

紙面では、文字数の関係で、

話の内容がカットされているので、

少し補足します。

 

ヴィーガンコスメは、その製造過程で

「動物由来成分を一切使用せず、

動物実験をしない」のがコンセプトですが、

ルーツにあるのは、

1970年代に新興化粧品として登場した

自然派化粧品だと思います。

 

 

1960~70年代は、世界中の先進国で、

公害や環境破壊が政治的な問題になり、

さまざまな対策が講じられるようになりました。

 

高度成長の負の遺産であるこれらに対する

アンチテーゼとして、ヒッピーカルチャーなど

自然への回帰志向がトレンドにクローバークローバー

 

そんな中、イギリスでは1976年に、

天然の植物原料を用いた商品を

コンセプトにしたザボディショップが創業。

 

1978年にはアメリカで、

アヴェダが創業しています。

 

日本でも高度成長期の1960年代頃から、

各地で公害や経済成長に伴う環境破壊が明らかに。

 

一方、化粧品業界においては、

1970年代後半頃から

女子顔面黒皮症の裁判が起こるなど、

化粧品による肌トラブルが世間を騒がせ、

商品の安全性が疑問視されました。

 

そうした中、日本でも食の分野で

無添加食品や自然食品がブームになり、

80年代になると、

自然派化粧品という新しいコンセプトの

化粧品が注目されるようにピンク薔薇

 

現在と違うところは、当時の日本では、

動物実験は安全性の証明として、

必要だったということ。

 

動物実験ができる企業であることは、

安全性の担保としてむしろプラスに

評価されていたのです。

 

近年、温暖化などグローバルな規模での

環境破壊が問題になっていて、

状況は環境破壊が問題視された当時と似ています。

 

しかし今は、企業に対して

アニマルウェルフェア(動物愛護)や

エシカル消費などへの取り組み

求められるようになっており、

そこが当時との大きな違い!!

 

ヴィーガンコスメは、

そうした今のトレンドに合致した商品

と言えるのです。

 

ザボディショップやアヴェダなど、

老舗の自然派化粧品メーカーが、

今、ヴィーガンコスメを

前面に打ち出すようになっているので、

ヴィーガンコスメ自体は、

世界的には今後も選択肢のひとつとして

定着すると思います。

 

ただ、日本では、

特にスキンケアに対して

効果効能を求める傾向があると思うので、

ヴィーガンコスメというだけで

売り上げを伸ばすのは厳しい気もします。

 

一過性のブームで終わるのかどうか、

推移を見守っていきたいと思っています。

 

次回は12月17日頃更新予定。